2012年11月2日 第42号(通巻第336号)

篠山紀信の写真展

1950年代後半から現在に至るまで、写真界の第一線で活躍してきた篠山紀信が、10月3日から東京オペラシティ アートギャラリーで写真展「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」を開催している。これは彼が日本の美術館で初めて行う大規模な個展である。

今回の展覧会のテーマは「写真力」であり、撮影した者も撮影された者も、それを見る者も唖然とするようなエネルギーに満ちた写真が展示される。篠山紀信の主力作品である有名人のポートレートを中心とし、50年の間に撮影された写真の中から最も「写真力」のある129の作品を選び、巨大な展示会場に合わせてダイナミックに引き伸ばして展示する。これらの作品は「GOD」(鬼籍に入られた人々)、「STAR」(すべての人々に知られる有名人)、「SPECTACLE」(私たちを異次元に連れ出す夢の世界)、「BODY」(裸の肉体、美とエロスと戦い)、「ACCIDENTS」(2011年3月11日、東日本大震災で被災された人々の肖像)の5つのセクションに分けられている。

写真展が始まる前日に行われた記者会見で、この企画の発起人である後藤繁雄は、「今回の企画には、写真とは、篠山紀信とは、日本とは何かという三つのテーマがある。来場者に写真というなまなましいものを体験してもらい、72歳という高齢の篠山紀信の健康の秘訣を知ってもらうことも今回の展覧会の大きな見どころだ。」と述べた。

初めて美術館で写真展を行うことについて、篠山紀信はこう語った。「美術館という敷居の高いところで、額に入れた写真を芸術品として見せる鑑賞方法は私の作品には合わない、写真とはもっと勢いのいいものだとずっと思ってきた。しかし、美術館という特別の空間と、自分の『写真力』のある写真をぶつけたら、何か違ったものが出てくるのではないかと思った。それを私も期待しているし、みなさんと一緒にそれを目撃したい。」

篠山紀信にとって、美術館での展覧会はまったく新しい挑戦である。我々はここで、写真の中に潜んでいる大きな力を静かに感じることができるのだ。展示だけでなく、トークショーなどのイベントも行われ、篠山紀信は市川海老像、宮沢りえ、後藤繁雄などの人々と一緒に参加する予定だ。会期:2012年10月3日〜12月24日 会場:東京都新宿区西新宿3-20-2東京オペラシティ アートギャラリー(Michelle執筆)

(C)2012 Kishin Shinoyama

篠山紀信公式サイト http://www.shinoyamakishin.jp/index.html

「IS JAPAN COOL?」第2弾

日本は経済成長が鈍化し、貿易と科学技術に頼るだけでは次第に立ち行かなくなってきた。そこで2005年に日本政府は「文化立国」という新しい国策を打ち出し、古いものと新しいものが共存し、東西文化が融合する日本独特の文化を、国の発展の新しい立脚点とした。これ以後、日本は学術・知識の分野で国際協力を強めると共に、国際的な民間交流を促進する新プロジェクト「COOL JAPAN」を立ち上げた。

ネット上で新しい言葉が次々に生まれる今日にあって、20年前に流行りだした「COOL」という言葉は、すでに当時の新鮮な感覚を失っているように思われる。しかし興味深いのは、「COOL JAPAN」プロジェクトの「COOL」は、漫画やアニメ、ゲーム、デジカメ、東京スカイツリーなどを指すだけでなく、温泉、相撲、富士山などすべての日本的な特色を持つ文化がその範囲に含まれているのである。

今年の2月、旅行業の発展を促進するために、全日空が日本文化を紹介するサイト「IS JAPAN COOL?」を立ち上げた。このサイトでは、美しい動画や写真を掲載すると共に、無料航空券を含むプレゼントキャンペーンも行われる。サイトはアメリカ駐日大使やイギリス観光局長などによってツイッターで推薦され、世界中で反響を呼び、キャンペーンには142の国と地域の人々が参加した。「IS JAPAN COOL?」が大きな成功を収めたため、全日空では8月から「IS JAPAN COOL?Season2」を開始し、さらにすばらしい内容がネット上で展開している。

第1弾と比べて第2弾はテーマがよりはっきりしている。全国を網羅した紹介を行うだけでなく、国際都市「東京」と絵のように美しい「沖縄」というまったく異なる二つの観光地を大きなテーマとして取り上げているのである。サイトにアクセスすると、自分のいちばん好きな観光地に投票して、日本への航空券や日本国内の航空券、高級旅館の宿泊券などが当たるプレゼントキャンペーンに参加することができる。

このキャンペーンの後で、「IS JAPAN COOL?Seaseon2」ではさらに三番目のテーマ「コスプレ」を打ち出した。今年の夏に名古屋で開催された「世界コスプレサミット」を素材として、自分のいちばん好きなコスプレに投票してもらうというものだ。11月1日現在のところ、第三位は何と忍者に扮した白い秋田犬であり、第一位は台湾から来た「ガンダンム組」であった。一体どういうことなのかを知りたい方は、是非サイトをのぞいてみていただきたい!(凱特執筆)

(C)ANA

「IS JAPAN COOL?」公式サイト  https://www.ana-cooljapan.com/ (日、英)

本来の自分に出会う、優しい灯り〜キャンドルアーティスト Takami〜

「キャンドルアーティスト」という職業を、近年よく耳にするようになった。今回、「地球キャンドル」で話題を呼んでいる、キャンドルアーティストのTakamiさんにお話を聞くことが出来た。

Takamiさんは10年ほど前、今後の行く先に一抹の不安を抱いていた。ふと部屋でほこりをかぶったキャンドルに火を灯したところ、悩み疲れた心が癒され優しい気持ちになった。そして得体の知れなかった不安がすこしずつ削ぎ落とされ、理由のわからない涙がこぼれ、本来の自分にかえることが出来た。Takamiさんはそのときの感動を信じ、キャンドルアーティストの道を歩き始めた。

最初はただ自分のために作っていたというキャンドルをウェブで紹介し始めると、少しずつコメントが入るようになり、「可愛い」と評価の声がとびかった。そんな方々からの要望にこたえ、販売をスタートする。現在、作品展やキャンドルナイト、ワークショップなど多方面で活躍中。

生まれて初めて作ったのが、神から生まれた赤子のように淡く優しいベールに包まれているロイヤルブルーの地球キャンドル。地球キャンドルは、そのときの地球の状況やメッセージを感じながら制作している中で色が決まる。そんな地球キャンドルを製作するうちに、Takamiさんは不思議な体験をする。3.11の3日前に制作した地球キャンドルを、震災後、型から取りだしてみると、なんと大陸部分に海が押し寄せている、まるで津波のようなキャンドルだったという。その出来事以降、ロイヤルブルーの地球キャンドルは、water planet(ペールブルー)、Mother earth(マゼンタピンク)、New earth(ターコイズブルー)の3つの色へと変わった。「少しずつ本来の地球へ生まれ変わろうとしているみたい」、Takamiさんは語る。

キャンドルの灯りは、そのものの本当の「魂」に気づかせてくれる。日常にありふれた情報は雨のように降り注ぎ、社会情勢も日々刻々と変化していくストレス社会の中で、キャンドルの灯りを必要としている人は多いはず。Takamiさんの夢は、あらゆる場所で灯りを灯していくことだ。いつかどこかで引き寄せられるように、自分の本当の気持ち、ゆるぎない自分を知るそのときがやってくると思う。Takamiさんのキャンドルはそっとそれを助けてくれる。心の頬を照らされると、すごくシンプルな自分自身に気づくのである。

Takamiさんの今後の活動予定はウェブでお知らせしているので、ぜひ作品を手にしてほしい。運がよければ会場でTakamiさんご本人に会えるチャンスがあるかもしれない!(長野陽子執筆)

写真提供:Takami

Atelier Ena http://ameblo.jp/rousokubiyori/

アディダス ジャパンが「mi adidas ONLINE」スタート

皆さんにとって「秋」と言えば、どんな秋が浮かぶだろう?食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、行楽の秋、あるいはスポーツの秋など、日本の四季のうちで、秋は楽しいことが選り取り見取りで山のようにあり、ほとほと目移りしてしまう。その中でも、夏の暑さでうしなった体力を復活させるべくスポーツに力を注ごうと思っている人に必見の情報をお知らせしたい。

アディダス ジャパン株式会社は、自分だけのカスタマイズシューズがオンラインで作れるサービス「mi adidas ONLINE」(マイアディダス オンライン)を10月17日(水)からスタートした。このサービスは、素材、カラー、シュージュエル(シューズアクセサリー)、プリント・刺繍、サイズ、幅などを組み合わせ、自分の個性を活かしたこだわりの一足をつくることができる。シューズに好きな文字を入れることが出来るので、自分の名前をあたかもデザインのようにかっこよく入れておけば、紛失してしまったときに特徴を伝えやすく、見つかる可能性が高まる。またそのシューズで歩く道になぞらえて、生きるうえでのモットーなどを入れてみるのもまた違った価値観が生まれていいかもしれない。
 
カスタマイズシューズの注文方法はいたって簡単で、アディダス ジャパンのオンラインショップで好きなモデルを選び、それから各部位の色を選んでいく。ウェブ上ですぐに配色が反映されるため、感覚的に楽しみながらのオーダーが可能。忙しくお店に行けない人や、遠方で来店が難しい人も、それぞれ日本の至る所で自分だけのカスタマイズシューズをゲットできる。そのシューズを履き、日ごろの運動不足を解消しながら秋をも満喫する。

日本では現在、「今や人生80年」と言われているが、人生は思っているよりも短く、あっという間だ。統計上、多くても「秋」を過ごせるのは80回くらいだとして、その1回1回を大切に味わいたいものである。四季の素晴らしさを知ることは、人生を豊かにする。自分だけのこだわりの1足で、自分だけの人生を歩こう。(北村優希執筆)

写真提供 アディダス

アディダス ジャパン http://shop.adidas.jp/miadidas

紅葉が美しい佐賀県大興善寺

日本では春の桜と秋の紅葉が、春秋それぞれを代表する絶景です。四季のはっきりしている日本では、日本人だけでなく国外からの観光客にとっても、この目も心も楽しませる二つの自然の景観を鑑賞することが、季節の変化を迎える際の象徴的なイベントとなっています。紅葉狩りと言えば、多くの人が京都や東北を思い出すでしょう。しかし私は先日、佐賀県の大興善寺に行って、たいへん美しく色づいたカエデとイチョウの景観を見ることができ、今でも心に残って忘れることができません。

大興善寺は佐賀県の基山町にある山寺で、1300年以上の歴史を持つ古刹です。ここは、春のツツジと秋の紅葉の名所として知られています。紅葉観賞ならば私は他の場所でもしたことがありましたが、今回のように階段を上っていって、視野が急に開けて山全体が燃えるような紅葉に囲まれたり、秋の息吹に満ちた一面の黄色いイチョウの葉のじゅうたんを踏みしめたりすると、まるで美しい絵画の中に入り込んでしまったようで、本当に深い感動に包まれたのでした。寺に向かう途中にある階段の両側や、2012年7月に恋人の聖地に選ばれた「契山」のふもとにある大興善寺公園を中心として、深い緑からオレンジ色へと変化した、西に沈む夕陽にも似た燃えるような色のカエデの木がたくさん聳え立ち、紅葉と古刹がゆったりとした雰囲気を作り出しています。その情景は本当に美しく、本物とは思えないほどで、あまりの美しさにシャッターを切る手が止まらなくなってしまいました。

今年の大興善寺の境内で最も紅葉鑑賞に適した時期は、11月中旬から12月初旬にかけてで、夜間のライトアップは11月23日〜25日と12月1日〜2日の17時から20時までが予定されています。500円を支払えば、神秘的で静かな紅葉の夜景を鑑賞することができます。今年の紅葉の季節を迎えて、大興善寺ではさまざまなイベントを用意しています。例えば23日には「大興善寺きものの日」が行われ、和服を着て大興善寺公園に来た人は、入園券売り場で記念品をもらえます。

音楽の好きな人は、11月24日に大興善寺境内西側の熊野神社参道へコンサートを聴きに行ってはいかがでしょう。それとも、爽やかな季節の散歩を楽しみたいですか?それなら、11月25日に行われる「JR九州ウォーキング」は逃せません。それからもう一つすばらしいのは、紅葉の期間に、大興善寺の重要文化財の仏像「多聞天」と「広目天」が同時に一般公開されることです。自分の二つの目とカメラのレンズで、あの息をのむほど美しい紅葉の美を捉えたい人は、是非是非大興善寺を訪れて紅葉狩りを楽しんでください。(哈日杏子執筆、撮影)

大興善寺 http://www.daikouzenji.com/   哈日杏子のブログ http://harikyoko.wordpress.com/ (中、日)

第42回 二子玉川

【二子玉川の概要】東京都世田谷区にあり、関東地方の住みたい沿線ランキングで1位になった東急田園都市線の二子玉川駅周辺地域を指す。近年、東口で大規模な開発が行われ、下北沢や三軒茶屋と並んで、世田谷区で最もにぎやかな街になった。毎年8月には、多摩川の河岸で大規模な花火大会が開催され、当地の有名な風物詩となっている。

【玉川高島屋S・C】1969年11月11日に、日本初の郊外型ショッピングセンターとして開店した。日本で早くからショーウインドウを導入した高島屋は、この分野のさきがけとなった。駅東口の二子玉川ライズに対して、西口周辺の街は玉川高島屋S・Cがにぎわいの中心となっている。週末になると、近郊の高級住宅地から自家用車が続々と訪れ、東京の城南地区の中で突出した存在になっている。

【二子玉川の自然】砧公園、等々力渓谷など、東京の中で貴重な自然が多く残る二子玉川周辺では、鯉、鮎、野鴨、白鷺などの姿を見ることができる。兵庫島公園の周辺一帯では、四季を通じて釣りや野外バーベキューを楽しむ姿が見られる。特に二子橋の下は、連休には朝早くから、レジャーを楽しむ人々が多数訪れる。(姚遠撮影、執筆)

タイトル:「河畔」
場所:兵庫島公園
撮影のポイント:二子橋の下に立ち、厚木街道方面に向かって撮影した。黒雲がいっぱいの空が画面の三分の二を占め、芝生は残りの三分の一である。画面の中央の野球少年が目立っている。
使用フィルタ:Lo-fi+彩度−フレーム(黒雲と芝生の質感を強調する。フレームを除去してフルスクリーンの効果を出す。)
タイトル:「空間」
場所:玉川高島屋S・C
撮影のポイント:しゃがんだ姿勢で、iPhoneを地面に近づけて撮影した。画面のすべての放射線が中央下部の赤い後姿に集まり、整然としていながら力強い。ベビーカーが雰囲気を和らげる働きをしている。
使用フィルタ:Lo-fi+彩度(壁面、草や花、天井の細部を強調する。フレームの装飾効果。)

タイトル:「配置」
場所:多摩川の河原
撮影のポイント:河原に整然と並んだ簡易トイレに近づいて、できるだけ画面が遠近感を持つようにした。簡易トイレの裏側を選んで撮影したのは、表より面白かったからである。
使用フィルタ:Lo-fi+彩度−フレーム(青い隊列の質感を強調する。フレームを除去して情報量を増加する。)
タイトル:「双子」
場所:二子玉川ライズ Dogwood Plaza
撮影のポイント:二子玉川でしか見られない、双子のKFCおじさんである。テーマと関係のない景色や物が画面に入るのを避けるため、わざと像に接近して双子の表情を強調した。
使用フィルタ:Sutro+彩度−フレーム(周辺を暗く、中央を明るくする効果。フレームを除去して情報量を増加する。)

二子玉くん http://www.nikotama-kun.jp/ 二子玉川経済新聞 http://nikotama.keizai.biz/

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