メルマガ:小説『さなだむしの自画像』
タイトル:NO43  2009/05/04


こんばんは、さなだむしです。

小説『さなだむしの自画像』の続きをどうぞ・・・。




何もしていないのに、
さなだむしも現国の先生に起立して礼をして、
今日の授業が終わった。

そのまますぐ、帰りのホームルームをさぼって、
ふぃらりあの靴箱に交換ノートを入れて
教室に荷物を取りに行って帰るつもりだった。

教室に戻ると担任のどろれす先生がほうきを持って待っていた。


「掃除。」

さなだむしはどろれすの目の届かない場所で掃除をしようと、
ベランダに行った。

しかし、どろれすは一緒にベランダに来た。


「7時間目だけ来たんか。」

「はい。」

「来ない方がマシやな。何してたんや。」

「寝てました。」

「何時間寝とるんや。もう学校やめろ。
 
さなだ、お前が4月から学校まともに来とる日、
何日あるか知っとるか。

一学期、欠席25日、欠課46時間、遅刻44回。

二学期、欠席22日、欠課42時間、遅刻47回。

三学期入って二週間経つけど、
三学期は一度もまともに来たことがないっ。

お前がそんなんやから、
ウチのクラスは他の奴らもみんな、お前の真似して
遅刻やルーズな態度が許されると勘違いしとる。

お前がクラスの雰囲気を悪くするんや。」


「でもそれは、先生の考える問題であって、
私の考える問題じゃないでしょう。」
 

「またそうやって、屁理屈を言うっ、お前は。

俺の気持ちも考えてくれ。

俺にとって、お前がウチのクラスの癌なんや。」


どろれすは、そう言いながら、
さなだむしの遅刻と欠席の記録をチェックするための
自作のカレンダーを持ち上げ、指差しながら興奮していた。

そのカレンダーは
さなだむしが遅刻してくると必ず○を書き、
その後もし一日姿を見せなくて欠席が確定すると
○の上に×がつけられる。

そして月ごとに
遅刻回数、欠課回数、欠席回数が集計され、
保護者面談、進路面談など、ことあるごとに、
どろれすは身につけて誇らしげに持って来る。

そしていつも自分の職員室の席の机の側面に
それを貼り付けてあり、
さなだむし自身も自分の武勇伝のようにそれが誇らしく、
見せられるといつも何か嬉しいものだった。
 

まらりあ市では珍しく雪が降ってきた。

いつも一緒に弁当を食べる仲の
あにさきすが黒板消しを持って近づいてきた。



(この続きはまた今度・・・。)




解除はこちらから・・・。


http://www.mag2.com/m/0000259697.html

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