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タイトル:20章 店長・佐野幸夫の誕生会 (5)  2013/09/22


20章  店長・佐野幸夫の誕生会 (5)

「こんなすばらしい誕生日をしてもらえるなんて、
生まれて初めてで、感激しています!」

と佐野幸夫は、まためずらしく、声をつまらせる。


「夢を見ているように、ロマンチック(romantic)で、
涙が出ちゃいそうです」

真野美果は、そういいながら、ハンカチで目をおさえた。

「きょうは、わたし、幸夫さんが大好きだというので、
キッシュをつくったんです!
キノコとホウレンソウとアスパラガスとポテトを入れて、
生クリームやベーコンもたっぷりの!」

ほほえんで、そういうのは、森隼人の姉の留美である。

「ありがとう、留美ちゃん。おれの好きなものまで、
特別に、作ってくれるなんて、
おれの忘れることのできない誕生日になりますよ!」

キッシュは、フランス・ロレーヌ地方に伝わる郷土料理で、
サクサクの、パイの生地(きじ)に、
生クリームと卵でつくる生地(きじ)を、流しこみ、
それに、季節の野菜やベーコン、魚介類などの、
好(この)みの具(ぐ)を加え、
オーブンで、じっくり、焼(や)きあげたもので、
生地(きじ)ごと、三角形に切って、皿(さら)に盛(も)る。

ひとしきり、大感激(だいかんげき)の、幸夫と美果を、
森隼人が、テーブルの席に 案内する。

森隼人は、みんなにむかって、一礼すると、挨拶をはじめた。

「みなさま、お忙(いそが)しいなかを、
本日は、お集(あつ)まりいただき、ありがとうございます。
ただいまより、佐野幸夫さん、真野美果さんの
誕生パーティーを開きたいと思います。
司会は、僭越(せんえつ)ではございますが、いいだしっぺの、
森隼人が、務(つと)めさせていただいきます。
誕生日は、
どなたにも、年に、1回は訪(おとず)れるものでして、
毎年、1つ歳(とし)とることは、いやな感じもありますが、
この世に生まれてきたことを、
みんなで、おたがいに、お祝(いわ)いしましょうという、
誠(まこと)に、
心あたたまる、すばらしい人生のフェスティバル
(祝祭)だと思います。
本日は、心ゆくまで、楽しんでいただきたいと思いまして、
生(なま)ビールやワインなどの、お飲み物や、
お料理も、ご用意させていただきました。
ぜひとも、この貴重な、お時間を
明日への英気といいますか、元気のもとに、
したいただければと思います!」

みんなから、拍手(はくしゅ)がわきおこる。

パーティーの参加者は、都合(つごう)がつかなくて、
不参加といっていた人も、参加できて、
20人以上が集まった。
すべて、恋愛進行中という、カップルであった。

森隼人と交際中の、山沢美紗(やまさわみさ)や、
森川純(もりかわじゅん)と 菊山香織(きくやまかおり)、
川口信也(かわぐちしんや)と 大沢詩織(おおさわしおり)、
岡林明(おかばやしあきら)と 山下尚美(やましたなおみ)、
高田翔太(たかだしょうた)と 森田麻由美(もりたまゆみ)、
清原美樹(きよはらみき)と 松下陽斗(まつしたはると)、
小川真央(おがわまお)と 野口翼(のぐちつばさ)、
矢野拓海(やのたくみ)と 水島麻衣(みずしままい)、
平沢奈美(ひらさわなみ)と 上田優斗(うえだゆうと)、
岡昇(おかのぼる)と 南野美菜(みなみのみな)、
谷村将也(たにむらしょうや)と 南野美穂(みなみのみほ)、
北沢奏人(きたざわかなと)と 天野陽菜(あまのひな)。

≪つづく≫

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