メルマガ:異性を愛するということ
タイトル:異性を愛するということ 06/05/15  2006/05/15


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   異性を愛するということ  その3
                    発行//岡田 佐奈
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⊂⊂⊂ 結婚すると、「恋愛」は「愛」に変わるのか ⊃⊃⊃


こんにちは。 岡田 佐奈(ペンネーム)です。

私は、ある事情で3年前に大学で教える職を辞しました。
それから2年間、鬱々とした日々を過ごしてまいりましたが、
今では元気を取り戻し、明るい未来に向かって歩んでいます。

当時は夫や子どもたちにも大変迷惑をかけました。
子どもの問題行動にも気がつかなくて悪いことをしました。

今、元気な私があるのは、私の家族のおかげだということを踏まえ、
私の専門分野であることをわかりやすくメルマガで伝えていこうと思います。

若い世代の方から、人の親となった世代の方まで、
幅広い層の方に愛読していただける読み物だと思っております。

読者の方から、恋人と別れた直後にたまたま読んですっきりした、
というご感想をいただきました(笑)
前向きな姿勢、ご立派ですね。
どうぞ、今後も、たくさん恋愛をなさってくださいね。
その中から、真実の「愛」を見つけることができると思いますよ。


皆様、末永く、ご購読のほど、よろしくお願いいたします。


⊂⊂⊂ 結婚すると、「恋愛」は「愛」に変わるのか ⊃⊃⊃

すでに、「恋愛にはかならず終わりがくる」ということはお話ししました。
それでは、恋愛と結婚とはどう結び付くのかという疑問を感じることでしょう。

恋愛の帰結の一つの形が結婚ということができます。
もちろん、多くの恋愛は結婚にまで結び付かないうちに終わりを迎えることになります。

幸いにもというか、お互いに恋愛の最中に結婚生活に入ることができたとします。
しかし、「恋」とは遅かれ早かれ醒めるものです。
しかも、一緒に生活するということは、生身の相手がお互いによく見えることです。
恋愛とは、相手に自分の理想の異性のイメージを投影して、そこに幻想の世界を
つくりだすことでもあります。

ところが、二人の間で現実の生活がはじまり、つねに生身の相手を間近にしていれば、
その幻想の世界からは、早く醒めざるをえません。
だから結婚生活に入ることによって、二人の恋愛関係は早く醒めてしまうことになるとは
いえるでしょう。

ですから、恋愛関係の帰結として、かならずしも結婚が最善な形ともいえないのです。
もし、恋愛関係をできるだけ長く続けたいと思ったら、かえって結婚せずに、
お互い別々の生活をしながら、時折会うといった形での付き合いをしていたほうが、
結婚生活よりも適しているのです。

それでも恋愛の最中には、つねに相手のことを考えざるをえません。
お互いに離れていれば、すぐにまた会いたいと思います。
つねに相手と一緒にいられたら、どんなに幸せだろうと思うものです。
ですから、恋愛の幸福な形での帰結は、結婚ということになるのです。
もし、結婚に結び付かないとしたら、いくら恋愛関係を長く続けられたところで、
いずれは別れが待っているということになります。

恋愛関係の幸福な帰結であるはずの、結婚生活であっても、今述べたように、
一緒に暮らすことによって、恋愛感情は醒めていくのです。

それでは、恋愛感情が醒めてしまった後、結婚した二人の関係はどうなるのでしょうか。
恋愛からは醒めてしまったとはいえ、一度は夢中になった相手です。
まったく嫌いになってしまう場合もあるでしょうが、むしろ好きだったという情は
ひきずっています。そこから、相手を意識的に愛そうという感情も出てくるのです。

恋愛期間は無意識が支配しているのですが、結婚してからは、意識が大きく左右する
といえます。また、一緒に暮らすことによって育まれる、お互いを大切にしよう、といった
感情も大きいものです。

ですから、恋愛から結婚に至って、二人で暮らす、あるいは子どもができて家族といった
形をなしていくようになると、当然二人の愛情も変化していきます。
残念ながら、かつてのような激しい恋愛感情はもはや取り戻せませんが、
また別の愛情を育んでいくことはできるのです。


チェーホフの原作を映画化し、マルチェロ・マストロヤンニが主演した「黒い瞳」という
小品がありました。

マルチェロ・マストロヤンニ演じる主人公は、銀行の跡取り娘である、金持ちの女性と
結婚し、若い頃の建築家を目指した志も忘れ、今は初老期を迎え、自堕落な生活を
送っています。
かっては、激しい恋愛の末に結ばれた二人であっても、長年一緒に暮らしていく中で、
お互いの愛情はすっかり醒めてしまったような夫婦関係です。

この主人公が、たまたま療養のために行った温泉療養所で、ロシア人の小犬を連れた
女性と出会い、彼女を愛してしまい、遠くロシアまで追いかけていくことになります。
ところが彼女は結婚していて、その相手は地元の有力者で、彼女は夫の権力を象徴する
美しい飾り物で、まるで人形のような生活を送っています。
彼女はそうした生活に飽き足らずに、たまたま休暇を過ごしに行った所で主人公を、
一夜の愛と知りながらも、愛してしまったのです。

彼女はこの思い出を抱いて、再び現実の生活へ戻っていたのです。
そんなときに、彼が遠く彼女を追い求めてやってきたのです。
最初、彼女は彼の求愛を拒絶するのですが、彼を愛している彼女は、彼の情熱に
動かされて、二人で駆け落ちの約束をします。
その約束をして、彼は離婚するためにいったんイタリアに帰ります。

ところが、彼が戻ったときには、家業の銀行が破産して、妻は絶望の淵に立たされ
います。そんな妻の姿を目の当たりにして、彼は離婚を言い出せなくなってしまいます。
結局、彼は彼女との駆け落ちの約束をすっぽかしてしまいます。
彼は恋を諦めて、妻に対する愛に生きることを選択したわけです。

このことは、いくら現実の生活の中で、もはや「恋心」は醒めてしまっていても、長年の
生活の中で築いてきた、愛情がとても強いことをあらわしているとも解釈できます。
この妻に対する彼の愛は、かなり意識的なものです。

この映画「黒い瞳」では、主人公の妻に対する感情と、ロシア女性に対する感情から、
愛と恋の違いを知る一つの例になるのではないでしょうか。


次回は、現実の恋愛結婚はの多くは打算で成り立っている、ということについて、
お話したいと思います。


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メルマガ名称:異性を愛するということ
岡田 佐奈 が発行しております。 saanayy@yahoo.co.jp             ⊂⊂⊂⊂⊂⊂⊂⊂⊂⊂⊂⊂⊂⊂⊃⊃⊃⊃⊃⊃⊃⊃⊃⊃⊃⊃⊃⊃

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