メルマガ:少女の性シリーズ
タイトル:少女の性 209  2016/05/01


少女の性 第二百九部

「それじゃ、タクシーで行こうか」
「え?タクシー?」
「そうだよ。早く行こう」
「そんな、タクシーなんて・・・・・」

香緒里は少し驚いたようだったが、宏一は香緒里をタクシーに押し込むと目的地に向かった。そこは最近発展したところで、大手の観光デベロッパーが林の中にいろいろな店を大々的に開発したエリアだった。香緒里は仕事が終わってからとか休みに一人で駅の近くは回ったりしたが、ここまで来たことはないと言う。確かに駅からはかなり離れており、香緒里は歩いても行けるらしいと言っていたが、実際は歩けるような距離ではなかった。

「さぁ、着いたね。どこに行こうか?」
「あの・・まず少し歩いてみてもいいですか?」
「もちろん」

二人でのんびりと歩いていると、そこは高原にある教会で有名な場所で、結婚式を挙げるだけなら十万円ほどで、ホテル、レストラン、ショップ、温泉と軽井沢に求められるものが一通りそろっているところだった。香緒里はあちこち興味津々と言った感じで見て回っている。だんだん打ち解けてきた香緒里は、宏一にいろいろなことを話してくれた。軽井沢で働いているが、実際は商業高校の3年生で、家は多摩の方で旅館をしていると言う。既に卒業してから短大に行くことが決まっており、夏の間はここでアルバイトがてら商売の勉強をしているとのことだった。

「今時短大とは珍しいね」
「そうですね。商業高校でも大学に行く友達が多いから。でも、私は早く働きたいんです」
「それは感心だね」
「三谷さんは監視カメラの会社にお勤めですよね」
「あ、あれは言ってみただけ。あのおばさんをビビらせようと思っただけさ」
「え?違うんですか?」
「だって、あのぬいぐるみのコーナーも直前に見たけど、どれもしっかりとしたものしか置いてなかったもの。耳が取れ掛かってるものなんてなかったよ」
「そうなんだ。なあんだ。そう言うことだったんだ」

「そう、実際はコンピューターのシステム開発全体をやってて、派遣でいろんな会社に行って仕事をしてるんだ」
「へぇ、すごいですね」
「凄くなんかないよ。実際は地味で疲れる仕事さ」
「今日は一人で軽井沢に来たんですか?」
「そう、ふと思い立って来てみたんだ。だからまだ宿にもチェックインしてないしね」

「どこなんですか?」
「さぁ?知り合いの旅行代理店をやってる友達に予約を任せたから俺も詳しくは知らないんだよ。あとでメールを見てみるさ。軽井沢はそんなに広くないから、どこの宿でもそれほど遠くないだろうしね」
「へえぇぇ、すごい・・・・格好いいって言うか、大胆て言うか・・・、そんな旅行もあるんだ・・・・」
「ちょっと無謀かな?でも、おかげで香緒里ちゃんにも会えたし、一緒に食事できるんだから無謀なこともためにはいいもんだね。食事と言えば、そろそろどこかに入ろうか?あ、もちろん奢るからね」
「いいですよ。自分の分くらいは自分で出せますから」
「いいからいいから。奢らせてください。ね?いいでしょ?奢ったからあーしろこーしろなんて言わないよ」

「それは分かってます。でも・・・いいんですか?」
「もちろん。良かった。それじゃ、どこのお店に行こうか?」
「それじゃ・・・・・最初に有ったイタリアンのお店で良いですか?」
「そうだね。そこに行こう」

二人はエリアの入り口に近いイタリアンの店に入った。そこは洒落た感じの良い店で、見ていて食べてみたくなるようなものがたくさんあった。何よりまず料理のネーミングがお洒落た。そこで宏一はワインプレートと言う名前の前菜やつまみがたくさん入った料理のほか、香緒里にバーニャカウダやハムやソーセージの盛り合わせなど、食べ盛りの女の子が喜ぶようなものをいろいろ取り、飲み物は自分はオリジナルのクラフトビールを、香緒里には洋ナシのイタリアンジュースを注文した。
香緒里は大喜びで、料理が届くたびに目を輝かせて料理に手を伸ばしながらいろんな話をしてくれた。

「コンビニでアルバイトしたことはあるけど、こことは大違いで、お土産屋さんがあんなに大変だなんて知らなかったんです。コンビニは単にレジを打つのと届くものを確認するだけだけど、ここはコーナーを作らなきゃならないし、売れそうなものを自分で並べ替えたり、倉庫の人と打ち合わせもあるし、休憩時間だってポップを書いてるんですよ」
「それはすごいね」
「倉庫の人と打ち合わせっていうか、並べる順番に品物を出してもらわないといけないし、それにお金の管理が大変なんです。金額が大きいから」
「そうだよね。あそこだと売り上げだって大きいだろうしね」
「そうですね。多い日は半日で簡単に百万円超えますから」

「それを一円まで合わせるの?」
「はい、だいたい合うんですけど、時々合わないことがあって、その時は店長が回ってきた時に説明して・・・・」
「それは疲れるねぇ。ずっと立ちっぱなしだし」
「立ってるのはそれほどでもないですけど、やっぱりさっきみたいにお客さんに言われるのが一番辛いです」
「そうか、いろんな人がいるからねぇ」
「三谷さんみたいな人ばかりならいくらでもやるんですけどね」

香緒里はそう言っていたずらっぽく笑った。話が弾んできたので宏一はクラフトビールの違うものを頼んだ。

「今度は違うビールなんですか?」
「うん、さっきのはバイツェンで、今度のはペールエール。色が違うだろ?」
「それは分かります。でも、味も違うんですか?」
「一口だけ飲んでみる?って言っても、一口しかないけど」

宏一はそう言って、グラスの底に残っていたバイツェンを香緒里に渡した。

「苦い」
「それはそうだね、ビールだもの。それじゃ、こっちのを舐めてごらん」

宏一が来たばかりのペールエールを渡すと、香緒里は恐る恐ると言う感じでちょっとだけ飲んだ。

「やっぱり苦い・・けど、こっちの方が軽い・・・かも・・????」
「そうだよ。ペールエールはビールの中でも一番すっきりしていて軽い感じなんだ。だから基本的にどんな料理にも合うよ」
「そうなんだ。軽いビールはどんな料理にも合うんだ・・・・」
「そう、基本的にはね。ほら、ドライビールってあるだろ?あれが人気なのはビールの味自体は弱くて料理を選ばないからだよ」
「そうなんだ。一つ勉強になりました」
「偉いね。そんなことまで勉強するなんて」
「私、家が旅館だから、料理やお酒に興味があって、実際役に立つから」
「そうだね。香緒里ちゃんは跡取りなの?」
「そうです。妹がいるけど、たぶん私が継ぐと思います」
「自覚があるってえらいよね。だからしっかりしてるんだ」
「しっかりなんてしてないですよ」

「香緒里ちゃんは次に何を飲むの?」
「それじゃ、今度はアップルタイザーを」
「あ、アップルタイザー?お酒じゃないんだ。あ、ちゃんとジュースになってる」
「お酒なんですか?」
「リンゴをそのまま発酵させて作るのがアップルタイザーで、本当はかなり強いお酒なんだけどね」

二人の話は妙に弾んだ。香緒里も、どうしてこんなに話が弾むのか自分自身で不思議だったが、宏一と話をしているとさっき知り合ったばかりと言う気がしない。それは宏一も同じだった。そして、二人ともお互いが自分に話を合わせてくれているのだろうと思っていた。それはとても心地よくて楽しい会話だった。
食事も終わりに近づいてきた時、宏一が香緒里に尋ねてみた。

「ねぇ、さっきビールのお店があったでしょ?あそこに行ってみない?」

香緒里はちょっと時計を見たが、
「良いですよ」
と簡単に答えた。
香緒里ももう少し宏一と時間を過ごしたかったのだ。二人は店を出ると歩き始めた。

「でも三谷さん、まだチェックインしてないですよね。大丈夫なんですか?」
「そうだね。どこのホテルなんだろう?」

そう言うと宏一はスマホに来ていたメールを見てみた。

「遠かったりしたら・・・・・」

香緒里は明らかにこの楽しい時間が突然終わってしまうのを心配していた。

「ん?・・・・それって・・・・・・」

宏一は意外な顔をして何度も画面を見ている。

「どうしたんですか?」
「うん、わかったよ。ホテルの場所が、さ」
「どこになんですか?」
「あれだって」

そう言うと宏一は左側の大きな建物を指さした。

「え?」
「あのホテルみたいだよ」
「そうなんですか!」

今度は香緒里が驚いた。香緒里はこのエリアに来たがっていただけあって、ホテルも調査済みだったのだ。

「あのホテル・・・・凄い・・・・高いのに・・・・」
「そうなの?」
「はい、かなり高級なホテルです」
「そうなんだ。予約を頼んだ時に、当日だから高いけどお得になってるってのだけ聞いて、あとは調べなかったから・・・・」
「すごぉ〜い、どんな部屋なんだろう?」
「あとで寄って行くと良いよ。俺も見たことないから」
「良いんですか?」
「もちろん、後はすることないし、ね?」

宏一が余りに気楽に言うので、香緒里もつい頷いてしまった。

「それじゃ、まずはビールだね」
そう言うと二人は直ぐ近くのレストランに入った。
「三谷さんはビールが好きなんですか?」
「そうだね。他のお酒ももちろん好きだけど、食事に合わせるならやっぱりビールかな?」
「そうなんだ。食事に合わせるならビールなんだ。やっぱり・・・・」
「やっぱり?」
「うちのお客さんもビールを飲む人が多いから」
「そうか。それじゃ、お客さんにビールを飲めって言われない?」
「言われますよ。しょっちゅう」
「そうなの?それじゃ、飲んだことあるんだ」
「あるっていうか、強くはないけど飲めますよ」
「高校生で?」
「そう言う商売なんだから。中学生の時から何度も飲んでます」
「凄いね。それじゃ、ちょっと飲んでみる?」
「三谷さんのを少しもらうくらいなら・・・。良いですよ」
「もちろん、嫌ならいいよ。お酒は楽しく飲むものだから」
「大丈夫。そんなに嫌じゃないですから」

その店は落ち着いた雰囲気の店で、すでに夕食の時間は過ぎているので混んでいなかった。二人は席に着くと、ビールの飲み比べセットを頼んだ。ただ、ビールは5種類あって、飲み比べは3種類なので宏一は残りの2種類もグラスで注文した。

「香緒里ちゃん、まだお腹に入る?もう少し何か頼もうか?せっかくお酒も頼んだし」
「はい、少しなら」

さすがに食べ盛りだけあって香緒里は少し恥ずかしそうに笑った。もともとビールが充実しているが、食事をする店ではないのであまり食べ物は無い。そこで宏一はスープとケーキを注文した。

「ねぇ、三谷さん、それで、どういう部屋なんですか?」
「あ、ちょっと待ってね。そんなに種類があるの?」

宏一は改めて予約の詳細を確認し始めた。

「はい、私もネットで見ただけですけど、結構いろんな部屋があるみたいですよ」
香緒里はケーキを食べながら興味津々と言った感じで宏一のスマホをのぞき込んでいる。
「うーん、なんか、ジャグジーが付いてるみたい・・・・・・」
「ジャグジー?泡のお風呂?」
「そうみたい・・・・・たぶん・・・・・ほら?」

宏一は香緒里にスマホを見せると、香緒里は驚いて自分のスマホでも調べ始めた。

「本当だ。一つだけだけどジャグジー付きの部屋がある。三谷さん、こんな豪華な部屋に泊まるんですか」
「そうみたいだね」
「それじゃ、早く行かないと」
「うん・・・・・まぁ、そうなんだけど・・・・・・、せっかく香緒里ちゃんと食事してお酒を飲んでるのに、そんなに急がなくたってさ・・・」
「いいんですか?」
「もう少ししてから行ってみようよ。香緒里ちゃんも見学していってよ」
「良いんですか?」
「もちろん。俺としては、偶然予約したジャグジー付きの部屋より、せっかく知り合った女の子と話している方がずっと楽しいからね」
「そんなこと言って・・・・・嬉しいけど・・・・・・」

香緒里は宏一の飲みかけのビールをちょっとずつ飲みながら笑った。
そのまましばらく会話に花を咲かせた二人は、やがて宏一の部屋に行ってみることにした。店を出た二人はホテルに向かって歩いていく。ほんのすぐそこだ。


つづく

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