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============================================================= ■何よりも最優先にしたもの ============================================================= 7月20日頃だったと思う。 最も信頼していた右腕に、朝から連絡がつかない。 他の従業員から越智田に連絡が入る。 「山本さん、何度電話しても出ないんです」 「そのうち折り返しがあるだろう」 初めはその程度にしか気にしていなかった。 時間が経つにつれて・・・ 「携帯忘れて家を出たのか?」 「事故にでもあったんじゃ?」 いや、そしたら俺の方にも連絡は入るだろう。 「念のため、自宅に電話入れてみよう」 特に変わった様子はなさそうだ。 どうしたんだ、いったい? さすがにこの時間まで連絡がないなんて、 何かおかしいぞ? 行きそうな現場にはすべて確認してみた。 仕入先・・・には行く用事なんてないはずだ。 もしかしてどこかでサボっているのか? まさか、いやまさか・・・ 「会社のお金が銀行残高から消えていた」 一瞬何が起きたのか、わけが分からなかった。 ・・・ 財務に関することはすべて任せていた。 通帳、カード、印鑑、すべて預けていた。 メインで使っている口座は2つあった。 どちらも、残高が数千円になっていた・・・。 ・・・はっ! ・・・給料! 25日は全従業員の給料日だ。 縮小したとはいえ、100名ぐらいはいる。 こんな状況で、頭はパニック状態。 何だってこんなことになったんだ? どう考えて何から手をつければいいんだ? あの野郎、絶対にゆるさない! しかし、 越智田は、絶望と怒りを無理やり押し殺した! 今、俺がやらなければいけないことは 「悲しむこと」でも「怒ること」でもない。 何よりも!何よりも! まずは給料を何とかせねば! 現場で働いているスタッフには、もちろん 何の罪もない! 毎日一生懸命働いてくれている! 「給料だけは遅らせるわけにはいかない」 そこから越智田は気持ちを180度切り替えた。 今するべきことは給料分のお金の工面。 額にして、500〜600万円ぐらいだろうか。 このあたりの切り替えは、さすがとしか 言いようがない。近くにいていつも感じる ことだが、いとも簡単にスイッチをオンに したりオフにしたり別のにしたりできる。 本人にしてみれば、簡単ではないのだろうが・・・ 何にしても、もう時間がない。 給料日まではあと4日しかないのだ。 この1年は、越智田本人はまともに給料を とっていなかった。だから蓄えなんてない。 その日から、ほとんど会社には顔を出さなかった。 そして給料日の前日、越智田はしっかりと 600万円という現金を銀行口座に入れていた。 本部の社員たちは、誰もが「信じられない」 という様子だった。おかしなところから 借りてきたんだと噂する者もいた。 後日、私だけがこのウルトラCの秘密を教えてもらった。 消費者金融やヤミ金から借りたわけでは決してない。 ★この方法は、聞けば確かに簡単な方法だ。 いつか公開する場を作ってくれると言う から、楽しみにしていただきたい。 『超短期間での資金集め』という方法で この窮地を何とか乗り切った越智田。 そういえば、越智田と初めて会ったときに こんな質問をしたことを思い出した。 「会社を経営していくうえで一番大切なのは?」 ・お客様 ・資金繰り こんな答が返ってくるとばかり思っていたのに、 「ウチの社員」 越智田ははっきりと言い切ったのだ。 当時の私の常識にはない答だった。 お客様を一番に考えることが絶対だと思っていた。 しかし、越智田からその理由を聞いて納得。 なるほど、そういう考え方をするのか・・・。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 何かご意見やご質問がありましたら ⇒ takahata0711@gmail.com まで、ご連絡ください。 匿名でももちろん構いません。 このメルマガに関すること、越智田に対する質問 など何でも受け付けております。 名前を伏せて公開させていただく可能性も ありますが(不可の場合は仰ってください) 親身にお答えさせていただきます。 ◎リアルタイムで経営をのぞき見る〜浦和の社長編〜 「40歳社長がいかにして会社を立て直すのか」 のバックナンバー・配信停止はこちらから ⇒ |