メルマガ:クリスタルノベル〜百合族
タイトル:クリスタルノベル〜百合族 Vol. 043  2010.3.13  2010/03/13


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   ◇∞◆  クリスタルノベル〜百合族〜    ◇∞◆
    ◆∞◇      Vol. 043  2010.3.13       ◆∞◇


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                    ◇∞◇ タイトル ◇∞◇ 
            
             ♪ − 星の降る夜空の向こう



9.

 夢の中に現れた梨香が、揺れる乳房とうっすらとした恥毛としっとり濡れた
秘唇で私を誘惑する。目覚めると心臓が、火事の半鐘みたいな速度で動いてい
る。
 枕元においてある形態の液晶画面を見る。午前四時。思わずため息が出る。
 部活も休みになり、あの日以来、梨香とは話していない。昨日廊下であった
とき、彼女は笑顔を返してくれた。その笑顔を忘れられず、罪悪感はあったけ
れど、寝る前に指を使ってしまった。そして、眠りに落ちた後、鮮明な淫夢を
見てしまったのだ。
 眠らなきゃ。無理に目を閉じて布団を肩までかぶる。しかし、瞼の裏にはさ
っきまで見ていた梨香の姿が私を悩ませる。胸が高鳴り興奮し、血圧が上昇し、
体が熱くなる。無意識に、もどかしそうに腿をもじもじさせていたのに気付い
た。欲情している。体が、性的快感を求めている。
 私は目を閉じて右手をパンティの中に入れた。やはりベットリ汚れていた。
 パジャマを捲り上げ、わき腹あたりをすぅっと撫でる。
「ふっ、ん……」
 きめの細かい肌の表面を、自らの細くしなやかな指がなぞる。
 性感を得るために自分の体に触れているうちに、自分の性感帯をいくつも見
つけた。わき腹が意外と感じることに気づいたのは最近のことだ。くすぐった
いような、気持ちいいような微妙な感覚が、撫でるたびに体を駆け巡る。
「はぁ……んん……」
 手がわき腹から胸へと移る。本当は直接下半身を触りたかったが、いつもの
癖で自分を焦らした。
 パジャマのボタンをはずし、胸をあらわにさせる。学校の友達には大きいと
よく言われる、適度な軟らかさを持つ豊かな乳房。指が軽く沈み込むぐらいの
力で揉みしだく。
「ああっ……はぁ……」
 下の部屋で寝ている両親に悟られると死ぬしかない。シャツの裾を咥え、溺
れてしまいそうな快感に必死で耐える。
「ふっ、んっ、んっ……」
 人差し指と親指で乳首を軽く摘むと、電気ショックを受けたような快感が走
る。
「んんっ! んっ!」
 今までより強力な快感が体を走り、体がビクッと反応する。それでも本能が、
今までの経験が気持ちよさを欲し指を動かす。
 何度も何度も硬くなった乳首をこり、こりっと指で軽くつぶすように転がす。
「あっ、ふっ、んっ!」
 痙攣しているかのように体をびくつかせ、快感を堪能する。
「梨香……」
 次第に我慢できなくなってきて、脳が決定的な刺激を求める。
 空いているほうの手を残されたパンティへと運ぶ。パンティの上から自分の
性器をなぞるように指を動かす。一週間前に梨香に触れられたときの彼女の指
使いを思い出す。
「はうっ、んっ……」
 布の上からでも解るほど、秘所は濡れていた。そしてその湿り気を帯びた布
越しに膣口、クリトリスをなぶる。
「ひあっ! あっ、ふっ……」
 自らの粘り気のある液によるぬるっとした感触、布の少々ざらついた感触、
そしてそれを押し付ける自らの指の腹の軟らかさ。
 それらがひとつとなり、まるで快感神経の塊になったように感じるクリトリ
スを転がす。
「あ、ふっ、んっ……梨香……ひふぃ……」
 布を染みてきた愛液が指を濡らす。脳の細胞を焼き切るかのような感覚が走
ったが、まだイクには至らない。
 指を一旦離し、パンティを脱ぎ捨てる。露わになった秘所に再び指を運ぶ。
 クリトリスの上に中指をあて、ゆっくりとスライドさせていく。膣口でとま
ると、くっと力をいれ、指をゆっくり中へと埋め込ませる。
「ひっ、っく……」
 処女の膣内は狭く、指がはいってきて、それにより広げられるとき、少し痛
みが走る。でも、少しの我慢だ。すぐに慣れるから。
 中指の第一関節と第二関節の間あたりまで侵入させ、ゆっくりと入れたり出
したりする。
「はっ、んっ……ひっ……」
 出し入れするたび愛液が、クチュ、チュ、とぬめりのある淫らな音を奏でる。
 何度も出し入れしているうちに、膣も慣れてきて、痛みもより強い快感へと
変わっていく。
「気持ちいい……」
 指の動きが次第に早くなっていく。
「あっ、ひっ、あっ、ああっ! り、梨香!」
 体がビクッ、ビクッと何度も痙攣する。体の奥から何かがこみ上げてきて、
快感曲線を駆け上っていく。
「あああっ!」
 指の動きも無意識に速くなり、絶頂へと加速する。
「はっ、ひっ……あ……あああっ! りかっ! いっちゃうっ!」
 体が一層激しく痙攣する。頭が真っ白になっていき、意識が飛ぶ。私は慌て
て枕に顔を押し付けた。
「ああぁあぁあぁあぁぁぁぁ……っ!」
 ぐっと腿を閉じ、体を丸めた姿勢で大きく痙攣し、枕をぎゅっと抱きしめる。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
 そのまましばらく絶頂の余韻に浸る。
 全身の力を抜き、姿勢を崩す。
 手を押さえるかのように腿を閉じたため、手にべったりと吹き出た愛液がま
とわりついていた。

 また、彼女のあの柔らかくて細体を抱きたい。
 でも、それはかなわぬ夢だった。梨香には彼氏がいる。私とのことは、単な
る浮気でしかない。
「きっと、これが最初で最後ね」
 ベッドで梨香が囁いた言葉が、いまも棘のように胸に刺さっている。
 気がつけば、目から涙が零れ落ちていた。



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  発行者      : 春野 水晶 

  * タイトル:『クリスタルノベル〜百合族〜』
  * 発行周期:不定期(週2回発行予定)

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