メルマガ:クリスタルノベル〜百合族
タイトル:クリスタルノベル〜百合族 Vol.003  2009.3.26  2009/03/26


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   ◇∞◆  クリスタルノベル〜百合族〜    ◇∞◆
    ◆∞◇      Vol.003  2009.3.26      ◆∞◇


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                    ◇∞◇ タイトル ◇∞◇ 
            
             ♪ − 星の降る夜空の向こう


 私の緊張がほぐれていくに従い、彼女のスキンシップが次第に濃くなってい
った。彼女は気分よく離しをさせながら、しきりに私の手に指を絡めたり、自
分の手を私の腿の上において擦ったりした。そして、時折、顔を私の耳に近づ
けてすうっと息を吹きかけた。私はそのたびにうっとりした気分になった。
 私は途中でトイレに立った。個室に入り、ショーツを下げて便座に座った。
 濡れていた。
 彼女の行為に感じていたのだ。
 クロッチ部分がじっとり湿ってしまったショーツを眺めていると、急に気持
ちが昂ぶってきた。
 彼女のスキンシップは、私を昂奮させ、ホテルへ誘わせるための営業行為な
のかもしれない。でも、私の気持ちは決まっていた。それは、あの店に電話し
ていたときから決めていたことなのかもしれない。
「いいわ……乗ってあげても」
 私はショーツを引き上げてトイレから出た。湿ったショーツが冷たくて少し
気持ち悪かった。
 席に戻って彼女と話していると、六十分があっという間に過ぎて、彼女の持
つ携帯から利用時間終了のコールが鳴った。
「時間だけど」
 彼女が私を見た。
「あの……延長をお願いしてもいいかしら?」
「ビアンコースでいい?」
 つまり、ホテルにいってセックスするコースのことだ。
 私が黙って頷くと、彼女がすぐに笑顔で料金の説明をした。私は二時間のコ
ースを選んだ。
 久しぶりのラブホテル。しかも、女性とラブホテルに行くのは初めてのこと
だ。私はドキドキしながら、沙耶と手を繋いでホテル街に向かって歩いて行っ
た。宗右衛門町からしばらく歩くと、あたりに多くのラブホテルが並んでいる
界隈に出た。古びたホテルもあれば、外装の凝っているオシャレな雰囲気のホ
テルもあった。
 男女の行為を終えたばかりなのか、あるいはこれから性を交えるのか、手を
繋いだり肩を組んだりしたカップルが何組か私たちの脇を通り過ぎた。彼らは
横をすり抜けるとき、好奇な視線を私たちに向けたが、沙耶は気にも留めてい
ない様子だった。
 沙耶は比較的新しそうなシックで落ち着いた感じのホテルを選んで、私の手
を引いてエントランスに入った。
「このホテルはね、女同士のカップルも入れてくれるのよ」
 カラオケボックスのような明るい雰囲気のフロントの脇に貼ってあるパネル
の前に沙耶が立った。
「どこにする?」
「えっ……ど、どこでも」
「あなたが選んで」
 すっかり緊張していた私は部屋を選ぶ余裕なんてなかったが、どうやら客が
部屋を選ぶルールらしい。私はちょっと迷ってから、ひとつの部屋のボタンを
押した。
「さあ、行こう」
 沙耶は私を連れてエレベータに載った。部屋は最上階にあるらしい。エレベ
ーターに乗ってから尋ねた。
「いつもこのホテルにくるの?」
 こんなことを聞いて沙耶が気を悪くするかもしれないのに、ついついつまら
ないことを聞いてしまった。
「そうね、難波界隈でお客さんと会うときは大体ここを使うわ」
 沙耶が笑って、私の耳元で囁いた。



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  発行者      : 春野 水晶 

  * タイトル:『クリスタルノベル〜百合族〜』
  * 発行周期:不定期(週3回発行予定)

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