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タイトル:石川ファミリーアンサンブル通信537  2009/12/15


今日もすっきりしない天気。雲が多いですが、かなり寒く感じます。
昨夜、反省会?サロンコンサートでの演奏のビデオ編集です。
本番を聞いてみて?えっ?中々良い?思っていたほど悪くなかった?
メンデルスゾーンはそれなりに良かったですね。内省的な曲なので派手さは全くないのですが、聞くととてもバッハっぽい。
ショスタコーヴィッチは?もちろん、音がはずれているのが何ヶ所かありますが、3度の重音での下がりなんか、きれいにはまっている。
しかし、速い!最初からCDのテンポ。プロの演奏と同じに出来るわけないのにね。
でも、その分集中。中々の迫力。お客さん聞いていてびっくりしたんじゃないでしょうか?ヴィオラってこんな楽器なのと思うでしょう。
いつもはセコバイ(Vn 2)といっしょに刻みやったりで和声の充填役やったり、シンコペやらされたりと、目立たないのですが。
そういううっぷんを晴らす感じでしょうかね?
ヴィオラという楽器、中音が魅力ですが、低い弦はチェロほど迫力ないし、深みもない。高い音はヒステリックでヴァイオリンのように響かない。
そう、楽器としては音域に比べて小さく作られた無理した楽器なんです。アパートに無理して親子4人で暮している、そんな感じ。
つまり、人間の生き様そのものの気がします。
ショスタコーヴィッチが弦楽四重奏第13番は、ベートーベンSQのヴィオラ奏者ボリソフスキー(ヴィオラソナタを献呈されたドルジーニンの師匠)に献呈した曲です。
この曲はヴィオラが活躍、ヴィオラ対弦3部との対話という感じです。そこには、ヴィオラの様々な表情があります。
ヴィオラがかっこいいソロを弾いて華々しく活躍?そんな所はどこにもありません。
クソ力を発揮して必死に頑張る姿、精一杯に振る舞うユーモア、不器用な生き方で遠回りする人、私たちの日常を描いているようです。
朝、汗水垂らして満員電車に乗り、安いサラリーで働いて必死に家族を守っているそんな周りのお父さん方なんですね。
それがもっと透明な形、ショスタコーヴィッチの自叙伝的な楽章に結晶したのがこの第2楽章。聞けば聞くほど好きになれます。
絵里子も中々の迫力、好きな曲は夢中になって弾く、これが一番良い演奏になるんでしょうね。
再現される場所でピアノが頭を強烈にたたく部分がありますが、あれが決まって良かったとご満悦な絵里子。
私の方は、また音を確かめて丁寧にさらいだしました。ビデオを見ると何が悪いか一目瞭然。次の参考になりますね。
チャリコンも来週。今度はもっと良い演奏をしたいですね。
ヴィオラという楽器、それは愛すべき楽器なんです。もっとオリジナルな名曲があればとも思いますが。
自身で書くしかないんですかねぇ。
メンデルスゾーンもハ短調のヴィオラソナタを書いています。これもいつか弾いてみたいですね。

それではまたよろしくお願いします。
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IFE通信No.537 09/12/15発行(平日発行)
発行者:石川 聡
石川音楽工房(PC版)
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email:s-ishikawa@music.email.ne.jp

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