メルマガ:少女の性シリーズ
タイトル:少女の性 234  2016/10/23


少女の性 第二百三十四部

「明日はAO入試があるから、一応勉強しておこうかと想って・・・・AOだからあんまり関係ないですけど・・・、それに今更ですけど・・・・」
「AO入試って学力試験がないのかと思ってたよ」
「いろいろなんです。私は一応経営に興味があって家業の手伝いをしながら勉強してるってことになってるので、経営に必要な科目のテストはあるんです。そんなに難しくないみたいですけど」
「ってことは、経済学部か何か?」
「そうです。経営学部の国際経営学科ってところです」
「すごいんだね」

「別府では家がホテルや旅館の子が多いんですけど、家の手伝いをしてる子も結構多くて、そういう子はみんな同じ私と感じで、あちこちAOで受けてますよ」
「確かにめぐみちゃんはしっかりとホテルの経営を勉強してるものね」
「そんな・・・・・・。帳場の手伝いをしてる子はみんなこうですよ。親が手伝えってうるさいだけで・・・だけどその分、AOも受けられるから」
「そうか、分かったよ。がんばってね、応援してるよ」

宏一は残念だったがこればかりは仕方ない。

「本当はもっと三谷さんと話す時間を作りたかったんですけど・・・・」
めぐみは思いきってそう言ってみた。
「おやおや、そんなこと言って、ビールのアルコールが回ったのかな?」
「ううん、違います。東京に来たのは最初から三谷さんに会いたかったからです」
「嬉しいよ。そう言ってもらえて。俺もめぐみちゃんに会えて嬉しいよ」
「正直に言います。東京に来たのも、来れば三谷さんに会えるって思ってたからなんです」
「嬉しいな。でも、結構忙しいみたいだね」
「そうなんです。本当はもっと時間があると想っていたんですけど・・・・」
「まぁ、受験生なら仕方ないのかな」
「いろいろやることが増えちゃって・・・・。だから、明後日は絶対もっと一緒にいられるようにしたいんです」
「俺もだよ。楽しみにしてるから」
「はい」

二人は結論が出たという感じになったので店を出た。

「送っていくよ」
「はい、ありがとうございます」

めぐみは宏一と駅に向かって歩きながら、嬉しい気持ちとちょっと残念な気持ちが同居していた。実は、もしかしたらもっと楽しく話ができて、宏一に甘えられるかも知れないと思っていたのだ。宏一には言わなかったが、もともと東京に来ることさえ親を説得するのに時間がかかったし、東京に来る必然性を作り上げるのは本当に大変だった。それでもめぐみは一度しか合っていない宏一にもう一度会いたくてここまで来たのだった。

宏一に相談した時の彼とは結局あの後直ぐに別れた。お互いに進学のこともあったし、なによりこれ以上苦労して相手をつなぎ止める理由がなかったのだ。言ってみれば自然消滅のようなもので、特に後悔もしなかった。
今は真夜中に宏一の腕の中に潜り込んだ、言ってみれば秘密の体験がとても懐かしく愛おしく感じるのだった。

「めぐみちゃん、後悔してない?久しぶりに俺に会って、なんかがっかりさせなかった?」

二人で静かな道を歩き始めると宏一が話し始めた。

「え?どうして後悔するんですか?」
「だって、わざわざ会いに来てくれたのに、なんか盛り上がらなかったかなって思ったから」
「三谷さん、そんな私、夢見る女の子じゃないですよ」
「それはそうだね、すごく現実的だ」
「私こそ、迷惑じゃなかったかなって思ってます」
「ううん、別府が懐かしいよ」

その言葉にめぐみは気になっていたことを聞くことにした。ずっと宏一が帰ってから気になっていたことだ。

「三谷さん、ひとつ、聞いても良いですか?」
「うん、もちろん、何?」
「私が三谷さんの泊まっていた部屋を出て行った後、ちょっとしてから三谷さんがチェックアウトしたでしょ?」
「そうだね」
「その時、ロビーで女の子が待ってたでしょ?」
「あ、そうだね」

宏一はドキッとした。めぐみはすぐに出かけていったので、きっとホテルの従業員に聞いたのだろう。

「それって三谷さんの彼女?」
めぐみはずっと気になっていたことを聞いてみた。気になっているのを黙っているのはめぐみの主義ではない。
「彼女って言うか・・・・、あの後はフェリーに乗って帰って来たんだけど、日向のフェリー乗り場まで送ってくれたんだ。本当に何年ぶりかな、久しぶりに会ったんだよ。学生時代以来だったから」
「博多訛りって聞いたけど、博多の子?」
「ううん、彼女は今、鹿児島の自動車販売会社に勤めてるって言ってた」
「そうなの???ふぅーん・・・・・」

めぐみはじっと宏一を見つめてきた。

「どうしたの?」
「鹿児島から来たの?あんな朝早くに?フェリー乗り場まで送るためだけに?」
「実家は福岡にあって、そっちから見たみたいだね。日程は連絡してあったから。鹿児島に帰る途中だったんだよ」
「その子って、三谷さんに会うためにウチに来たんでしょ?」
「そうだね」
「一緒にフェリー乗り場まで行っただけ?」
「まぁ・・・・そうだけど・・・。あの時は彼女が日向まで車で送ってくれて、俺はフェリーに乗って、彼女は鹿児島へ帰ったよ。出航時間まで少しあったけど、鹿児島まで帰らなきゃいけないからってフェリー乗り場で下ろしてもらって、彼女は直ぐ帰っていったよ」

さすがにめぐみにはその前に一泊してからとは言えなかった。めぐみはちょっと宏一を見つめていたが、やがて納得したようだ。

「うん、分かった。ごめんなさい、急にこんなこと聞いて」
「ううん、いいよ」

めぐみは宏一が何か隠しているのは分かっていたが、それはたぶんめぐみには関係の無いことだし、鹿児島と東京では今でも続いているという雰囲気でも無さそうだと納得したので詮索を止めたのだ。今目の前にいる宏一と関係ないのなら気にする必要は無い。

ただ、さっきまではこれからホテルの近くまで送ってもらうつもりだけだったが、急に宏一に甘えたくなってきた。それは単に甘えるとは違う意味でだ。何というか、急に宏一とあの朝にしたことが実感されて身体が熱くなってきた。
恵比寿からだと電車を乗り継いでも、それほどかからずにめぐみのホテルの前に着いてしまう。

「これがめぐみちゃんの泊まってるホテル?」
「そう」
「それじゃ・・・」
宏一がそう言うと、めぐみは慌てて話を続けた。
「三谷さん、あの・・・部屋まで来て下さい」
「え?だって・・・・」
「来て、ね?ちょっとだけ」
その言い方にははっきりとした意思が感じられた。もちろん断ることもできたが、宏一は断るとめぐみが悲しむような気がした。
「うん、良いけど、あんまり遅くまではいられないよ。それでも良い?」
「はい」
「でも、俺が入っても良いの?」
「元々ツインルームだから」
「そうなんだ・・・・」

宏一はツインのシングルユースだったらどうしようと思ったが、それ以上は言わなかった。泊まるわけではないから良いだろうと思ったのだ。
部屋に入ると、めぐみは宏一の目の前に立った。部屋の中は荷物がきれいに整理されており、めぐみの性格を表している。

「あの・・・・・三谷さん・・・・・」

めぐみは宏一に手を伸ばしてきた。この雰囲気の示すものは一つしか無い。宏一は思い切って一歩近づいたが、めぐみは逃げるどころか更に少し近づいてきた。そのまま宏一が思い切って引き寄せると静かに宏一の胸に入ってきた。軽く抱きしめためぐみの身体は由美より背もあるし少し幅もあるが、肩幅よりずっと細い腰のくびれが魅力的だ。

「あん・・・三谷さん・・・・」

めぐみは最初、ちょっとだけ躊躇ったみたいだが全く嫌がっていない。

「会いたかったの。おかしいでしょ?一回しか会ってないのに」

宏一の胸に軽く手を当てたまま、抱き寄せられためぐみがささやいた。

「一回しか会ってないけど、時間は短くても大事な時間だったよね。そして、めぐみちゃんはきっと東京に来るのを目標にがんばってきたんだろ?そして目標にたどり着いたんだ。偉いね」

その宏一の言葉は恵みの心にダイレクトに響いた。宏一の手がめぐみを更に抱きしめると胸の大きさがはっきり分かった。同時にめぐみの手は宏一の首に回り、めぐみが目をつぶったまま上を向いて言った。

「ちょっとだけ甘えてもいい?」

それはゾクッとするほど魅力があった。宏一は引き寄せられるように唇を近づけていく。

二人の唇が何も言わずに重なった。そのまま静かに重なった後、少しずつ相手の唇を求め始めた。めぐみはやっと目的地にたどり着いたような気がした。今まで宏一と食事をしていても緊張していた心が一気に軽くなった。

そして宏一の首に回しためぐみ手にぐっと力が入り、口が少し開くと、そこに宏一の舌が差し込まれ、めぐみの舌を探し始めた。最初は奥に引っ込んでいためぐみの舌が少しずつ宏一の舌にくっつき始める。そのまま二人の舌が絡み合うまでは直ぐだった。宏一は抱きしめながら、めぐみがとても可愛いと感じた。
更に宏一の舌が大胆にめぐみの舌に絡み合おうとしたとき、めぐみは口を離した。

「どうしたの?」
「・・・・・・・・・汗臭いでしょ?シャワー、浴びてもいい?」

それはめぐみが早く抱いて欲しいという明確な宣言だ。宏一の頭の中には別府でのめぐみの身体がフラッシュバックした。

「うん、わかった・・・・」

二人とも今日はそんなに時間が無いのは分かっていた。既に9時だいぶを回っている。めぐみは荷物から着替えを出すと、直ぐにバスルームに行った。
水音がし始め、ほんの数分で音が止まった。めぐみはホテルに備え付けの浴衣姿で出てきた。代わりに宏一が入り、簡単に汗だけ流して同じく浴衣に着替える。
宏一が出てくると、既に部屋のライトは落としてあった。宏一がデスクの椅子に座っているめぐみに近づこうとすると、慌ててめぐみが言った。

「ちょっと待って」
「え?どうしたの?」
「ちょっとそのままでいて」
「うん、良いけど、どうしたの?」

宏一はバスルームの出口から動けずにめぐみに聞いた。

「ううん、何でも無いの。ちょっと気持ちがまだ・・・・、でも・・・・・、ううん、大丈夫。ごめんなさい。こっちに来て」
「うん、分かった。でも、それなら俺はこっちに座るね」

そう言って宏一はベッドに腰掛けた。

「ごめんなさい。ちょっとドキドキしちゃって」
「それはそうだよ、誰でもね」
「ううん、私が言ったのに・・・・、それに、やっぱり三谷さんと一緒にいたいの」

めぐみはデスクからに立ち上がって宏一のところに来て抱きついてきた。

「しばらくこうしていて。お願い、甘えさせて・・・・」

宏一は答える代わりにめぐみを抱きしめて唇を重ねていった。

「んん・・・・んん・・・・・」

めぐみの甘えたような吐息が漏れ始めると、宏一はそのままキスをしながらそっとベッドへと倒していく。ベッドに横たわると、めぐみは軽く喘ぎながら宏一の腕の中でキスに夢中になっていた。そのまましばらく二人は抱き合ったままだったが、宏一はこのまま先に進んで良いのかどうか迷っていた。

ここまであまりにも簡単に来てしまったので、めぐみの本心を図りかねていたのだ。胸を触るくらいは良いのだろうが、全て脱がせて挿入まで望んでいるのかどうかは正直微妙な雰囲気だ。こうしている雰囲気が良いのなら挿入までは望んでいないかも知れない。ただ、キスをしながらめぐみの身体を撫でていると、めぐみが気持ちよさそうにしているのはよく分かった。だから聞いてみることにした。

「めぐみちゃん、どうすれば良い?こうしてるのが良い?」

めぐみの身体を抱いて優しく撫で回しながら宏一が聞いた。

「うん」

めぐみは更にキスをねだってきた。それは確かに甘えているという感じで燃え上がっているという雰囲気ではない。しかし、こうなっていて何もしないというのは宏一にとってかなり辛い。

「めぐみちゃん、ごめん。こうしてるとだんだん我慢できなくなってくるよ」
「うん、三谷さんの好きにして良いのよ」
めぐみは小さな声で答えた。
「脱がしてもいいの?」
「・・・・・・・・・うん」

めぐみはそれだけ答えると、少しだけ身体を離して宏一にスペースを作ってくれた。ただ、めぐみが浴衣の下に下着を着けているのは身体を撫でたときに分かっているので、ゆっくりと進めるしか無さそうだと思った。

つづく

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