メルマガ:クリスタルノベル〜百合族
タイトル:クリスタルノベル〜百合族 Vol. 073  2011.3.5  2011/03/05


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   ◇∞◆  クリスタルノベル〜百合族〜    ◇∞◆
    ◆∞◇      Vol. 073  2011.3.5        ◆∞◇


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                    ◇∞◇ タイトル ◇∞◇ 
            
             ♪ − ビアン・スキャンダラス


 三日後、学校を終えると、菜々美は香澄との約束の場所に向かった。学
校から十分のところにある国道沿いのコンビニの駐車場。ここなら学校の
知り合いに見られることもない。
「ここ二日ほどずいぶん明るいけれど、何かいいことあった?」
 昼食時、唯がくりっとした目を向けて訪ねてきた。
「最近、ずっと暗かったから」
 気にかけてくれる友人がいるっていうのは、やっぱり嬉しい。
「内緒」
「男でもできた?」
「だから内緒」
 そういって、菜々美はその場を誤魔化した。
 約束の場所には、先に香澄が来ていた。特攻服姿でバイクに跨り、タバ
コを吸っている。綺麗で可愛い女だが、キンキンに染めた髪にパープルの
ルージュ、そしてあの恰好でタバコをふかしていれば、たしかに迫力があ
る。このレディースを横目で見ながら、どこかの制服姿の女子高生が恐る
恐る店から出て行った。
 香澄は菜々美を見て顔を綻ばせた。この女と学校の傍で待ち合わせはで
きない。香澄と会っているところを誰かに見られたら、とんでもない噂が
広がってしまうだろう。
「ごめん、待った?」
 駆け寄って菜々美がそう訊くと、香澄が今来たところだと言って、かぶ
りを振った。しかし、足元には吸い殻が三本も落ちていた。
「あのう・・・」
 菜々美は恐る恐る香澄を見た。
「晴代さんの携帯の写真は・・・」
「大丈夫だよ」
 香澄は笑って、菜々美の頭を撫でた。
「私が頼めば一発だったよ」
 香澄の言葉に菜々美は目に涙を浮かべた。
「泣くなよ、菜々美」
 香澄の指が菜々美の頬を伝う涙を拭った。
 しかし、ファミレスに晴代を誘って、香澄が彼女に画像を消すように頼
む前に、すでに晴代の携帯から画像は消されていた。
「メモリーが足りなくなっちまったから消したよ。あの女のオマンコ写真
なんか持っていても仕方ねえだろ」
 そういって、男と写っている新しい画像を香澄に見せた。眼つきが鋭く、
頭を金色に染めている、いかにも頭の悪そうヤンキー風の男だ。こんな男
のどこがいいのだろうと思った。
「この前埠頭でバイク飛ばしていると声かけてきてさぁ」
 そういって、のろけ話を始める。
 どうせ男は身体目的なのに、本当に女として自分が気に入られていると
思っている。どうせ、一月も持たないのに。しかし、この子はこれで幸せ
なのだ。
「さあ、いこうぜ」
 香澄の掛け声で、菜々美が香澄のバイクの後ろに座った。バイクが軽快
なエンジン音を響かせ、駐車場から国道に出る。
 道は空いていた。戦闘服姿の不良少女の後ろに県下随一の進学校の制服
を着た女子生徒がしがみ付いている様は、通行人の目にどんなふうに映る
のだろう。
 お節介な通行人に、学校に連絡でもされたら少し面倒だと、菜々美は思った。
 バイクはやがていつもの工場跡に着いた。
「おいで・・・」
バイクから降りた香澄が菜々美の手を取った。工場の中に入って、奥にあ
る事務室に向かった。
「ちっ!」
 香澄が舌打ちした。事務所の前に改造したバイクが二台停めてあった。
「先客ありかよ」
 香澄がそっと事務所に近づいて、窓をそっと開けた。菜々美も横からそっ
と覗いた。
 レディースの一人が下半身裸になって床に四つん這いになり、その後ろ
から逞しい男が覆いかぶさっていた。男は後ろから激しく腰を振り、女は
髪を振り乱し、快感で顔をゆがめて喘ぎ声をあげている。男と女の営みを
見るのは、もちろん菜々美にとっては初めてだった。
「エリカめ、また男を連れ込んでるよ」
 窓から離れた香澄がため息をついた。そして、この後どうするかを考え
ているふうだった。まさか、このままあの二人が終わって出ていくまで待っ
ているつもりなのか。それは生々しすぎる。
「あのう・・・香澄さんのお家じゃだめ?」
 菜々美が恐る恐る顔をあげた。
「私の家は母がいつも家にいるから駄目なんだけど」
 それは嘘ではないが、家に友達を連れていくことはよくある。しかし、
こんな姿の女を家に連れて行けば母は腰を抜かしてしまう。
「それしかないか・・・」
 香澄は呟くように言うと、菜々美の手を取ってバイクに戻っていった。



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  発行者      : 春野 水晶 

  * タイトル:『クリスタルノベル〜百合族〜』
  * 発行周期:不定期(週2回発行予定)

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