2012年9月28日 第37号(通巻第331号)

フルサイズセンサーのコンパクトカメラをソニーが発売

デジタルカメラの新しい機種が次々に登場し、市場がどんどん細分化されていく今日、多くの人の目を引き付けることのできる新製品はあまり見られなくなった。だが9月12日にソニーが突然発表した新型デジタルカメラ、「サイバーショットDSC-RX1」は、カメラファンたちの間であっという間に大きな話題となった。あちこちのカメラ関連のフォーラムや掲示板などでも、この新しいカメラのことが話題になっている。DSC-RX1は一体どんなところが優れているために、こんなに注目度が高まっているのだろうか?

まずこれは、「コンパクトデジタル一眼レフカメラ」である。厳密に言うと、「コンパクト一眼レフ」というのは正確な言い方ではない。しかし、コンパクトカメラの軽くて薄いというメリットを備えつつ、一眼レフカメラのような専門性をも兼ね備えたこの新型デジタルカメラは、多くの人々の心を引き付け、これまで市場になかったものとして人気を集めているのだ。だが、ソニーはすでに2009年に同じようなハイエンドのコンパクトカメラの製造を開始している。今回の新しい製品、DSC-RX1はどんな点で独特なのだろうか?

デジタルカメラがフィルムを必要としないのは、「CMOS」という電子画像センサーを採用しているからだということはよく知られている。デジタルカメラにとって、CMOSの重要性は、コンピュータのCPUの重要性にも匹敵する。カメラの価格とレベルは、基本的にCMOSのサイズによって決定される。サイズが大きく、受光面積が広いほど、画像の質も高まり、カメラの価格もアップするというわけだ。コストを抑えるために、コンパクトカメラのCMOSのサイズは通常、フィルム一枚の数十分の一になっており、それは爪の大きさほどの小さなチップである。ハイエンドの専門的なカメラのみに、フィルムと同じ大きさの「フルサイズCMOS」が配備されているのだ。

ところが、レンズを含めてもサイズがわずか113.3×65.4×69.6mmで、重量も500グラムに満たないDSC-RX1が、「フルサイズCMOS」を備えているのである。このカメラはレンズに入るすべての光線をしっかりとらえ、2430万画素(6000×4000)の高解像度のデジタル画像に変換する。標準的なカールツァイスの35mmレンズを搭載しており、ズーム機能も接写機能も手動補正機能もないが、そのことはフルサイズのもたらす高度な撮影体験を少しも妨げることはないだろう。ソニーは、このDSC-RX1こそ彼らの新しい主力商品であり、まったく新しい撮影体験をもたらしてくれるものだと述べている。もちろんこの機器は価格の面でも一般のコンパクトカメラとは比較にならず、ソニーが発表した価格は25万円である。(凱特執筆)

(C)2012 Sony Marketing(Japan) Inc.

ソニープレスリリース/新商品 http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201209/12-0912C/

シャア専用のトヨタ車

日本最大級のキャラクター&ホビーイベント――「キャラホビ2012 C3×HOBBY」が、今年も千葉県の幕張メッセで開催された。イベント初日の8月25日にトヨタ自動車のブースで、「機動戦士ガンダム」のキャラクターで「赤い彗星」の異名を持つシャアをテーマとした「シャア専用オーリスCONCEPT」が初めて一般に公開された。

オーリスはトヨタ自動車が8月20日に発売したばかりのスポーツハッチバックである。「シャア専用オーリスCONCEPT」は正に赤い彗星のように、たちまちのうちに会場の注目の的となった。この車はシャアの基本的な色調を強調しているだけでなく、多くの部分に機動戦士の威厳が感じられる。特別に選ばれたマット(艶消し)塗装、車体のあちこちに見られるジオン軍のマークや型式番号、ルーフにつけられた隊長機を表すツノ(ブレードアンテナ)など、「シャア専用オーリスCONCEPT」には、ガンダムファンが誇りに感じるデザインが満載である。

この日、メインステージでは「CHAR AZNABLE×TOYOTA」と題したトークショーが開催され、シャアとアムロの声を担当する池田秀一さんと古谷徹さん、そしてこの車をデザインした松本雅治さんが登場した。「シャア専用オーリスCONCEPT」の第一印象を聞かれて、池田さんは「ボディの赤やジオン・マークももちろんモビルスーツっぽいんですが、正面から眺めると何となくモビルスーツっていう感じがします。」と答え、古谷さんは「艶消しの赤に驚きました。艶消し塗装の自動車は最近流行っていますが、市販車ではなかなかお目にかかれません。それから、シャア専用ザクは艶消しだったのかと、オーリスを見て気づかされました。」と語った。松本さんはトヨタでも有名なガンダムファンである。彼は今回デザインを担当して、あまり飾り立てた車だったらシャアは乗らないだろうと考え、オーリスが本来持つかっこよさをキープし、外観にはあまり手を加えないようにし、それでもモビルスーツを連想できるようにしたと語った。

会場では「シャア専用オーリスCONCEPT」のプロモーションムービーも上映されたが、池田さんによれば、セリフの収録にたいへん苦労したのだそうだ。ガンダムファンにとっては、この車の販売計画がまだないことは非常に残念である。いつかシャアとアムロが仲良く肩を並べて自分専用の車で公道を走ったならば、きっとそれはすばらしい光景になることだろう。(緋梨執筆)

(C)TOYOTA MODELLISTA INTERNATIONAL CORPORATION

シャア専用オーリスCONCEPT http://www.modellista.co.jp/product/auris/concept/index.html

ロボットが手術を担当

手術の現場で、医者とロボットが協力し合う時代がやってきた。ロボットは疲労もせず、精密な作業をするのが得意である。医学における手術支援ロボットの導入は、まさに医学と工学の完璧な結合と言えるだろう。アメリカの手術支援ロボット「ダ・ヴィンチS」がそのさきがけだが、日本でもそうしたロボットの開発に力が注がれている。

難治性の疾患が多い脳神経外科の分野では、超小型の手術ロボットが注目を集めている。例えば、名古屋大学医学部附属病院の手術室に、そのようなロボットが設置されている。このロボットは日立が製造したMRI(磁気共鳴画像)ユニットを中心として、術中ナビゲーションシステムや手術用顕微鏡などの周辺機器が一体化されている。精密に測定された脳の中の目標位置に機械アームが自動的に移動して、大脳組織に精密機器を挿入し、遺伝子治療薬などを注射するロボットも結合されている。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と九州大学は先ごろ、3D画像を見ながら手術器具を操作できる手術支援ロボットを開発した。制御装置が共通なものは世界初で、手術器具を交換することによってさまざまな分野でこのロボットを応用することができる。脳外科手術では、正面に一台、側面に二台あるカメラで立体的に撮影し、視野が広く、器具も小型で操作しやすく、病変組織の切除の効率が高く、正常な組織を傷つけることが少ない。

日本では、心筋梗塞などの心臓疾患が癌に次いで死因の第二位になっている。冠状動脈バイパス手術を初めとする胸部外科手術は、一般に大きく切開することが必要で、入院期間も長く、傷跡も大きいなどの欠点があり、特に高齢の患者には負担が大きかった。その解決手段となったのが、内視鏡手術である。これは身体の表面にいくつかの穴を開け、医者の「目」としての内視鏡と「手」としての器具を体内に入れて手術を行う。ただし、肋骨の向こうにある心臓に対して手術を行うのは非常に難しく、患部が心臓の裏側や側面にある場合はさらに難易度が高くなる。東京大学とオリンパスが共同で開発した「胸部外科用インテリジェント手術支援ロボット」の試作品が完成したことは、患者にとって大きな福音と言えるだろう。このロボットは、人のひじに相当する関節によって障害物をうまくよけ、対象部位に到達して手術操作を可能にする。

また、通信技術によって遠隔手術を行う研究も進められている。九州とタイという4000キロ離れた場所で、ロボットを使った遠隔手術が成功を収めたケースもある。医者がスクリーンを見ながらロボットを操作して、地球の裏側にいる患者の手術をする。そんなSF映画のようなシーンが、いつか現実のものとなる日が来るだろう。(秋桜執筆)

新エネルギー・産業技術総合開発機構/プレスリリース http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100145.html

アジアのバンド交流の窓口

まだたっぷりと湿度を含んだもわっとした空気が頬に張り付く、夏も終わりに近づいた8月19日(日)、上海のロックシーンで輝きを放つ2組が、SUMMER SONIC 2012出演の勢いそのままに、青山月見ル君想フにて日中交流バンドイベント「ROCK THE NIGHT IN TOKYO」に出演。その2組の名はMERCY&SORROW(大悲)、そして Forget And Forgive。ともに上海で活躍中の彼らは可憐な花を添え会場を大いに沸かせた。日本からは、昨年上海公演を果たした中華DUBバンド「泰山に遊ぶ」と、東北地方の民謡をアレンジしたジャパネスク・ミクスチャーバンド「アラゲホンジ」が参加 。

MERCY&SORROW(大悲)は、それぞれの時代で渦巻く悲しみや生きることの切なさ、幸福の裏に隠された憂いを独自のサウンドに乗せる。行き場を失った心のような浮遊感が漂うエレキギターのイントロから始まる「1945」は、文字通り1945年人類史上初めて使用された原子爆弾を背景に、破壊や憎しみなどの悲惨さを表現し、平和や幸福と対比させる効果で聞く者の心に強く訴える。

Forget And Forgiveの楽曲は、滑らかで耳障りのいいメロディーや華麗なインストルメンタルに酔いしれていると、突然ボーカルが何かに取り付かれたかのようにシャウトする。一つの楽曲の中に意外性のある場面展開がいくつも織り込まれ、あっという間に聞き手を自分たちのテリトリーへグイグイと引き込んでいく。

「ROCK THE NIGHT IN TOKYO」の来場者は3人に1人が中国の方だったという。両国には今も昔もあらゆる問題が山積するが、そんなことは二の次で同じ宇宙船に乗る「地球人」という気持ちで寄り添っていきたいものである。この日、音楽の力で一つになれることが証明されたのは紛れもない事実なのだから。

「今後このようなイベントはもちろんの事、中国と日本のバンドが共演し、交流できる機会が増えていけば良いと思います。月見ル君想フはアジアのバンド交流の窓口のような存在を目指してがんばります。どうぞよろしくお願い致します。」店長の寺尾さんは語った。(北村優希執筆)

写真提供 寺尾ブッタ&加藤晴康

日中バンド交流イベント「ROCK THE NIGHT IN TOKYO」 http://www.moonromantic.com/?p=11131

本物そっくりの小さな食べ物模型

日本人の完璧を求める姿勢と手仕事の精巧な技術は、本当に一流です。例えば、一つ一つが芸術品のような和菓子や、和服の上に一筆一筆描かれた、複雑でその地方の風情をよく表現した図案や、本当に魂を持っているかのような日本人形などは、どれも私が賞賛してやまない工芸品です。こうした一目見ただけで日本人の細部にわたる探究心が感じられるもの以外にも、私が思わず「すごい」と叫んでしまうものがあります。それは、食べ物のミニチュア模型です。

私が食べ物の模型に夢中になったのは、好奇心で食玩を買ったことから始まりました。食玩とは「食品玩具」の略称で、もともとは子供たちの興味を引くために、お菓子の箱につけられた「おまけ」でした。基本的にこうした食玩はセットとしていくつかの種類が同時に出るので、収集欲をそそられます。その後、こうした模型の人気が高まって、大人も食べ物模型収集にはまるようになりました。大人の収集家はおまけがほしくてお菓子を買うので、食玩は玩具の方が主役になり、もともと主役だったお菓子の方がおまけになってしまいました。面白い現象ですね。(笑)

食玩の中で私がいちばん好きなのは、ミニチュアの食べ物模型です。あちこちで夢中になって集めた結果、私の家には満漢全席、学校給食、駅弁、寿司、カフェのお菓子など、さまざまな種類の食べ物のミニチュアが集まってしまいました。これらを全部まとめて一列に並べると、とても壮観な光景になります。一つの食玩は350円〜500円ぐらいで、高価な収集品ではありませんが、これらの模型をあなどらないでくださいね。どの料理も造型的によく似ているだけでなく、色づけや食材、食器の質感の上でも本物そっくりなのです。トウモロコシの粒、カレーの中のじゃがいも、蒸した魚の上にかけられた白髪ねぎなど、どれも細かく作られています。カメラを上手に使って何枚か撮影したら、ちょっと見ただけでは本物のおいしい料理のように見えるので、長く見ていたらおなかが鳴ってくるかもしれません。

先日書店で、食べ物の形をした、とてもきれいな消しゴムを買いました。寿司、和菓子、ケーキ、中華料理、日本の定食など、種類が多く、細やかに作られているだけではありません。ラーメンは蓋を開けることができ、中には本当に麺が入っていますし、ペットボトルの蓋も開けることができます。こっそり教えてあげなければ、写真を見たみなさんはそれらが全部消しゴムであることに気づかないかもしれません。遠くから見ても近くで見ても完璧な食べ物の模型を買ってきて、自分で楽しんでもいいし、プレゼントにもぴったりでしょう。自分の好きな食べ物の模型を探し、全部そろえて、永遠のコレクションにしてみてはどうでしょう。(哈日杏子執筆、撮影)

おもしろ消しゴム「イワコー」 http://www.iwako.com/   哈日杏子のブログ http://harikyoko.wordpress.com/ (中、日)

第37回 竹芝ふ頭

【竹芝ふ頭】伊豆や小笠原への玄関口として知られている。帆船のマストを模したモニュメントを中心とした放射状の広場は、なかなか雰囲気がある。石段を上がって海に臨むデッキに出ると、水しぶきを上げて走る汽船や美しいレインボーブリッジが見渡せる。特に夜景はロマンチックな雰囲気いっぱいなので、カップルのデートや結婚式に絶好の場所となっている。

【竹芝の歴史】1923年の関東大震災の時、全国からの救援物資を下ろす場所が東京湾になかったため、政府が埠頭の建設を開始した。1934年に、日の出ふ頭と芝浦ふ頭に次ぐ三つ目の埠頭として竹芝ふ頭が建設された。建設から半世紀経って、施設の老朽化や船舶の大型化などの多くの課題が出てきた。1995年には再開発計画が完成し、新しい客船ターミナルや、オフィス、ホテルなどの商業複合施設が建設された。

【付近の観光ポイント】浜松町から竹芝ふ頭へ行く途中には、個性的な観光ポイントがたくさんある。ポケモンセンタートウキョーでは、ポケモン関連の楽しい商品をいろいろ販売している。四季劇場は劇団四季の専門劇場である。日本の演劇文化の一大拠点であり、「春」と「秋」の二つの劇場がある。「春」では海外の大型ミュージカルのロングランが行われ、「秋」では劇団四季オリジナルのミュージカルやストレートプレイ、海外の名作ミュージカルが上演される。(姚遠撮影、執筆)

タイトル:「広場」
場所:都立竹芝ふ頭公園
撮影のポイント:画面の中央にマストがまっすぐ立ち、左右の縄ばしごと共に三角形の安定した構造を作っている。赤い地面が画面の三分の一を占め、三分の二の青空などと呼応して引き立てあっている。
使用フィルタ:Lo-fi+彩度−フレーム(色彩の対比を強調する。フレームを除去して映画スクリーンのような効果を出す。)
タイトル:「倉庫」
場所:鈴江コーポレーション竹芝営業所
撮影のポイント:画面全体がブルーと白を基調としている。テーマと関係のない要素をできるだけ排除した。画面はやや傾斜させ、不安定な感じを出している。赤信号が「画竜点睛」の効果を上げている。
使用フィルタ:Nashville+彩度(ブルーの壁面と壁画を強調する。フレームの装飾効果。)

タイトル:「海へ」
場所:竹芝ふ頭
撮影のポイント:石段の上の展望「デッキ」から見下ろして撮影した。船がまだ来ていない埠頭で、待っているタラップが寂しそうに見える。「田」の字型の構図を採り、画面をシンプルで静かなものにした。
使用フィルタ:Lo-fi+彩度−(海水と埠頭の質感を強調する。フレームの装飾効果。)
タイトル:「四人体制」
場所:都立竹芝ふ頭公園
撮影のポイント:「デッキ」で行われている結婚写真の撮影場面を隠し撮りした。四人の黒服の係員が、白い結婚衣装の新婚夫婦のために設定と撮影を行っている。現代的な世相を感じるシーンである。
使用フィルタ:Inkwell+彩度−フレーム(ドキュメンタリーのような雰囲気を出す。フレームを除去して情報量を増加する。)

東京都港湾局/竹芝ふ頭  http://www.kouwan.metro.tokyo.jp/yakuwari/port/takeshiba/index.html
  西新橋通信/東京港の原点 http://www.diaprc.co.jp/nishi/takesiba.html

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