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タイトル:石川ファミリーアンサンブル通信562  2010/01/26


今日も良い天気。でも寒いです。ですが、今日は朝隣の大和の駅まで早歩き。20分弱で1本前の電車に乗れました。体も温まり快調です。
最近、いろんな作曲家のピアノトリオを聴いてます。昨日はラベル。これまた名曲ですね。
3つの楽器が様々な音色を作り出す、色の見本のような面白さがあります。
ですが、私の好きなのは第3楽章。重々しい葬送行進曲のような曲。
ラベルはこの時期、ちょうど第一次世界大戦のさなかで、戦争の悪夢をこの楽章に描いたともいえます。
他の楽章が軽快、リズムに富んで華やかなのに対し、対照的です。
ラベルの室内楽は他にも傑作があります、初期の傑作は弦楽四重奏。この曲は以前友人と人前で弾いたことがあります。
ラベルを擁護し、ラベルの先生でもあったフォーレは最終楽章が気に入らなかったようですが、ドビュッシーは絶賛して絶対変えないようにと言ってます。
いつの時代でも優秀な生徒は先生を乗り越えていくものです。
その他ヴァイオリンソナタやヴァイオリンとチェロのための二重奏があります。ピアノトリオは中期の弦楽四重奏は初期の傑作と言われています。
ただ、この曲においても各楽器の使い方に相当苦労しているようですね。
面白い音色として、チェロの高音をピアノで弾かせるところがあります。普通はチェロの高音をなるべく朗々と、音がつぶれる寸前で弾くのがこの音域の魅力です。
ところが、第1楽章の第2主題の展覧会の絵とそっくりのモチーフをチェロの高音で優しくなでるように弾くのです。
最初何の楽器がひいているのかわからないようなとても魅力的な音です。こういう使い方もあるんですね。
第4楽章は半ばやけっぱちで、ピアノが90%以上の音を豪華絢爛に弾きまくります。ヴァイオリンとチェロはトリルばかり。
旋律線を楽しむのではなく、音色を楽しむと言う感じでしょうか。だからこそ深い精神性を持った第3楽章に魅かれます。
弦楽四重奏も第3楽章がすてきですね。しっとりした中に感情こまやかな表現と歌があります。フォーレを意識したような気がします。
がそれが現実の歌ではなく夢の中のような淡い歌です。印象派と言えばそれまでですが、そんな単純なジャンル分けに収まらない美しさがあります。
ピアノトリオを色々な意味で楽しめますし、作曲家の個性が出ますね。
でもピアノトリオとクインテットは曲数が多くて多くの作曲家が書いていますが、一番書くのが難しいんですね。
ピアノ四重奏の方が実は簡単です。ピアノ五重奏はセカンドヴァイオリンがどうしても余ってしまうので、楽器が多すぎるのです。
一方トリオはチェロの扱いが難しい。
ピアノ四重奏は、有名なのはモーツァルト、シューマン、フォーレあたりでしょうか。もちろん、ブラームスやメンデルスゾーン等も書いています。
当分はピアノ○重奏を聞いて勉強したいですね。

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IFE通信No.562 10/1/26発行(平日発行)
発行者:石川 聡
石川音楽工房(PC版)
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email:s-ishikawa@music.email.ne.jp

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