メルマガ:クリスタルノベル〜百合族
タイトル:クリスタルノベル〜百合族 Vol. 038  2010.1.17  2010/01/17


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   ◇∞◆  クリスタルノベル〜百合族〜    ◇∞◆
    ◆∞◇      Vol. 038  2010.1.17       ◆∞◇


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                    ◇∞◇ タイトル ◇∞◇ 
            
             ♪ − 星の降る夜空の向こう




「美紀さんって、女の子のことが好きな人なんですか?」
 あまりにも唐突な梨香の言葉に私は面食らってしまった。
「それとも、バイセクシュアルな人ですか?」
「バイ……?」
「あの…男の人も女の人も好きな人のことです」
「う、うん……。よくわかんないけど、そうかも。男の人のことも嫌いじゃな
いし。でも、うち女子高だから、男の人のことは分からないわ」
「私もそうかもしれない」
「えっ?」
「いつぐらいからかしら。はっきり意識したのは高校生に入ったときだったか
な。彼氏がいるのに、時々同性の子のことが気になるんです」
「梨香ちゃん、好きな女の子がいるの?」
 梨香がもじもじしながらテーブルの上のシュガーポットとミルクピッチャー
を指でいじっていた。
「これまで一人だけ、付き合った女の子がいるんです。彼と付き合っていると
きだから浮気かな」
 私は驚いて梨香の顔を見た。
「中三のとき、通っていた塾で同じクラスの女の子と。彼女とはセックスもし
たんですよ、何度も」
「そう……」
 私は心に軽い嫉妬を覚えながら、カップを口元へ運ぶ。
「よかった。美紀さんにこんなこというと引かれちゃうかと思ってたから」
「そんなことないわ」
 私は胸の前で手を振った。
「好きになる気持ちは自由だし、男より女の子のほうが安心できるじゃないで
すか。子供もできないし。そんな考えかたって変かな」
「変なんかじゃないわ。私も梨香のことが好きだから」
「私のことが好きって、友達とか可愛い後輩としてではなくって、私がさっき
言った、塾で知り合った女の子のことを好きだったのと同じ好きなんですか?」
 私は黙って頷いた。
「美紀さんは私とセックスがしたいですか?」
「ええ。したいわ。だって、私、あなたのことがずっと前から大好きだったか
ら」
「はっきり言うんですね」
 私は入れてもらったコーヒーを一気に飲み干した。そして、カップをテーブ
ルの上において顔をあげた。目の前に梨香の顔があったので、胸がどきりとし
た。
 梨香が顔を近づけてきた。彼女の柔らかい唇が私の口をふさぐ。
 「柔らかい……」
 梨香がつぶやく。私は身体が固まってしまい、彼女から視線をそらすことが
できなかった。梨香の唇も柔らかかった。
 再び梨香の顔が近付いてきて、私の唇を奪った。口の先で私の唇を優しくも
てあそんだ。やがて、梨香の手が私の肩をゆっくりと撫でる。
「ああ……」
 梨香の指が不意に私の鎖骨をなぞったので、うっかり声を出してしまった。
彼女の指が肌を刺激する感触に、私はうっとりと目を閉じた。
 梨香の手が私の体から離れ、その直後、胸の先端をかすめた。
 体がビクッと反応する。
 梨香の右手が、私の乳房を下側から揉みあげるように動いた。




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  発行者      : 春野 水晶 

  * タイトル:『クリスタルノベル〜百合族〜』
  * 発行周期:不定期(週2回発行予定)

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