メルマガ:クリスタルノベル〜百合族
タイトル:クリスタルノベル〜百合族 Vol.013  2009.7.12  2009/07/12


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   ◇∞◆  クリスタルノベル〜百合族〜    ◇∞◆
    ◆∞◇      Vol.013  2009.7.12      ◆∞◇


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                    ◇∞◇ タイトル ◇∞◇ 
            
             ♪ − 星の降る夜空の向こう


 それから、私は彼女と二人で隣り合って練習するようになった。チューバと
ユーフォニアムは同じ部屋で練習することになっていたので、私は彼女と自然
に近づくことができたのだ。
 低音を担当する人間は少なくて、一年の間、私は毎日一人で楽器練習をして
いた。それが、思いがけず、梨香と二人きりで練習する事態になった事に多少
動揺している。
ユーフォニアムの演奏には肺活量が必要だから、長くブレスを続け過ぎると顔
が真っ赤になる。
 その様子を見ていて、何だか私はおかしくなってくすりと笑った。
「先輩」
 私のチラ見がバレたと思って、どきっとした。梨香がふわりと笑って私を見
た。
「なに?」
 楽器から体を離して、私はちょっと一呼吸ついた。
「先輩って、すごくきれいですね」
 私は梨香にいきなり予想だにしていないことを言われて戸惑った。
「えっ? 何いってるの。早乙女さんの方がずっと綺麗よ……。嫌味なこと言
わないの」
 そう言って、私は梨香の鼻先を指で突いた。
 実際、梨香は私なんかよりはるかに綺麗で眩しかった。それに、どこか育ち
の良さそうな、金持ちお嬢様風の感じだった。それに比べて、私の家は普通の
サラリーマン家庭だ。
じいちゃん、ばあちゃんと同居していて、かなり田舎者の匂いも漂っている。
「先輩。私、早乙女って名字、あまり好きじゃないんです。なんか、少女漫画
っぽくって」
「そう? すごく素敵だと思うけど。じゃあ、何て呼べばいいの?」
 梨香が、やや戸惑った顔でそう言った。
「まだ名前で呼ばれたほうがましです」
 梨香はほんとうに魅力的な少女だった。瞳がちょっと茶色がかっていて、艶
のあるストレートの長い綺麗な髪をしている。
 バレエか何か習ってきたのかなと思うぐらい姿勢がよくて、重い楽器を抱え
ていても背筋が常にピンと伸びている。
 手足がスレンダーで、座ると太ももあたりから真っ白な足がのぞいていて、
女の私でさえドキリとさせられる。
「先輩」
「なに……?」
 彼女に見とれていた私はいきなり声をかけられどきりとした
「美紀っていい名前ですね」
そう笑顔で言われた。
 私の名前をいい名前だなんて言ってもらえたのは、親と祖父母ぐらいだった
から、正直驚いた。
「梨香って言うのも素敵な名前よ。いまどきって感じだし」
そうして、私と彼女は親しくなっていった。



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  発行者      : 春野 水晶 

  * タイトル:『クリスタルノベル〜百合族〜』
  * 発行周期:不定期(週3回発行予定)

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