メルマガ:クリスタルノベル〜百合族
タイトル:クリスタルノベル〜百合族 Vol.014  2009.7.19  2009/07/19


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   ◇∞◆  クリスタルノベル〜百合族〜    ◇∞◆
    ◆∞◇      Vol.014  2009.7.19      ◆∞◇


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                    ◇∞◇ タイトル ◇∞◇ 
            
             ♪ − 星の降る夜空の向こう


 合同練習以外は、私と梨香は校舎の隅に用意されている小さな教室で、ほと
んど二人で練習した。
 コンクールも終わって、合同演奏会も終わり、あとは部内で適当にやるクリ
スマス音楽会が残っているだけだった。
 あちこちからクリスマス曲が流れてくる。
 同級生に3人チューバとユーフォ担当がいたけど、何か色々理由をつけてク
リスマス会は参加しないとか言われた。
 でも、何故か一年は逃げられないという勝手なルールができていた。
 私だって別にこんな内輪だけの会には参加したくなかった。しかし、梨香が
参加しなくてはならないので、私も逃げずに彼女につきあうことにした。
「ねえ、梨香、二人だよ。ユーフォとチューバだけで何ができる?」
 パートごとに発表する曲の相談だ。さすがにチューバだけで演奏するのは厳
しいから、ユーフォと一緒にやろうと思った。
 部のクリスマス音楽会はうっとうしかったが、梨香と一緒に吹くのは正直嬉
しい。
 微かに、私は梨香を好きになっていた。
 でも、私の一方的な気持ちみたいだから、それは抑えていた。

「ねえ、美紀。あんたと仲のいい早乙女さんって、彼氏がいるみたいね」
 昨日、香夏子が口にした言葉が私を憂鬱にしている。
 梨香には中学から付き合っている彼氏がいると、香夏子が言った。似たよう
な噂をちらっと聞いていた私は、覚悟はしていたがすごくショックだった。
「時々、車で高校の校門まで迎えにきてるよ。しらなかったの? 結構いい、
ちょっと大人な男だったよ」
 私の気も知らないで、香夏子は楽しそうに梨香のゴシップを並び立てた。
大人の男と付き合ってるなんて……と思ったけど、それは個人の勝手だから私
がどうこう言う権利はない。
 私は梨香と一緒にいられる嬉しさとともに、ちょっと悲しい日々を送ってい
た。
「二人で出来る曲かあ。そういえば、もののけ姫ってユーフォのソロ楽譜あっ
たよね」
 私がふとした思い付きでそう言った。
「ああ、あるよ。でも、あれはピアノとのデュオ用に作られてるから……チュ
ーバとはどうかな」
「私、一応ピアノも弾けるんだ。それにしない?」
 私は母親がピアノを習っていた影響で、かなり小さい頃からピアノを教えら
れていた。面白いテレビも無い静かな夜なんかに、親に頼まれて家で弾く事も
あった。そんなときは私を囲んで合唱会みたいな状態になることもある。
 父や母が歌えるように、二十年も前の古い曲を伴奏する事もあるし、クラシ
ックが聴きたいと言われてそういうのを弾く事もある。
「え、美紀さん、ピアノできるんですか? 何でそれ早く言ってくれないんで
す。じゃあ、それにしましょう」
 梨香はあっさり私の意見を取り入れて、練習場所をピアノのある別のホール
に移した。
 勝手に使うのは禁止されていたけど、この日だけは予約を入れずに勝手に使
わせてもらった。



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  発行者      : 春野 水晶 

  * タイトル:『クリスタルノベル〜百合族〜』
  * 発行周期:不定期(週3回発行予定)

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