メルマガ:クリスタルノベル〜百合族
タイトル:クリスタルノベル〜百合族〜 Vol. 074  2011.3.13  2011/03/13


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   ◇∞◆  クリスタルノベル〜百合族〜    ◇∞◆
    ◆∞◇      Vol. 074  2011.3.13        ◆∞◇


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                    ◇∞◇ タイトル ◇∞◇ 
            
             ♪ − ビアン・スキャンダラス


 思っていたより普通の家だった。
 外見からは荒れている感じではない。むしろ、菜々美の自宅より立派な
家だった。
「すごく綺麗なお家ね」
 香澄の自宅の門の前で、白い壁の家を見上げていた。
「たいしたことないよ」
 そういうと、香澄はパネルにパスワードを打ち込んでドアを開け、玄関
に入った。
 香澄に続いて菜々美も中に入った。
 綺麗に磨かれた玄関を飾る調度品はなかなかのものだ。
 香澄は意外に思った。香澄のような不良少女が育つ場所は、親が離婚し
て片親か、両親の仲が悪く家庭が荒れている劣悪な家庭環境を想像してい
たからだ。これではまるでいいところのお嬢様だ。
「早く入りなよ」
 玄関に立ったまま戸惑っている菜々美を促し、香澄は長い廊下の奥に進
んでいった。
「香澄ちゃん、帰ったの?」
 奥の部屋から母親らしき女が顔を出した。
「うるせえっ! 引っ込んでろ!」
 すごい剣幕で香澄が母親を怒鳴りつけたので、菜々美は驚いてその場に
立ち尽くした。
「あれ? お友達?」
「いいから、向こうに行ってろよっ!」
 香澄の剣幕に気がつかなかったという顔をして、母親がこちらに寄ってき
た。
「は、はじめまして。結城菜々美といいます」
 慌ててお辞儀をして顔を上げる。母親が目を丸くして菜々美を見ていた。
かなりの美人だ。香澄はこの母親似なのだろう。
「その制服って、白百合女学院でしょ?」
 不良娘が県下一の進学校の友達を連れてきたので、彼女はかなり驚いて
いるようだ。
「つまんねえこと言うんじゃねえよ! いいから部屋にジュースを持っ
てこい!」
 そう言うと、香澄は菜々美の腕を掴んで二階に上がっていった。
「すごく綺麗なお母さんね」
「そんなことないよ。鬱陶しいだけのババアだよ」
 少し散らかっているけど。そういってドアを開けると、香澄は菜々美を
中に入れた。
 ちょっとどころではない荒れようだった。脱ぎ散らかした服と下着とお
菓子の袋とペットボトルの空き瓶が床を埋め尽くしていた。
「その辺に適当に座ってくれ」
 香澄は床に散らかっていたごみを脇によけると、ようやく赤い絨毯が顔
を見せた。
「私、片づけるの手伝うよ」
 菜々美がそういうと、香澄は「別にいいよ。すぐ散らかるから」といっ
て、特攻服のポケットから煙草を取り出した。
「でも、こんな散らかった部屋で……抱かれたくないなぁ……」
 菜々美のぽつりとこぼした言葉を、香澄は聞き逃さなかった。
「わ、わかったよ。片づけりゃ、いいんだろ」
 香澄は口を膨らませて、部屋の隅からごみ箱を持ってきて床のごみをそ
の中に放り込み始めた。
 菜々美は床に脱ぎ散らかしてあった香澄の服を畳んでベッドの上に積ん
でいった。
 下着を拾って広げると、クロッチの部分が汚れていた。まだ洗濯前の汚
れた下着を見られているのに気づいた香澄が、顔を赤くして菜々美の手か
らそれを取り上げた。ベッドの下にもごみが入り込んでいた。菜々美は床
に四つん這いになり、ベッドの下に手を伸ばしてごみをかき出し始めた。
 自分に向けられる尻を見ていた香澄が、菜々美のスカートをたくしあげ
て尻を撫でた。
「きゃっ!」
 慌てて身体を起こした菜々美は「もうっ!」といって、香澄を睨んだ。
「菜々美、可愛いパンツ穿いてるじゃん」
そう言って、香澄は菜々美の細い身体を引き寄せた。
「だめよ、もうすぐお母さんが……」そういって顔を背けようとする菜々
美の顎を親指で押さえ、香澄が菜々美に唇を重ねた。
「んん……」
 香澄の舌が菜々美の唇を割って中に侵入してくる。昂奮してきているのか、香澄の息が荒くなっている。
「菜々美……」
 香澄が菜々美の胸に触れると同時に、部屋のドアがノックされた。電気
ショックをくらったように身体をびくっとさせ、二人は慌てて離れた。
 香澄の母がドアを開けた。
「ごめんね、遅くなって。切らしていたから自動販売機で買ってきたの」
 香澄の片付いた部屋を見て、母親が目を丸くした。さっきと同じ彼女の
驚いた表情に、菜々美は吹き出しそうになった。
「ジュース置いたら早く出て行けよ!」
 部屋の中央に置かれた白いテーブルの上に彼女の母親がコーラをおいた。
グラスの表面に着いた水滴が瑞々しい印象を与える。
「そんなに邪険に追い出そうとしないでよ。香澄ちゃんがこんな素敵なお
友達を連れてきたんで、お母さん、びっくりしちゃった。少し話してもいい?」
「出て行けよ!」
「いいじゃない。私もお母様とお話したいわ」
 菜々美が香澄を諌めるように言った。菜々美の礼儀正しい上品な態度を見
て、香澄の母親は満足そうにほほ笑んだ。やっと娘にもまともな友達がで
きたと思っているのだろう。
 香澄は不服そうに黙って母親から顔を背けた。
 菜々美は学校の話や自分の親の話など、取り留めのない話をした。五分
ほどの短い会話だったが、香澄の顔が次第に不機嫌になってくるのを気に
した母親が先に話を切り上げて、部屋を出て行った。
「素敵なお母さんじゃない」
「どこがだよ。あんな母親、いらねえよ」
「どうして? お母さんが嫌いなの?」
 菜々美が香澄の顔を覗き込んで訊いたが、香澄は講義をするように口を
とがらせた。
「そんなの、どうでもいいじゃない」
 そういって菜々美の腕を取ると、ベッドの上に仰向けに寝かせた。
「でも、お母さんが・・・」
「大丈夫だよ。リビングでテレビ見ているから気付きはしないわよ」
 香澄がブラウスに手をかけ、菜々美の表情を見ながら一個目のボタンを
外す。菜々美は恥ずかしさに、目を瞑って、顔を背けていた。



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  発行者      : 春野 水晶 

  * タイトル:『クリスタルノベル〜百合族〜』
  * 発行周期:不定期(週2回発行予定)

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