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タイトル:石川ファミリーアンサンブル通信568  2010/02/03


朝方雲が多かったんですが、今は良く晴れています。
東京では昨日多くの方が凍結した路面で転倒されケガをされましたが、まだまだ雪が残っている所もあります。くれぐれも気を付けて下さいね。
昨日はブラームス一辺倒の日本という話題でした。なぜ、メンデルスゾーンやシューマン、シューベルトはしいたげられているんだろう?
不思議ですよね。ブラームスがあらゆる分野で傑作を残した多作家ならわかります。でも、オペラは1曲も書かなかった。
まあ、敵対していたワーグナーがオペラの巨匠でしたし、イタリアにもヴェルディやプッチーニなど、本格的な劇音楽を書いた巨匠が数多くいました。
ですから、所詮、そんな中で書いても取上げられないのでは----それは賢明です。
もともとブラームスはワーグナーに心酔していて、マイスタージンガーの初演の際、ブルックナーと共にパート譜の写譜を準備した人です。
このマイスタージンガーのヒール約であるベックメッサーがもともとハンスリックとなっていたことから、仲たがいになってしまったようです。
もっとも、ハンスリックもワーグナーの音楽の本質は認めていたようです。それは、ブルックナーの初期の交響曲を認めていたのと同じです。
ですが、このようなワーグナーの茶化し?があったため、仲たがいし、別の派閥を作らざるを得なかったようです。
ワーグナーも初期には、ベートーベンのような交響曲を1曲書いてます。ですが、自信の創作活動の生涯はオペラに捧げるという風に決めたようですね。
ワーグナーはオペラだけでなく、モーツァルトやベートーベンの交響曲にも適切な解釈を持っていました。
むしろハンスリックよりも古典をしっかりわかっていたのでしょう。
ブラームスは室内楽が素晴らしいと書きましたが、特にピアノを含む室内楽は見事です。逆に弦楽四重奏はパッとしない。
ホルントリオなんていうのもありますが(私も弾いたことがあります)傑作ですよね。当時ワーグナーの方で積極的に使用していたバルブホルン。
あらゆる音階が吹けるため、ワーグナーのような複雑な調性(無調?)音楽では大活躍です。
これに対抗して、ブラームスではわざわざナチュラルホルンでと指定しています。
なんか、意地になっているような気もします。そのため、調性も変ホ長調で始まると同主短調(つまり変ホ短調という♭が6つもついた調)に転調。
弾いているのは大変なんですが(ヴァイオリンは更に鳴らない調となり、音量的にかなわないホルンとピアノにますます隠れてしまう)曲は素晴らしい。
でもこれが交響曲となるとどうも流暢ではない。そもそも40過ぎてから書いたので、あまりに沢山のことを盛り込もうとしたんでしょうか?
40才といえばメンデルスゾーンは死んでたし、シューマンも晩年。もっと早くブラームスが交響曲を書いていたら、面白かったでしょう。
もちろん、作曲家の中には、ライバルだったブルックナーも40過ぎてから書いてたし、フランクに至っては60過ぎてから書いていた。
大器晩成と言われたベートーベンでさえ20代で書いていることを考えるとブラームスは大器晩晩成くらいでしょうか?

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IFE通信No.568 10/2/3発行(平日発行)
発行者:石川 聡
石川音楽工房(PC版)
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