メルマガ:憂国通信
タイトル:憂国通信  2009/06/06


足利事件大冤罪の実態 

菅家さん 再審前に異例の釈放 「足利事件」無罪ほぼ確実 
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/262386/

栃木県足利市で1990(平成2)年、4歳の女児が殺害された足利事件で、殺人罪などに問われ無期懲役が確定した元幼稚園バス運転手、菅家利和さん(62)について、東京高検は4日、再審開始を認める意見書を東京高裁(矢村宏裁判長)に提出した。

菅家さんは4日午後、千葉刑務所から釈放された。
高検は4日、菅家さんのDNA型と女児の下着に付着した体液が一致しないとする再審請求即時抗告審の2つのDNA型再鑑定のうち、検察側推薦の鑑定医の結論を「無罪を言い渡すべき証拠」として、再審開始に反対しないとの意見書を高裁に提出、釈放も決めた。

高検は再鑑定の体液に、犯人とは別人のものが混入している可能性があるとして、下着に触れた可能性のある当時の捜査関係者らのDNA型鑑定を進めたが、該当者はいなかった。

折り悪く7月から裁判員制度が実施されることになっており、解釈が難解な「DNA型鑑定」は裁判員にとって大きな不安材料になることが予想される。

足利事件は1990年5月、栃木県足利市で発生した。市内のパチンコ店に父親と来ていた保育園女児=当時(4)=が行方不明になり、近くの河川敷で遺体が見つかった。県警は91年12月、店の客だった菅家さんを逮捕した。

足利事件の経過
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090509/trl0905090224008-n1.htm

4年2月 宇都宮地裁の初公判で菅家さんが起訴事実を認める

 12月 菅家さんが公判で否認に転じ無罪主張。その後、いったん認めるが再び否認

5年7月 地裁が求刑通り無期懲役の判決

8年5月 東京高裁が控訴棄却の判決

9年10月 弁護側が女児の着衣に付いた体液と菅家さんのDNA型が一致しない疑いがあるとする証拠を最高裁に提出

12年7月 最高裁がDNA鑑定の証拠能力を初認定。上告棄却を決定し、無期懲役確定

14年12月 菅家さんが宇都宮地裁に再審請求。弁護側がDNA型に関する鑑定書などを新証拠として提出

20年2月 宇都宮地裁が再審請求を棄却、弁護側は東京高裁に即時抗告

 12月 高裁がDNA鑑定の再実施を決定

21年1月 再鑑定始まる

 5月8日 高裁が再鑑定結果を弁護側、検察側に伝える

最高裁で判決が確定したのにどうしてそれがひっくり返ったのだろうか?
一般的には理解しがたい裁判のシステムである。


【足利事件】再審手続きとは
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090509/trl0905090218006-n1.htm

≪ 裁判のやり直しを求める再審請求は刑事訴訟法に定められた手続きで、被告の利益になる場合に限って認められている。判決の証拠が偽造されていることや、証言や鑑定が虚偽であることが証明された場合のほか、判決で認定した罪より軽い罪を認める明らかな証拠を新たに発見した場合などに請求でき、裁判所は再審開始の可否を決定する。≫

ということだが、実際には再審は「開かずの門」「重い扉」などとされ、開始決定が出るのはまれだった。

≪だが、刑事裁判の原則「疑わしきは被告人の利益に」が、再審制度のもとでも適用されると判断した最高裁の「白鳥決定」(昭和50年)で門戸が広がり、「財田川事件」「免田事件」など、再審を経て無罪となるケースが増えた。≫

ということで、以前に比べて裁判制度も少しは民主化してきたのである。

足利事件の公判を通じて争われてきたのは、DNA鑑定の信頼性についてで、弁護側は14年12月、宇都宮地裁に再審を請求した。「DNA鑑定の結果には重大な誤りがある」などとした新たなDNA鑑定書などを新証拠として裁判所に提したにもかかわらず、同地裁は再鑑定せず、DNA鑑定に関する新証拠についても「証拠価値は乏しい」と指摘され請求は退けられた。

これを受けて、弁護側は東京高裁に即時抗告し改めて再鑑定を求め、高裁は再審請求中の事件では初めて、DNAの再鑑定を決定していた。

田淵九州大教授(刑事訴訟法)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090509/trl0905090217005-n1.htm

≪九州大学法科大学院の田淵浩二教授(刑事訴訟法)の話 「ここまで違う判定が出ているということは、同一人物ではないということ。早く再審を開始して無罪判決を下すべきた。これまで公判にかかわった裁判官は、当時の鑑定技術の信頼性に対する評価を誤り、全員だまされてしまった。もっと信頼性を高めてからDNA鑑定を裁判の証拠として使うべきだった」≫

と検察や裁判官の姿勢を酷評している。

しかし、今回の判断に警察としてははなはだおもしろくないようだ。

【足利事件】「捜査は妥当だった」「思い出したくない」 
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090604/trl0906041213005-n1.htm

≪足利事件で菅家利和さん(62)の釈放が決まった4日午前、事件捜査にあたった元栃木県警幹部らは「捜査は妥当だった」と強気の姿勢を示す一方、「事件のことは思い出したくない」と複雑な表情をみせた。≫

いい加減な捜査ぶりが露呈すれば責任問題も待っていることだろう。戦々恐々といったところだ。

一応麻生首相のコメントも見てみよう。

【麻生ぶら下がり】足利事件「可視化で冤罪が減るとは…」(4日夜)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/262309/

≪麻生太郎首相は4日夜、DNA再鑑定で受刑者が釈放された足利事件に関連し、取り調べの可視化について「可視化すれば直ちに冤罪が減るという感じがありません」と述べた。≫

「よく解らないし、俺はそれどころじゃない。くだらない質問をするな」と言うことのようだ。

今後気になるのは菅家さんに支払われる賠償金である。菅家さんは本人の人生を台無しにされたばかりか、この冤罪の影響で両親を亡くしている。
菅家さんに対する慰謝料を年1億円で換算すれば18億円。両親に対する慰謝料も一人あたり5億円は支払う必要があるだろう。私の換算では28億円相当である。


記事が面白いと思ったら下のURLをクリックしてくだされ!! 
<(_ _)>
↓にほんブログ村 
http://politics.blogmura.com/



************************************************************

記事が面白いと思ったら下のリンクをクリックしてくだされ!!
 <(_ _)>

http://blog.with2.net/link.php?312621

http://blogranking.fc2.com/in.php?id=104777

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。