メルマガ:クリスタルノベル〜百合族
タイトル:クリスタルノベル〜百合族 Vol. 049  2010.5.15  2010/05/15


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  ◆∞◇                    ◆∞◇
   ◇∞◆  クリスタルノベル〜百合族〜    ◇∞◆
    ◆∞◇      Vol. 049  2010.5.15       ◆∞◇


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                    ◇∞◇ タイトル ◇∞◇ 
            
             ♪ − 星の降る夜空の向こう



10.

 私たちは、その後二人で、部屋でお酒を飲んだ。
 お風呂をあがってからも、ずっとソワソワしている。礼子の視線に鼓動が高
鳴り、彼女の手が私の体に触れるたびに身体の奥がうずいた。
 そんな自分を礼子に見透かされているような気がして落ち着かなかった。
 ふたりともそれほどお酒に強いわけではないので、すぐにほろ酔い気分にな
った。
「そろそろ寝る?」
 礼子がそういうので顔を横に向けると、彼女の目がすごく色っぽくてどきり
とした。
「ねえ、今の私の顔ってすごくえっちでしょ?」
「うん、色っぽいよ」
「どうしてだと思う?」
 礼子がそういって、私にしなだれてきた。
「すごくしたいから……我慢できないくらい……」
 そういって礼子は私の腕をとると、浴衣の合わせ目の中に導き、自分の乳房
にあてがった。
 張りのある、十八歳のものとは思えない豊かな礼子の乳房。私がそっと揉む
と、礼子が細い喘ぎ声を上げる。
「だって、お風呂でしてあげようっていったとき、あなたがいいっていうから
……」
 私は礼子にキスしながら右手を彼女の胸から離し、彼女の浴衣のすそに滑り
込ませた。礼子の太ももは熱くほてっていた。
 ショーツに手に届くと、「あ……」と小さなうめき声を上げた。
 ショーツの脇から指を入れる。そこは驚くほど濡れて熱くなっていた。私は
そっと指を滑らせて彼女のクリトリスに触れる。礼子がびくりと身体を振るわ
せた。
「待って……。すぐにいっちゃいそうだから」
 そういって、礼子が私の腕を押さえた。
「じらしているの……。お風呂のときからずっと……」
 私は礼子にキスして抱きしめた。
「もう十分焦らしたでしょ? となりの部屋にお布団が引いてあるわ」

 奥の部屋は枕元にある小さなライトだけが薄暗く室内を照らしていて、二つ
並んでぴったりと並べて敷かれた布団の枕元にはティッシュとゴミ箱が親切に
も置いてあった。
「これって、もう予想済みじゃない?」
 礼子が笑いながら私を見た。
「まさか。新婚さんが多いからどの部屋もこういう感じなのよ、きっと」
 私は自分の言葉が少し大人っぽい官能的な響きを含んでいたのに気づいて嬉
しくなった。
肌蹴た浴衣から見える礼子の肌を月の明かりが照らして白く闇の中に浮かび上
がる。
「礼子、綺麗。とても」私が礼子の頬に自分の両手を添える。彼女の瞳は何時
も見せる目とは違ってとても魅惑的な瞳だった。
「美紀。もっと褒めて?」
「褒めたら、いい事ある?」
 そう言って冗談っぽく笑うと礼子は私の耳元で「もっと、大胆になっちゃう
かもね?」と言ってほほ笑んだ。
「じゃあもっと褒めないと」
「褒めなくても大胆になっちゃいそうよ。飲みすぎたかしら」
 礼子が布団の上に倒れこんだ。寝転んだまま、こちらをじっと見つめている。
「電気、消してくれる?」
 部屋に入ってすぐのところにある電気のスイッチをオフにする。部屋の明か
りが消え、代わりに、カーテンを開け放した窓からくっききりと月光が差し込
んだ。目が慣れてくると、部屋の中の様子がぼんやりと見えてくる。
 喉が渇いて、私は枕元に置いたペットボトルの栓を開け、お茶を飲んだ。
「私にも頂戴」
 礼子が身体をおこして、私の手からペットボトルを取り、飲み口に唇をつけ
て、口に含んだ。
 礼子はそのまま私にキスをした。温い液体が流れこんでくる。
 お茶が口から垂れた。口の端からアゴを伝い、首筋に流れ、パジャマの襟か
ら胸元へと伝う。
 彼女は唇を離し、垂れた滴の跡を指先でたどった。
 線を描くように、細く美しい指が肌をすべる。口からアゴヘ、アゴから首へ、
首からパジャマの襟を割って、胸元の谷間へ。



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  発行者      : 春野 水晶 

  * タイトル:『クリスタルノベル〜百合族〜』
  * 発行周期:不定期(週2回発行予定)

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