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タイトル:石川ファミリーアンサンブル通信579  2010/02/19


今日は一応晴れています。すっきり青空というわけではないですが、朝畑は霜で真っ白。

少し前にグレートの第1楽章の第2主題はイ短調と書きましたがこれはホ短調の間違いでした。
ハ長調の属調のト長調の短調に転調ですよね。

昨日、旋律(メロディー)とリズムの違いはなにか?というテーマでした。
ところで、機能の文面で、「規則正しい短調なリズムが睡眠を誘発するというらしいですね」というのがありました。
短調ではなく単調ですね(笑)。次の文章ではちゃんと単調となっています。
ここいら辺も日本語特有の問題ですよね。同音異義語が多すぎる。それを区別するのは音の高さ(日本語ではアクセントのようなもの)です。
電車に乗っていてATOKの宣伝をご覧になったことがありますか?「ギフトセット」というのが「岐阜とセット」と誤変換されるのが書かれています。
ちなみに、今ここで変換したらちゃんと上記のように出ました。
こういうのは英語では少ないみたいですね。だから日本語の駄洒落はレベルがかなり高いんですね。
「Pure tone is poor tone」という英語のことわざがあります。つまり、純粋な音は音色に乏しい。
つまり、音叉のような音の波形はきれいな正弦波となりますが、例えばヴァイオリンのような表情に富んだ音色の波形は倍音が倍音が多いためギザギザになります。
岩城宏之さんの著書で、オーストリアでのリハーサルの際、ピアノのソリストが勝手に持ってきたパート譜に頭に来て、
I don't know your part!と怒鳴ったら、楽団員が大笑いしたとか。
岩城さん、実はpartの意味を知らないですばらしいjokeを言ったらしく、partはもちろんパート譜で通じたらしいのですが、本当のjokeは--
このピアニストがホモで有名でpartは例の部分(失礼)を指すというとか。だから楽団員は頭に来ていたソリストに痛烈なjokeをとばした岩城さんに拍手喝采したそうです。
ですが、岩城さんはそうとは分からず後で楽団員にひょっとしてわからないでいったのではとからかわれたとか。
このオケは岩城さんと信頼が厚く、これがよい演奏を生み出したとか。
話を戻しますが、英語では同じスペルを書く単語で意味の違いをひっかけてjokeにするようです。ですが、日本語ではそもそも違う漢字を使う違う言葉で駄洒落を作ります。
大分リズムの話題から脱線しましたが、日本人にリズム感が乏しいのは、どうも日本語の影響が大きいように思えます。
では旋律とはなんぞや?
ラベルのボレロで曲中ずっと刻まれるスネアドラムの音は、リズムだけであって音程の変化は存在しませんから旋律とはいえないことは明らかでしょう。
春の祭典の春が来た部分の弦楽器の「ジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャン」と始まるのもこれは単なるリズムです。
ですから、少なくとも音程の変化が必要でしょう。ですが、音程の変化だけで旋律が「確定する」のでしょうか?
以前、ショスタコーヴィッチの革命の第4楽章の主題がハバネラ似ているというのでさんざん議論しました。
その結果、ラレミファという音列は実に多くの名曲に使われていることが明らかになりました。
例えば、モルダウの有名な「ミラーシドーレミーミミー」というテーマ、これも「ミラーシド」は完全4度、長2度、短2度の音列でラレミファと同じです。
現在練習しているシューマンの第4交響曲の第3楽章のテーマ、「ラレミファソファミレ」も同じです。
ですが、リズムが異なりますし、演奏する楽器も違う。もうお気付きですよね?

続きはまた来週。

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IFE通信No.579 10/2/19発行(平日発行)
発行者:石川 聡
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