メルマガ:toxandoriaの日記
タイトル:米マヌーバーと日本会議(安倍)、二大権力の犬に甘んじるマスメディア・・・(3/n)  2015/09/04


■米マヌーバーと日本会議(安倍)、二大権力の犬に甘んじるマスメディア/玉
音放送(敗戦)を正しく評価できる『正統保守』と、できない『偽装極右』(重
篤“文化記憶”障害)の峻別が今こそ肝要!(3/n)

<注>お手数ですが、当記事の画像は下記URLで御覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20150901 

2「玉音放送」の意義のふり返り/旧「国体」の護持にこだわるポツダム宣言の
受諾遅れが、東京大空襲(1944〜45)、沖縄戦に続く広島・長崎原爆投下の悲劇
に繋がったが・・・

2−1『玉音放送』前後のエポック

(194411〜194508 東京空襲/東京大空襲:10450310、死者8万人超、負傷者5
万人超、罹災者100万人超)

19450326     沖縄戦(死者12万人超・・・沖縄住民の約1/3に当たる)

〜19450623

19450726     ポツダム宣言(勧告)

19450806     午前8時15分 広島、原爆投下(9万〜16万6千人が被爆から2〜
4ヶ月以内に死亡)

19450808     ソ連、対日宣戦布告

19450809     午前11時02分 長崎、原爆投下(約7万4千人が死没)

19450814     ポツダム宣言受諾

19450814深夜

〜19450815未明  『宮城事件(クーデタ未遂)』・・・『玉音盤』の奪取を謀っ
た陸軍(現在の #日本会議 (安倍政権の寄主宿主)に浸透する“生長の家”過
激派らが中心勢力/敗戦を受け入れる天皇の首のすげ替えを主張する者もいた)
の一派、陸軍省幕僚と近衛師団参謀が決起。同じ“生長の家”穏健派の、陸軍首
脳部及び東部軍管区(田中静壱司令官/熱烈な“生長の家”穏健派?)の説得で
失敗に終わり、一派は自殺もしくは逮捕された。 
⇒ Cf. http://goo.gl/Kt4Plm  、 http://goo.gl/KXZXWz

19450815正午〜  『玉音放送』・・・天皇、戦争終結詔書の放送(日本放送協
会ラジオ)

19450902      降伏文書調印


(関連情報)

◆玉音放送の口語訳全文と音声【終戦の日】 - NAVER まとめ 、http://goo.gl/Rcng2
・・・1945(S20)0815正午、昭和天皇が自ら「大東亜戦争終結ノ詔書」を朗読
するレコード録音のラジオ放送で、ポツダム宣言(敗戦)の受け入れが国民に対
し明らかにされた。

◆(参考資料)竹山昭子著『玉音放送』―晩声社― http://goo.gl/Psprdw 

2−1 『玉音放送』の意義/皇国史観の洗脳を解き、立憲主義・象徴天皇・国
民主権・平和主義の『日本国憲法』、いわば“大失敗の敗戦経験も含めて未来へ
繋ぐ多義的メタファー記憶”が理解できる『正統保守』的な価値観誕生の瞬間

まるで中国語のように聞こえ(正格漢文調の読み下しであるため)天皇が何を話
しているか分からない『玉音放送』で国民が敗戦を受け入れた(愛国玉砕、愛国
本土決戦の洗脳が解けた)のは、天皇が国民を如何なる理屈で説得したか(詔書
内容)ではなく、天皇のナマの声がラジオで放送されたというリアリティ感が生
まれたからだ。ラジオの仲介とはいえ一般国民が天皇のナマの声を聴くのは日本
の歴史上で初めてだった!だから、これで漸く日本国民が“天皇は神サマ(国家
宗教的・政治的禁忌の対象)ではなく一般国民と同じ人間だと理解した”ことに
なった。

つまり、戦前・戦中期のカルト憑りの超然「権力」は、愚かにも“只これしきの
こと”(天皇は人間であり、先制攻撃主義(Peace through war)は国際平和に
繋がらぬこと)を「侵略戦争」という地獄の現実で実証するため、内外で約2400
万人の戦死者(日本人の戦死者は310万人/軍・民間合計)をもたらした。つま
り、それは真に悲劇的な“パラドクス実験”であった。“先制攻撃主義は、必ず
戦線を拡大させ、戦死・戦傷者が死屍累々という生き地獄の世界が出現するだけ
で平和拡大には繋がらぬこと”を証明する羽目となった訳だ。

竹山昭子著『玉音放送』を参照しつつ、“日本国民の全てが玉砕型愛国主義者と
化す“カルト狂気の戦争美学の洗脳”に嵌ったまま国家滅亡の瀬戸際へギリギリ
追い込まれた悲劇の極限”で、それこそ一命を賭け『玉音放送』の準備に奔走し
た、主な人々のプロフィールを以下に列挙する。

●鈴木貫太郎・内閣総理大臣(第42代)/二・二六事件で襲撃されるが一命を取
り留めた。終戦時でも約500万人の兵力を擁した陸軍の強い反対を押し切り太平
洋戦争を終戦に導いた。海軍次官、連合艦隊司令長官、海軍軍令部長、侍従長な
どを歴任。

●下村 宏/朝日新聞社で専務・副社長・日本放送協会(現NHK)会長を歴任し、
内閣情報局総裁となりポツダム宣言受諾の実現に尽力。歌人でもあり号は海南。

●久富達夫/内閣情報局次長/東京日日新聞(現毎日新聞)政治部長、内閣情報局
次長兼大政翼賛会宣伝部長、日本出版会会長などを歴任。玉音放送を進言した。

●川本信正/読売新聞・スポーツ担当の運動部記者のあと、鈴木貫太郎内閣で下
村宏内閣情報局総裁秘書官。

●石渡荘太郎/終戦時の宮内省大臣。税務・経済のスペシャリスト。『玉音放
送』実施の時に天皇の強い意志を受け宮廷グループの中心となった。

●蓮沼 蕃/陸軍軍人で最終階級は陸軍大将。最後の侍従武官長。同じく『玉音放送』実施の時に宮廷グループの中心。

●迫水久常/大蔵官僚だが、終戦時には内閣書記官長で『玉音放送』を起草した
人物の一人。起草段階では川田端穂(漢学者)、安岡正篤(思想家、陽明学者)
らの協力を得たとされるが諸論ある。

これらの人々は、様々な立場で戦争の積極推進にも携わってきたという意味で功
罪相半ばする。しかし、本土空襲、沖縄戦、広島・長崎原爆投下、ポツダム宣言
という「過酷な歴史上のトポス」で新たな未生への希望が辛うじて彼らの中から
創造された」ことも事実だ。従って、“『玉音放送』は、9条(日本国憲法)の
母胎となった平和主義についての深い理解を準備した”と見ることができる。

過酷な失敗の歴史経験からも謙虚に学ぶべき意義があることの気づき、という意
味で、それは、戦後日本が「新たな正統保守の地平」へ向かう決断であった。こ
の点が #日本会議 や安倍晋三ら、ひたすら天空を漂い「追憶のカルト」の正体
を隠蔽する偽装極右と決定的に異なる!つまり、そもそも「正統保守」には「失
敗の歴史経験それ自体をも保守する」(深く記憶に止め、その反省を行動で持続
的に示し後世へ伝える)という意味があるのだ。 

その歴史的な発想転換(敗戦の受諾=カルト憑る皇国史観の洗脳が解けた瞬
間!)が意味するのは、昭和天皇の真摯な反省に基づく言明が、事実上、“人間
天皇、象徴天皇制、立憲主義”を受け入れる準備でもある“軍国主義→平和主義”
のレジーム転換であった。換言すれば、それは新たな国制(Constitution)への
方向転換を予告(宣言)する「輝ける結晶」(民主制の価値の気づき)であり、
又それは平和憲法の核心となる立憲主義・国民主権・平和主義を、新生日本が受
け入れる条件が整ったということであった。

ところで、太平洋戦争の開戦時から終戦時に至るまで政府広報(大本営発表)に
深く関わり、大きく貢献したのがNHKラジオと新聞を主体とするマスメディアで
あった。また、戦時中〜終戦期までのニュース配信は、海外宣伝を重視する政府
が二大通信社(新聞聯合社、日本電報通信社)を合併させてできた同盟通信社が
担った。やがて終戦時には下村 宏らメディア界の中枢にいた優秀な人材が内閣
情報局のトップとして重責を果たした。

ともかくも、ここで観察されるのは、今も飽きずにw続く「安倍サマ主催、マス
コミ・トップらとの御食事会(鮨パーティなど)」なる手品も、かくの如く戦前
〜戦中〜終戦期における主要マスメディアを使った「国民洗脳」(良きにせよ悪
しきにせよ!)の有意性を熟知する #日本会議 が仕掛けた節がある。例えば、「安保法案が衆院委員会で可決された7.15当日夜には、早速、主要メディア関係
者らが招かれ「安保法案可決後のネクスト戦略」について「安倍総理を囲む会食
名目の打ち合わせ」がシッカリ行われていた(参照⇒ https://goo.gl/XWoiEh )。

因みに、「日本会議」の会長に日本を代表するジャーナリストの一人、田久保忠
衛氏が新たに就任(015.04〜)したのは、日本会議の「主要メディアへの容喙と
統制強化の意思」が尋常ならざるものであることの現れである(法曹・司法界へ
睨みを利かす三好 達氏(元最高裁判所長官 第3代会長)は名誉会長へ昇格し
た)。(参照 ⇒ https://goo.gl/KiRHXb )

(関連情報)

◆半藤一利・原作ノンフィクション、映画『日本のいちばん長い日』(全国ロー
ドショー上映中)/日本のいちばん長い日、「昔陸軍、いま安倍政権」20150814BLOGOS田中龍作、http://blogos.com/article/128284/ ・・・映画公式
HP、http://nihon-ichi.jp/ http://nihon-ichi.jp/ 

2−2 「『国際連合』成立の契機となった日本軍国主義」と「“人間の真理”
に関わる多義記憶(正統保守の歴史観)の重要性」に無知・無頓着な安倍「安保
法」の違憲性/故に、それは必然的に「国連が抱える集団安全保障の矛盾」回避
の「特別協定」の弱点を悪用する違憲クーデターと化す

<注>「“人間の真理”に関わる多義記憶(正統保守の歴史観)の役割」につい
ては「第4章:・・・カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』(早川書房)のメタファー」で詳述。

そもそも、<カルト憑る「カミカゼ日本軍国主義(Kamikaze Proactive Contribution to Peace=Peace through war)のジレンマ=欧米植民地支配から
のアジア解放を謳う先制攻撃による侵略戦争」が、実は『国際連合』の誕生(19450626)に大きな影響を与えた>こと、そして<この種の異常なファシズム
暴走への対抗策として『国際連合』が集団的自衛権(1945署名・発効の国連憲章
・第51条で初めて明文化された加盟国の権利)という深刻なジレンマを抱え込ん
だ>という歴史があることを理解すべきだ。

そもそも、平和を研究するノルウェーの社会学者ヨハン・ガルトウング博士によれば、安倍政権の積極平和主義(Proactive Contribution to Peace)と、ガルトウ
ング博士の積極平和主義(Positive Peace/貧困・差別などの構造的暴力がない
状態/20150826朝日http://goo.gl/4dll5i )は全く異なる概念である(関連で
『プロローグ‐(1)、3‐(1)』も併せて参照乞う)。

そして、国際平和への国連アプローチは、平和主義(国際紛争の平和的解決)、
軍備規制、集団安保の3つだが、日本は9条・平和憲法を持つので「特別協定」
(軍事参加は留保する!)を19561218に結び80か国目の加盟国となった。また、
先に見たとおり、「太平洋戦争」終結の前提である「ポツダム宣言」(敗戦勧
告)を受け入れた(19450814)日本では、それに先立つ『玉音放送』(19450815、
正午〜)が、やがて成文化する『日本国憲法』(19461103公布)を国民が受け入
れる空気を創ったと理解すべきである。

従って、米国が押し付けた云々の形式論(特に、この形式論を根拠とする安倍自
民党の改憲案は堂々と“国民主権の削除”を謳うという異常ぶりを見せつけている!)はナンセンスである(参照情報:河辺一郎論文『日本の国連外交―その実
態と矛盾』―雑誌・日本の科学者201508号―/但し、『玉音放送』の意義の解釈
はtoxandoriaの独断!w)。

このように見れば、<主に日本軍国主義などファシズムへの対処策のプロセスで
国連が抱え込んだ集団安保>のジレンマを解消する役割も分担(むしろ、先導!)
したと見るべき『日本国憲法』(9条型の平和憲法)が、「異常なカルト・ファ
シズム軍国主義が引き起こした太平洋戦争」の十分な反省(全国民玉砕の危機に
まで追い込まれた日本が、ギリギリの過酷な局面で漸く理解し得た知性主義のト
ポスから生まれた精華!)に立脚しているのは明らかだ。

従って、安倍政権が成立を焦る「先制攻撃も辞さぬ戦争法(集団安保法)/Kamikaze Proactive Contribution to Peace(戦前型軍国主義)への復帰」は明
らかに憲法違反クーデターであり、本来あるべき『国連での役割』をも根底から
ネジ曲げる悪法だ。

つまり、国連憲章を凌駕する“9条・平和憲法”(専守自衛権は持つ!)の国で
ある日本が、一方で「日米安保(集団)条約」に基づく先制軍事力行使(Proactivism=Proactive Contribution to Peace)は国連が認める、というカ
メレオン的な屁理屈を弄するのは、敢えてわざと「国連が抱える弱点」を悪用し
つつ憲法も踏みにじる「凶暴クーデター」であり、日本軍国主義と国連の歴史を
思えば、まるで凶悪殺人犯・安倍晋三が正義漢面の警察官役を申し出るが如き禍々(まがまが)しさだ。

しかも、その米国の軍事行動は、イラク戦争等の実績が見せつけてきたとおり、
明らかに暴走している(端から、“Peace through war”マヌーバーで国連の期
待を裏切っている)ので、もし今回の「戦争法(集団安保法)」が成立すれば、
日本も米国と一緒に国連を堂々と裏切ることが可能となる。そればかりか、この
戦争法(集団安保法)によって更に危機的な戦争拡大のドロ沼へ世界が嵌り込む
恐れがある。

それは、 #日本会議 (と日本会議の代理人たる安倍政権)が、内心では『玉
音放送』が総括(深く反省)して捨てたはずの「神国日本」を狂信しているから
だ。つまり、彼らは、<日本は世界一優れたヤマト民族の国なので、全国民が何
時でも玉砕戦(愛国このみいくさ)で結束できるし、この万世一系の現人神天皇
を奉るカミの国の強大な軍事力こそが全世界を救済することができる>と狂信し
ている。

いわば、それはオウム系orセカイ系決断主義(『進撃の巨人』型)の世界最終戦
争でアジアのみならず全人類を救済するというカルト狂信だ。無論、米国マヌー
バーはそれを百も承知のうえ、その殆どキ印同然の #日本会議 の「IS顔負け
好戦エネルギー」を上手く使いこなそうと危ない橋を渡っている。

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