メルマガ:クリスタルノベル〜百合族
タイトル:クリスタルノベル〜百合族 Vol. 022  2009.9.21  2009/09/21


☆。・゜゜・。♪゜・。。・゜☆。・゜゜.。.:*

  ◆∞◇                    ◆∞◇
   ◇∞◆  クリスタルノベル〜百合族〜    ◇∞◆
    ◆∞◇      Vol. 022  2009.9.21       ◆∞◇


       ♪゜・。。・゜☆。・゜゜♪・゜゜・。☆。゜・。.。.:*


                    ◇∞◇ タイトル ◇∞◇ 
            
             ♪ − 星の降る夜空の向こう


「んんっ、んんっ、あぁん、くふっ」
 私は自ら脚を広げ、腰を浮かし快感を貪った。
「いきたいの?」
 彼女の声が、私の耳に映画のセリフのように聞こえてくる。私は枕を咥えたまま頷いた。
「あなたがいくところ、見ててあげる」
 彼女は突起を剥き上げ、擦り上げるスピードを徐々に増した。
 この指は、麻薬だ。耳に絡みつき、愛撫する。私の快感が急角度で上昇していく。指は
より激しく動き、私にとどめを刺していく。枕から聞こえる声のトーンが上がっていった。
「んんっ、んんっ、あぁん。あぁっ、あぁぁぁ」
 力を込めて礼子の体にしがみつきながら、私は意識を手放すことを望み、そして意識は
私を離れた。私は礼子に見つめられたまま、絶頂に達した。
 一瞬か、それとも長い間そうしていたのか。どこかへ連れて行かれた意識が重い体に戻
ってくる。ぐったりと身を横たえる私に「お疲れ」と声が囁く。後ろから髪に顔が埋まり、
手が胸に伸びると、身をよじりながら私は自分から彼女に体を押しつけていた。




4. 

 クリスマス会も「もののけ姫」を演奏した。
 ピアノは持ち込めなかったから、自宅にあるキーボードを持ってきて演奏した。
 相変わらず低音パートは人が集まらなくて、私と梨香はずっと二人きりだった。
 このままだと、来年のチューバは外の学校から誰かヘルプを頼んでやってもらうしかな
さそうだ。

「もう、帰るの?」
 無事に演奏会が終わって、冬休みまでもう少し。下校時に下足場で私は梨香にあった。
「あ、美紀さん」
 気が付いた梨香が、ほわほわとした朝の挨拶をかけてくる。
「やっと終わったね」
「うん。でも、演奏会が終わると急に暇になっちゃって」
 深く澄み切ったストレートのロングヘアー。
 優しげに細められたうす茶色の瞳。
 どこぞの世界のヒロイン達にだって決して引けをとらない、憧れの彼女はいつも通りの
微笑を浮かべ、いつも通りな綺麗な声で私に向かって挨拶をかけてくれた。
それだけで私の胸は高まった。
 さりげなさを装っていても、意識し過ぎて、今にも胸が張り裂けそうなくらい軋んでい
る。
 落ち着け、落ち着けと何度も自分に繰り返し、目を瞑りながら、深呼吸を一、二、三回。
 そこで、ようやくひと心地つけた私は、そっと彼女の横顔を盗み見た。
 透き通った白い肌、人形みたいな造型の目はな、悔しいぐらい整った眉に、そして、…
ほっそりとした唇。
 ぼむっ
 瞬間、これでもかというくらい心臓が跳ねた。
 ど、どこをみてるのよ!
 ともすれば、そこだけに集中してしまいそうになる意識を無理やりに引き剥がし、その
可憐な顔に浮かぶ表情を私は観察する。
 ほんわか、ふわりん、たまにキリっ。
「ねえ、これから、お茶でもしない?」
 ごく自然に彼女を誘うことが出来た。
「ごめんなさい。これから約束があって」
「そう」
 校門を出ると、道路を挟んで向かい側に見覚えのある乗用車が停まっていた。
「じゃあ」
 そういうと、梨香は車に向かって走っていった。
 私はとても寂しい気持ちになり、下を向いた。梨香が車に乗り込むところを見たくなか
ったのだ。
 ふいに携帯がなった。液晶画面に「原島礼子」の名前があった。



オトメ文庫  ガールズラブ  電子書籍
http://www.dmm.com/digital/book/-/list/=/article=keyword/id=90029/media=novel/lovelymei-001


レズビアンコミック
http://www.dmm.co.jp/digital/book/-/list/=/article=keyword/id=4013/media=comic/lovelymei-001


♪=======================================================

  ご意見ご感想ご質問等々お待ちしております。

  発行者      : 春野 水晶 

  * タイトル:『クリスタルノベル〜百合族〜』
  * 発行周期:不定期(週2回発行予定)

========================================================♪

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。