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タイトル:石川ファミリーアンサンブル通信560  2010/01/22


今日は良い天気。昨日ほど暖かくはありませんが、ものすごく寒いというわけでもありません。
こういう時にまた寒くなって体調を崩したりします。皆様どうぞご自愛の程を。
さて、今年も1月が後半に入り、あっというまです。洸貴のセンター試験も終わり、点数の方はどうなのかわかりませんが---
まあ、あまり期待はしていませんが(笑)、現役の時は何もかも未知数なので、不安でいっぱいでしょうが頑張ってねとしか親は言えないんですね。
昨日はピアノトリオを書くのが難しいという話題でした。最も楽器の数が増えればそれだけ難しくなるわけです。
ピアノのソロなんていうのは星の数ほどあります。それは書くのが比較的簡単だからです(だからといって傑作が簡単に書けるというわけではありませんが)。
これが、違う楽器の組合せとなると、楽器の性能が違いますし、楽器の性能上の得意不得意がありますからそれを生かして妥協点を見つける必要があります。
一番問題なのが、音程。ピアノは平均率のみ、弦楽器はあらゆる音階が弾けます。つまりここでのぶつかり合いが、結構弦楽器の人は弾いていて問題となるのです。
ヴァイオリンなんかは骨導音がもろに頭に入りますから、これとピアノの音がもろに頭でミキシング。
旋律楽器と和声楽器とのぶつかり合いです。ですが、和声楽器にはそのよさもある。
和音を沢山弾く、分散和音で旋律をかざる、そういうことは弦楽器では出来ません。
もちろん和音も4重音まではできますし、分散和音だって出来なくはないのですが、その間に独立して旋律を弾くことはできませんよね。
1本の弓を動かして弾いているわけで、弓の毛の動く方向もスピードもどの場所でも同じ。だから、ある部分の毛のみ動かないようになんてできませんよね。
4重音も、例えばG線とE線のみ弾いてD線とA線は弾かないなんていうことは弓の毛を張っている都合上無理です。
以前、シペリウスの交響曲第7番の最後の部分で、チェロに最低音のCとD線のDの音の重音があり、普通はこのDの音をG線で取り、隣のC線と重音にするのですが--
オケの仲間が、G線の高い音(音程はどうでもよい)を強く押さえてG線を下げ、C線とD線の重音をやっていた人がいます。
普通は音程を決めてその音を出すために弦を押さえるのですが、弦をへこませて音を出さないために弦を押さえるというのもあるのかとみんなで大笑い。
もちろん本番でも実践。この方が開放弦の重音なので迫力ある音となりもちろんgoodなのです。
こういう奏法はイレギュラーなのですが、基本的に弦楽器や管楽器は旋律楽器です。その特色ある音色で歌わせるのが最も効果的です。
ピアノトリオでヴァイオリンが無伴奏ヴァイオリン曲のように重音で旋律を弾いても効果は今一ですよね。ピアノがその何倍も補えるわけですから。
チェロは高音が魅力となると余計にヴァイオリンの立場が難しいんですね。
高音楽器、低音楽器、和声楽器と3つ揃っているので音域や旋律をどの場所でも表現できるなど非常に便利な編成ですが、意外と難しいんですね。
今度、暇になったら書くことに挑戦してみようかと思います。

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IFE通信No.560 10/1/22発行(平日発行)
発行者:石川 聡
石川音楽工房(PC版)
http://www.ne.jp/asahi/ishikawa/music/
email:s-ishikawa@music.email.ne.jp石川ファミリーアンサンブル通信560

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