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タイトル:憂国通信  2008/08/10


第三次大戦勃発の危険性も。ロシア グルジア侵攻 死者2000人超の惨事に 


今回の北京五輪はタイミングを見計らって、世界各地でいろいろな事件が勃発している。ロシアのグルジア侵攻も、その一つという見方が有力である。

ところでロシアに侵攻されたグルジアだが、日本人にとってはなじみのない国である。
「グルジア、何じゃい、そりゃ?」と言う人も多いだろう。
ソ連崩壊後に誕生した国だけに、日本での知名度は抜群に低い。特に最近の若い連中は、女子アナでさえヨーロッパの国名や位置が判らないようであるから、「知らない」という人が圧倒的だろう。本当に日本の地理・歴史教育は何をやっているのだろう?

≪グルジアは、黒海に面したコーカサス地方に位置する共和国で、旧ソビエト連邦の構成国のひとつだった。1991年に独立し、首都はトビリシ。キリスト教国なのでヨーロッパに含められることもある。

温和な気候を利用したワイン生産の盛んな国としても知られるが、石油は産出していない。
ソビエト連邦の最高指導者、スターリンの出身地である。
6世紀までは独立国だったがビザンツ帝国の属国になり、西側はペルシャ支配下となった。イスラム教誕生後はアラブ支配下に入ったり、モンゴル帝国に占領されたり、ビザンツ帝国に取り返されたりをめまぐるしく繰り返し、その後、オスマン帝国、ペルシア、ロシアなどの支配を経て、ロシア革命後の1918年5月26日にロシアから独立を宣言するが、赤軍に首都を制圧され崩壊。ザカフカース・ソビエト連邦社会主義共和国の構成国となり、ソビエト連邦に加盟した。1936年には、ソ連邦構成共和国(グルジア・ソビエト社会主義共和国)に昇格する。

1991年、ソ連邦の解体により、グルジア共和国として独立した。1992年から2003年まで、エドゥアルド・シェワルナゼが最高権力者であった。≫
(以上Wikipedia参照)

と、大変きな臭そうな地域なのである。コーカサスというとのどかなイメージがあるが、実際は紛争だらけの歴史だったのである。石油の出る地域とそうでない地域の経済格差は大きい。コーカサスは美人の産地としても有名だ。それにカブトムシも…。コーカサス地方の面積は日本よりも広いが、民族が入り乱れており、他民族との協力意識が極端に希薄なため、絶えず大国の支配下に甘んじてきたのである。しかし、各民族とも独立心は旺盛で、独立運動も盛んである。
グルジア内部でも、ロシアの影響力に脅威を覚えつつ、西部のアブハジア地方は事実上分離独立状態で、今回は北部の南オセチアが分離独立を要求している。
南オセチアと言うくらいだから、北オセチアもあって、こちらはロシアに組み込まれている。南オセチアに関心があるので、現在はロシアに協力的である、しかし、その東にはロシアからの独立を求めているチェチェン共和国 が存在しロシアに対してゲリラ活動をしている。敵の敵は味方の理屈で、グルジアは本来敵関係にあるチェチェンを支援している。ロシアはチェチェン内部に工作し「イングーシ共和国」の独立に荷担している。
マトリョーシカ人形 を地でいくような状況がロシア周辺では展開されている。

グルジア内部もロシアの攪乱攻撃のせいもあるが、政局は不安定で、「非常事態宣言」が常時出し続けられている始末である。

露、グルジアに猛攻 南オセチア紛争で戦線拡大 
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080810/amr0808100058001-n1.htm

≪旧ソ連の親欧米国、グルジアに侵攻したロシアは、9日も各地で空爆などの猛攻を続け、戦火は拡大の様相を見せている。グルジアのサーカシビリ大統領は同日から15日間の「戦争状態」を宣言する大統領令を出し、徹底抗戦する構えだ。グルジアと緊密な関係にある米国は、即時停戦を求めつつも、グルジアが先に進攻した南オセチアがグルジア領であることを重視、ロシアに自制を呼びかけているが、ロシアの説得は容易ではない。旧ソ連構成国を舞台とした戦闘は、グルジアのNATO(北大西洋条約機構)加盟問題を軸に影響圏を争う構図ともなっている。≫

グルジアとロシアでは本来戦争になどならないが、グルジアの背後にはアメリカがいるので強気なのだろう。昔のイラクを彷彿させられる。

≪ブッシュ米大統領は滞在先の北京で「暴力の即時停止」とロシアに空爆をやめるよう呼びかける声明を発表、ロシアのメドベージェフ大統領とグルジアのサーカシビリ大統領にも電話会談で即時停戦を求めた。これに対し、メドベージェフ大統領は「グルジア軍が紛争地帯(南オセチア)から撤収することが解決の唯一の道だ」と強調し、南オセチアの分離・独立を容認しない米国を牽制した。≫

軍事行動を起こすの好きなブッシュが勝手なことを言っている。今回は石油利権絡みなので、うるさい。貧困国の北朝鮮とは訳が違う。

≪プーチン露首相は9日、南オセチアからの難民を見舞う名目で南オセチアに隣接する北オセチア共和国に入った。グルジアに対し強硬路線をとる同首相の訪問はロシアの断固たる姿勢を示す意味があるとみられる。

ロシアは8日にグルジアの首都トビリシ近郊の軍基地を空爆したのに続き、黒海に面するポチ港や旧ソ連の独裁者スターリンの出身地、ゴリ近郊を軍用機で爆撃。ゴリではアパートが空爆を受けて民間人に死者が出ている。ロシアが支援するグルジア北西部の独立派地域「アブハジア自治共和国」のグルジア支配地域も空爆を受けた。ロシアが、アゼルバイジャンからグルジアを経由、トルコへ原油を輸出するBTCパイプライン周辺を攻撃したとの情報もある。

ロシアが軍事介入する引き金となった南オセチアでも、ロシア軍は先に進攻していたグルジア軍と激しく交戦し、州都ツヒンバリの制圧を宣言した。サーカシビリ大統領は「ロシアがグルジアへの大規模侵攻に乗り出した」として即時停戦を呼びかけたものの、各地での交戦は続いている。

ロシアは、グルジア軍の攻撃によるツヒンバリでの犠牲者が2000人以上にのぼるとしている。≫

プーチンもやる気満々である。もともとロシアの権益であるはずの石油利権を欧米が領土付きでかすめ取ろうというのだから、頭に来たのだろう。
すでに2000名超の一般市民が犠牲になってしまったが、戦線は拡大する一方だろう。

北京五輪どころではなくなってしまい、しばらくはこのニュースが中心になるだろう。何といっても今回は冷戦ではなく、熱戦になってしまったからである。


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