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【1日3分！ ハングルプレス増刊号】 Vol. 7（通巻44号）
女神様には会わなかったけれど...「韓国トイレ事情 その6」 2011_10_16≪風俗≫
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■今日のおはなし
凝った内装に、ほの暗い照明。
きれいに着飾って、ばっちりお化粧を決めた女性達。
その中でぷ〜んと漂う、場違いな悪臭。
「さぁ今夜もひと稼ぎするぞ！」と、色っぽくイブニングドレスの胸元などを露出させてるおネェさん方の、迷惑そうな視線が背中越しにも痛かった。
１時間ほどして、紙袋に入れた着替えを持って彼の両親がやってきた。
その間彼は篭城したままだったので、誰もトイレが使えなかった。
挨拶もそこそこに、トイレに入り、やがて息子を着替えさせて、出てきた。
着ていた服は持ってきた紙袋に、入れ替わりに丸め込まれているのだろう。
手馴れた様子から、これは今回が初めてではなく、彼にはこういう癖（へき）が有るのだと言うことが見てとれた。
家族はもちろん本人からも、「迷惑をかけた。」とか謝罪の一言も無く、３０台半ばの彼は６０台半ばと思しき両親に連れられて、帰っていった。
よく、深い韓国を知らず、韓流ドラマ等にかぶれた日本女性が、「韓国の男性って軍隊に行って鍛えられてるからたくましくて素敵！」だとかわかった風なこと言う場面に遭遇する。
もちろんすばらしい努力家や、強固なリーダーシップを発揮する精神力の強い人間も多い。
ところがそのような中にも、しばらくするとわがままで、親離れできてない奴がとても多いことに気づかされる。
この彼の家も、そのようにウンチ小僧を育てあげたのだろう。
我々の世界の常識の規格外に位置するタイプだったが、種類のちがいこそあれ、この国では何かが著しく欠落した成人男子には結構出会う。
こんな輩に出会うたび、「こいつら軍隊に行くことによって、ようやく初めてサルがヒトになったのじゃないか？」とさえ思えてくるくらいだ。
彼の家族は、この迷惑千万で収集不能な状態から、自分の息子だけをスポイルし、安全圏に逃避するという行為だけをした。
成人してしまったバカ息子に事態収拾能力がないのは仕方がないとしても、「発つ鳥後を汚さず」どころか、人の店くそまみれのままだぞ。
もし俺があの親父だったら、少なくともお詫びにここの飲み代と、迷惑代としていくらかのチップを置いていくけどなぁ。
ママが、「ボーイが掃除するから３万ウォンチップあげてよ」と、飲み代精算中のこっちに向かって言う。
自分が原因ではないにして、申し訳なさから、「え、3万ウォンでいいの？」と内心思いもした。
また、駐在日本人も相手する店でなければ、ここぞとばかり吹っかけてこられても仕方がないような場面だ。
韓国では、「お酒の上のことだから仕方がない。」とか、お店に対しては、「お酒を飲ませて商売しているんだから我慢しなさいよ。」という理屈が主流だ。
「そんなこと知るか。こっちが頼んで酒飲んでもらったわけではない。自己責任だ。いい大人だったら自分で落とし前つけろ。」といっても通じない場合が多い。
自分が若いうちはむしろ楽しかったが、ある程度年配になると、韓国人との酒の席は不快なことが多い。
「１０万渡すから、まず代理運転呼んで先に払っといて。残りは女の子の晩御飯と、ボーイへのチップで適当に分けといて。」と言って、手票（小切手）を1枚渡した。
マイカーの後部座席に乗り込みながら、「この店二度と行けんなぁ。」とつぶやいた。
翌日、この30代半ばのうんち小僧君から電話が入った。
「昨日は失礼しました。お詫びに今日また行きましょう。」
聞いているこちらが唖然とした。
電話で彼の声を聴いた瞬間にはむしろ、「お嫁さんとか精神的にショックをうけてない？家庭は大丈夫？」と心配にさえなった。
しかし口調からは悪びれた様子や、反省の色がうかがえない。
おそらく優しいお父様、お母様がすべてきちんと処理してくれたのだろう。
韓国には、こういう調子の良い男、本当に多い。
誰が行くか！
「まだ酔いが残ってるでしょう。今度にしましょう。」と伝え、電話を切った。
幸いにも、その後彼からの連絡は、無い。
（おしまい）
■編集後記
3回に分けてお送りした「反省しないウンチ小僧」の話はこれでおしまいです。
次回から何を書こうかな。
こんな話が聞きたいというリクエストがあれば、メールでお知らせください。
hangeulpress@gmail.com
次回はストーカーの話でもしようか。
(C) 2011 copyrights.Miz_OIKADA
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≪著者紹介≫
Miz_OIKADA/大筏瑞彦
朝鮮語専攻
上場企業の韓国現地法人で10年以上代表理事を務める。
韓国にて多くの新規事業を立ち上げ、契約交渉、知財権訴訟に携わる。
跆拳道2段
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企業・商工会議所などでの講演、大学・専門学校・教養セミナーにて講義担当します。
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