メルマガ:解決!マンショントラブル駆け込み寺
タイトル:解決!マンショントラブル駆け込み寺  2008/07/12


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======解決!マンショントラブル駆け込み寺==========

−−−−−−−−−−−−−−−−−第202号(2008年7月12日号)
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●覚えていますか?(バックナンバーより)

総会の時、議長の議決権はどのように扱うのですか?

詳細はこちら。
http://plaza.rakuten.co.jp/berumonndo/diary/200706110000/ 
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 特別コラム 
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今回は、特別コラムです。

先日、大阪地方裁判所で眺望権などをめぐる判決が出ました。
私自身の感想をお伝え致します。

まず、おおまかな内容です。

大阪難波駅付近の再開発に伴い、超高層マンションが販売された。

パンフレットには
「朝日を浴びる東面、生駒山を間近に望む眺望。上層階の東方向を望む
住戸からは、生駒山を背景に上町台地を望む眺望をお楽しみいただけます。
朝日がやさしく差し込む窓辺は、早起きしたくなる朝の眺めが自慢です」
と書かれていた。

その後、近接する敷地にさらに高い超高層マンションが建設されたため、
眺望権を侵害されたと考えた原告(高層階を購入した住民5名)は、
「(上記のような)勧誘文句に魅かれて低層階より割高な上層階住戸を
購入したものの、購入時には説明はなく、近接地に超高層マンションが
建てられることがわかっていれば購入しなかった」
と主張し裁判で争うことになった。

売買時の契約に伴う重要事項説明書には、
「将来本マンション隣接地および周辺に都市計画法、建築基準法等法律
および湊町再開発築計画等の許容する範囲内の中高層建築物が建設
される場合があること、特に本マンション南側道路をはさんだ近接地
および東側近接地は開発予定であり、本マンションの眺望、日照条件、
交通量等に変化が生じる場合があること等、周辺環境を充分調査確認のうえ
この契約を締結し、以後この環境について売主および関係者に対し何ら
異議を申し立てないこと」
と書かれており、原告も署名、捺印していた。

その他のポイント等
本件マンションは大都市大阪の中心部にある。
都市計画法上の商業地域にあたり、建築基準法上の日影規制もない。
眺望権は日照権よりもはるかに弱いとされている。

裁判所は、眺望権そのものよりも、不動産の売買における重要事項説明に
重点を置いて判断をした。(原告の訴えは、まったく認められなかった。)


これらを前提条件として、印象と感想を申し上げます。

原告は、パンフレットの宣伝文句を信じて、割高な高層階を購入し、
その後、近隣にさらに高いマンションができてしまい、期待していた眺め
を失っています。

しかし、不動産売買において、大きな役割を果たす重要事項説明書には、
将来的にその眺めが継続するとは限らず、眺めが悪くなっても、文句は
言わない、という内容が含まれています。

そして、裁判所は、パンフレットよりも重要事項説明書の方がずっと重い
ものだから、そちらが優先する、と判断したわけです。
(乱暴なまとめ方です。全部を鵜呑みにはしないで下さい。)


法律を中心に厳密に判断すれば、裁判所の考え方が正しいようにも思えます。
一方、原告からすれば、売る時にはパンフレットで都合の良いことばかり
宣伝しておいて、契約上は問題がない、などと言われて納得できるはずが
ない、と考えるのも無理はありません。

私にできることは、2つです。

読者の皆さんに注意を呼びかけること。
法律の問題点を提起すること。

皆さんにご注意頂きたいのは、パンフレットや販売担当者の言葉は、
法的な価値が非常に低いから信じてはいけない、ということです。
そして、確認すべきは、重要事項説明書や売買契約書です。
つまり、契約の前に、法的根拠の確認が重要であり、時には法律や不動産
売買に精通した人に助言を求めることも必要である、ということです。

法律の問題点としては、裁判においてパンフレットの価値が低いのに、
鮮やかなチラシに、都合の良いことを大きく書くことが許され、都合の
悪いことを書く義務が課せられていないことが挙げられます。
今回の場合、パンフレットに「眺望が楽しめる」と書かれ、「将来的にも
確実とは限らない」とは書かれていないことが問題だと思います。

もっと言えば、「数年後には、近隣に超高層マンションの建設予定がある」
と、パンフレットに、(都合の良い他の宣伝文句と同じ大きさの文字で)
書かれていれば、問題にはならなかったと思うのです。
正確に事情を理解し、納得していれば訴訟にはならないのです。

そして、法律にそのような規定があれば、予防効果が期待できるはずです。

様々な偽装が社会問題になっています。
今回のケースは、「パンフレットの説明に偽装があった」とも言える
のではないか、と感じています。

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【編集後記】

夜、打ち合わせを終え外に出ると、お客様のマンションでは多くの部屋に
灯りがついています。

「夕食を家族みんなで楽しんでいるのかな」などと想像します。

この裁判の原告の皆さんにも、楽しい時間が戻ってくることを願っています。

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●区分所有法へのコメント
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【ひとり言】

長男が頭痛を訴えて学校を休みました。
前日、体育の時間に、頭をぶつけていたので、脳外科で検査をしました。

さいわい、直接的な関連性はないようです。
午後には、すっかり元気になり、早速、騒いでおりました。

何のために検査をしたのか? と思いつつも、元気でいてくれることに
感謝しています。

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☆今回も最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。☆

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発行者−−−− マンション管理士 ベルモンドJFK
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