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タイトル:[民主主義の危機]《西松=民主・小沢事件》の周縁情報(現代日本に根付く中世的政治環境の弊害)  2009/03/15


[民主主義の危機]《西松=民主・小沢事件》の周縁情報(現代日本に根付く中世的政治環境の弊害)


<注記>お手数ですが、当記事の画像は下記URLでご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090315


【画像1】調和する二つの階級(ブオン・コンシーリョ城にある15世紀イタリアのフレスコ画/Castello del Buonconsiglio、Trento、Italy)
[f:id:toxandoria:20090315071011j:image]・・・画像は、ロバート・バートレット著、樺山紘一監訳『ヨーロッパ中世文化誌百科(上)』(原書房)、p142より


● この絵では、例えば森のキノコは異様な大きさで、鋤車を引く牛たちは異常に小さく描かれており、畑で農作業をする農民の女性(農婦)たちは何故か艶やかな宮廷婦人のいでたちをしています。それだけではなく、遠近と前後の関係も不思議な感覚(秩序関係)で描かれています。ルネサンス以降に発達した線遠近法からすれば、そして現代市民社会に生きる我われの目からすれば、この絵の描き方は支離滅裂に見えるはずなのですが・・・。


●しかし、当時のこの絵のスポンサーであった人々(世襲の王侯貴族・高位聖職者、およびその家臣ら)の意識にとって、このような「リアリズム(現実の風景)」こそが “彼らとは身分が異なる下層の人々が住まう自然と社会の実像”(=領域・住民・法制度から成る自治社会、コムーネのリアルなイメージ)であったようです。


● 小泉→安部→福田→麻生と、『事実上の世襲政治劇場』が飽きることもなく連綿と演じられる現代日本においても、彼ら(小泉・安部・福田・麻生ら)のような “世襲政治家の中世的な視覚と意識”を強固に支え続けるためにこそ<官僚組織・御用メディア・御用学会・御用経済界>が存在するのかも知れません。


●そして、この官僚組織の中枢で特に重要な役割を伝統的に担うのが「サイクロ/内閣情報調査室」(CICRO/詳細後述)と「検察」であるようです(<注>検察は司法ではなく独任制の行政官庁で、検察官はれっきとした官僚)。


【画像2】トレントの風景
[f:id:toxandoria:20090315071010j:image]・・・画像はウイキペディアより


●イタリア最北東部に位置するトレンティーノ地方(州都Trento)は、文化・習慣的にはイタリアですが 第一次世界大戦まではオーストリア領であったため、口語はドイツ語という複雑な事情をもっています。


【画像3】ブオンコンシーリョ城(Castello del Buonconsiglio)・・・画像はhttp://castelli.qviaggi.it/italia/trentino-alto-adige/castello-del-buonconsiglio/より
[f:id:toxandoria:20090315071012j:image]


● トレントは東ゴート王国、ロンゴバルド王国、フランク王国、そして最後に神聖ローマ帝国の一部となり、1027年に神聖ローマ皇帝コンラート2世が聖俗両権を支配するトレント司教大公座を創設します。Castello del Buonconsiglioは、このトレント司教大公時代の居城として建てられました(13〜17世紀に創建・改造・改築)。


〈周縁情報1〉


Le Nouvel Observateur (2009.3.12-18、2314号)掲載のOzawa dans le piege (罠にはまった小沢) /「ブログPAGES D'ECRITURE」(http://ameblo.jp/cm23671881/entry-10223952613.htmlより転載)


[Ozawa dans le piege / 不正な資金の不吉な事件は、半世紀以来初めて、国政選挙で野党が勝利することを妨げるだろうか?]


「権力の濫用、民主主義に対する脅威だ」… 民主党代表、中道で野党の党首、小沢一郎は挑戦的という評判に違わなかった。日本の政治の弱まった世界で、このどっしりして強力な雄弁家は、言葉を剣のように扱いながらも何かしっくりしない。しかし今回、日本のジャーナリストが呼んだように「破壊者」は、もはや告発者ではない。告発された居心地に悪い立場にいる。


なぜなら小沢の秘書の尋問と勾留以来、民主党は不法な資金源を利用していたという疑いをかけられているからである。公共事業の企業、西松は政党資金に関する法律違反しながら、民主党に17万ユーロ近くの金を支払っていたとされる。同社の二人の経営者によると、引き換えにこの会社は、小沢の勢力圏である東北地方での「契約の恩恵を受け」たに違いないとされる。


日刊紙『毎日』が書くように、小沢にとって「危機的な時」である。 1955年以来初めて、保守的な「自由民主」党によって政権に事実上行使されてきた独占を破壊する手段を野党が持っている。昨年9月の就任以来、現首相の麻生太郎は、衰弱している。党の右翼出身の麻生は言葉と政策の大失敗を繰り返してきた。しかし、麻生にとって最も重大なことは、日本経済が、1973年の第一次石油危機の景気後退と同じくらい苦しく、さらにはより深い危機に打ちのめされたのが彼の任期の間だということである。


2007年、民主党は参議院を制覇して最初の勝利を得た。以来、小沢は、法案を阻止して弱体化した政権を絶えず揺さぶり続けている。自身がジミン党出身で、15年前に野党に入った、思慮深い小沢は、自分が過去にいた組織の破壊を完成するのに好都合な時期が来ていることを理解した。


しかし日本では、選挙運動はほとんどが重要な論争ではなく、多くの下劣な言動によってなされる。自らの計画に関して警戒するよりも、候補者は互いにバナナの皮を忍び込ませながら罵り合う。20年前から、殊更に不透明な政党の資金の問題は、ジミントー内の競合する候補者間を含めて、死体を掘り返して腐敗の告発を始めるための、無限の可能性を提供している。


小沢に罪はあるのだろうか?事件に関する複数の見方は今もなお論争中である。なぜ検察はこれほどまでに迅速に、これほどまでに乱暴に行動したのか?検察が政治家の秘書を勾留することは、極めて稀なのか?…この種の事件に関して。さらに、明らかな事実と情報操作を混ぜ合わせて、「匿名の情報源」のマスコミへの漏出が増えている。結局、建築会社と民主党の間の取引を隠すのに役立ったはずの政治団体は&#65381;&#65381;&#65381;ジミントーに結び付いている。ところが検察はジミントーを調べることもなく、この党につながる道筋を再び閉ざしてしまった。


伝統的に、日本において7月は台風と選挙の月である。今年の夏は少なくとも政治的には灼熱となると予想されている。汚い手が始まった。民主党に対する告発が有権者に与える効果はどのようなものになるだろうか?投票所では、保守に対する世論の離反よりも、重きをなすことになるだろうか?ジミントーとその内閣を救うところまで行くのだろうか?日本は政治的運命をこれらの問題に賭ける。


BRUNO BIROLLI  Le Nouvel Observateur 2314 12-18 MARS 2009
http://hebdo.nouvelobs.com/hebdo/parution/p2314/articles/a396284-.html


・・PAGES D'ECRITUREのコメント・・・


直接的に、「国策捜査」のような言葉は出てきませんが、公正な捜査ではないことが、示唆されているように思います。マスゴミの情報操作を離れて冷静に見れば、「国策」かどうかは別にして、公正なものでないことは容易に分かるはずです。


〈周縁情報2〉


[2009-03-11toxandoriaの日記/ネオリベ恐慌下でメディア総掛かりのネガティブ・キャンペーンに踊る醜態、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090311]の「プロローグ」部分の転載


【1】BS11「にっぽんサイコー」第49回 ←「西松=小沢報道」についての“不自然で異様な報道ぶり”の訳が分かります!
[http://www.youtube.com/watch?v=JGg3_HprlNA:movie]


(関連情報)


『・・・検察は悪い人間を捕まえる捜査機関ではない。時の権力者にとって障害となる人間を捕まえるところである。・・・与党と官僚とが微妙な隙間を作りながら複雑に絡まり合い、どこに権力のポイントがあるのかを分からなくする日本の統治構造は、国会議員であっても誰も内実を知らない。・・・<田中良紹氏のブログHOT NEWSより部分転載>』
・・・この詳細は下記(ブログ◆)をご参照ください。


◆ジャーナリスト・田中良紹氏「HOT NEWS/予言が現実になった」、http://news.www.infoseek.co.jp/special/j-is/commons0903_004.html


【2】


下の「世に倦む日々」の記事(◆)は、“皮膚感覚“で直感していたことが具体的に分析されているので驚くと同時に、<内閣(麻生・漆間)-政権党・極右派(安部・小泉・麻生ら)-検察(大林)−警察(漆間)-自衛隊(田母神)>という強力な極右人脈(実際に日本を支配するCPU)の可能性にゾッとしてきます。これで、「小沢問題」(というよりも民主党潰し)にかかわる“安部スジの圧力に弱いNHKの妙に熱烈で率先した報道ぶり”の訳も分かります。


『・・・今の日本は、外形は違うが中身は戦前の大日本帝国と同じになっていて、過激な右翼のイデオロギーを内面化した人格が権力機構の頂点に立ち、彼らの理想と目標に従って統治が行われている国家である。・・・』 

 
◆「戦前型警察国家の謀略官僚人脈 - 漆間巌、大林宏、田母神俊雄」
http://critic6.blog63.fc2.com/blog-entry-40.html


【3】


『・・・私たち日本国民は、今回のような露骨な世論誘導にあまりにも無防備であることを自覚し、テレビ、新聞その他で報道される情報に批判力をつけていかねばならない』で結ぶ、平山通氏(JAN-JAN記者)の記事(下記▲)は、近年における<朝日新聞の反市民的傾向>を鋭く抉っており必読です。


▲「小沢降ろし」を推奨する朝日新聞にもの申す!、http://www.news.janjan.jp/government/0903/0903109143/1.php


【4】


<西松=民主党・小沢事件>の黒幕は安倍・漆間の内調サイロ(CIRO/Cabinet Intelligence and Research Office/警察・公安・防衛等)人脈?・・・(詳細は下記◆参照)


◆西松事件に「安倍晋三黒幕説」が出ている、http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20090314/1237022541

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・・・放浪の旅に出るため、記事は暫くお休みします。

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