2012年1月27日 第3号(通巻第297号)

Googleのイースターエッグ

最近中国のネットでは、「技術オタクが世界を救う」という言葉が流行している。「技術オタク」とは、以前からの意味の、アニメや漫画にはまって家から一歩も出ない「オタク」ではなく、近年次第に使われるようになってきた、専門家を表現する言葉である。例えばPSPを携帯に改造したり、パソコンをWall-Eに変えたりした後、撮影をしてネット上でみんなと共有するような人々だ。こうした行動は、製作者の興味や趣味を示すだけでなく、彼らにしっかりした技術的な基礎があることも表現していると言えるだろう。

しかし技術オタクは、コンピュータや科学技術の面だけに限られた存在ではない。注意して見てみると、技術オタクがすでに生活の中の様々な分野に進出していることがわかる。例えば中国のフィギュアスケート選手、陳沛冬(チェン・ペイトン)は、全国大会で「機動戦士ガンダムSEED」の主人公、キラ・ヤマトの姿で登場して演技を行ったため、たちまち人気者になり、「中国最初の技術オタク」と呼ばれるようになっている。

さて、一体どんな場所で、技術オタクが集中する現象が起こるのだろうか?もちろんまずインターネットであり、これは技術オタクたちが自分を表現する窓口である。また、IT企業ももちろんそうした場所の一つである。日本やアメリカのゲーム会社は、これまでに何回も、様々なゲームで、思いがけないようなイースターエッグ(隠しプログラム)を我々に見せてくれ、これらはゲームファンたちにとってまだ記憶に新しい。しかし、みなさんはまだご存知ないかもしれないが、見たところ取り立てて特徴もないサイトであるGoogleにも、新年や特別な日を除いていつも変化のない「真っ白な背景+ロゴ+検索バー」の背後に、実は技術オタクたちが工夫を凝らした面白い現象が隠されているのである。

秘密は、検索バーにある。検索バーに、例えば「google gravity」と入れて検索すると、画面全体が崩れて、検索結果も含めたすべてのものがガラスのようにスクリーン上に散らばってしまう。また、「let it snow」と入れると、ディスプレイ上に雪が降り始め、積もっていく。実にすばらしい光景だ。「do a barrel roll」と入れると、検索結果がぐるりと回転し、「google gothic」と入れると、画面がゴシックに変わる。スマートフォン版のグーグル検索の場合は、「tilt」と入力すると、スクリーン上のすべてのものが斜めになる。また、Googleリーダーで、有名な「魂斗羅」のコマンド「上上下下左右左右BA」と入力すると、小さな忍者が背景の中から飛び出してくる。さあ、みなさんもブラウザでいろいろ打ち込んで、新しいイースターエッグを捜してみよう。(松鼠執筆)

Googleサービスの使い方 http://g.1o4.jp/


「パトカー電車」をご存知ですか?

中国では「楽しく外出、無事に帰宅」とよく言うが、この言葉は物語の最初と結末のようなもので、「無事」であればこそ「楽しさ」があるのだと言えるだろう。しかし安全をしっかり守ることは、言うのも易しく、実行するのも難しくはないが、それを継続していくのは非常に難しい。鹿児島県内では、2011年10月に交通事故が多発し、運転者の不注意から発生した道路事故が多くの部分を占めていた。安全に対する気持ちは、決して緩めてはならないのだ。

そこで運転者の安全運転意識をうながすため、鹿児島県交通安全協会では、路面電車の車体をパトカーのようにラッピングしようという提案がなされた。車体の正面には「交通安全号」と書いて、交通事故や飲酒運転の防止に力を入れようというわけである。この「パトカー電車」の車体は黒と白のコントラストが鮮明で、上部に入っている二本の赤いラインも、まるでパトカーの赤いライトのように見えて、本物のパトカーのように威厳がある。協会の福元裕二常務理事は、「この『パトカー電車』によって、周囲の自動車の運転者の注意を喚起し、事故を未然に防ぎたい。」と語っている。鹿児島市は、北海道の函館市、京都市、熊本市に続いて、日本で四番目に「パトカー電車」を採用した都市である。今年の元旦から一年間運行する予定で、市内の繁華街や天文館などの地区で、この電車の姿を見ることができる。

また鹿児島県警では、運転者に対して「3(サン)ライト」(三つの点灯)運動を呼びかけている。一つは「早めの点灯」。日暮れが近づいてきたら、ライトを30分ぐらい早めに点灯して、歩行者や他の車両からよく見えるようにする。二番目は「上向きの点灯」。夜間走行の場合、下向きだと前方約40メートルの障害物しか確認できないが、上向きに点灯すると約100メートル確認できるので、人や障害物を早めに見つけられる。三つ目は「トンネル内の点灯」である。早速今日から実行しよう。

京都では鹿児島より一足早く「パトカー電車」を開通させたが、なぜ車体の前に「右京区制80周年」というヘッドマークがかけられているのだろうか?実は、京都の嵐電は右京区(京都11区の一つ)のシンボルなのだが、右京区は1931年に誕生したので、2011年はちょうど80周年に当たるのである。車体には、「みんなでまもる右京のあんぜん」と書かれている。この電車は今年の3月末までの運行なので、運がよければ桜の開花に間に合うかもしれない。その時は、「たのしく桜を見て、無事に帰宅」したいものだ。(葉子執筆)

財団法人鹿児島県交通安全協会 http://kaankyo.jp/   嵐電 http://randen.keifuku.co.jp/



高層ビルの「萌え化」

最近、中国のミニブログ「新浪微博」(シンランウェイボー)では、いくつかの漫画が次々に転載されている。一体どんな漫画だろうか?ある人は、「東方の雄鶏」とも呼ばれる中国の地図を、華麗なファッションに身を包んだ美しくてスタイルのいい少女の姿で描いている。少女はカーペットの上に横たわって、見慣れた中国の地図の輪郭を描き出しており、なかなか斬新な構図である。漫画に詳しいみなさんならご存知の通り、これはたくさんある「萌え化」作品の一つに過ぎない。「萌え化」とは、元々はごく普通の事物を漫画の形でカワイイ「二次元バージョン」に変えたものだ。「萌え化」は我々の生活のあちこちで見ることができる。パソコンのデスクトップにあるアイコンを花びらなどの可愛い造型に変えるのも、「萌え化」の一種と言えるだろう。

「萌え化」という言葉からわかるように、この言葉は日本の秋葉原文化に起源があり、すでにかなりの歴史を持っている。生活の細部から素材を探し出すのがうまい日本の描き手たちは、コーヒーカップや灰皿から飛行機に至るまで、可愛い少女の姿に変えてしまう。日本の書店では、「萌え化」をテーマとした本がいつもトップランキングに挙がっている。例えば、歴史上の人物をすべて女性にして描いた「歴史的人物の萌え化」、萌え系少女の姿で各大学を紹介した「大学生図鑑」、さらには各種の萌え化学習参考書などもある。そのうち、2004年ごろに出版された「萌える英単語」シリーズは非常に有名で、「もえたん」と呼ばれ、英語学習に悩むオタクの男性たちを救済している。

昨年末に開催された第81回コミックマーケット(Comiket81)では、人気の高い同人漫画家「モエストロ」さんが最新の「萌え化」作品を発表した。テーマは、「本当はかわいい東京の超高層ビル」である。表紙は爽やかなイメージの明るい少女だが、帽子とワンピースのデザインが、池袋の高層ビルを模している。そう、この本の目的は、日本や世界各地の有名な建築物を「萌え化」することにあるのである。実はこの本は、「モエストロ」さんが前回のコミックマーケットで発表した「東京の電波塔がこんなに可愛いわけがない」の続編なのだ。この二冊の本をめくると、「萌え化」したスカイツリー、六本木ヒルズ、NTTドコモ代々木ビルなどが次々に出てくる。そればかりか、北京の国貿大廈、上海の環球金融中心、広州タワー、香港の環球貿易中心、台北の101ビルなど、中国の大都市のランドマーク的高層ビルも「萌え化」されて掲載されている。(凱特執筆)

萌えストラクチャー http://moestructure.cocolog-nifty.com/



美容院の国際化

ひっそりと静かな浜辺。満天の星空を見上げる女。どこからともなく天の鳥のさえずりが聞こえてくる。誠実な心を抱いて、彼女は希望の光に向かい、優美な舞い姿で心の中の喜びを表現する……歌声がやがて消え、灯りがついた。薄いレースのかかった舞台では、二人の美しい女性が、会場から沸きあがる拍手に向かって何度も挨拶をしている。……これは劇場でのパフォーマンスではない。ちょっと想像しにくいかもしれないが、目の前の舞台は平日の美容院で、踊っていた女性はこの個性的な美容院の経営者、神永ナオミさんなのである。

今月17日の夜、美容院のNao Salonで、東北の被災地のためのチャリティイベントとして、第二回NasH China Partyが開催され、「RIBBON FOR JAPAN」の白いバッジをつけたすべての参加者たちを大いに興奮させた。舞踏家の岡佐和香さんの感動的ですばらしい踊り、音楽家の中島晃子さんのうっとりするようなピアノ演奏、さらには声優の茶風林さんが乾杯の挨拶をし、パーティは最高潮に盛り上がった。

普通のパーティと明らかに違っていたのは、参加者の会話に、日本語、中国語、英語が混ざり合い、名実共に国際交流の舞台となっていたことだ!去年の12月8日に行われた第一回のパーティでは、日中両国で旋風を巻き起こしている新浪微博(シンランウェイボー)駐日代表のFind Japan, Inc.が全力で盛り上げた。新浪微博のロゴの形のぬいぐるみマスコットが登場し、特別ゲストとして、デザイナーでモデルでブロガーでもある桃華絵里さんや、中国出身のモデルRENNAさんたちが参加し、みなその魅力に惹きつけられた。

高度経済発展に伴い、日本にとって中国は、もはや十数年前の日本企業の大工場ではなく、ファッションから消費まで日本と共に歩み、並んで競い合うライバルであると同時に、優秀な協力パートナーになりつつある。中国の若者、特に「80後」「90後」(80年代、90年代生まれ)と呼ばれる世代は、日本のファッション業界にとって新しいターゲットとなっている。日中の民間交流を促進するために、Nao Salonでは今後毎月一回、このような国際交流パーティを開催する予定である。この小さな民間活動が、近い将来、日中交流にさらに大きな影響をもたらすかもしれない。東京の恵比寿にあるこの小さな美容院、Nao Salonは間違いなく、その胸を開き、世界各国からのたくさんの平和と友好のお客さんたちを迎えるに違いない。(ff、yy執筆)

写真提供:Nao Salon、Find Japan, Inc.

Nao Salon http://www.naosalon.com/ (日、英) 第1回NasH China Party動画 http://v.youku.com/v_show/id_XMzMzMDM3Njg0.html(中、日)



名古屋で絶対食べたいものは

冬が来て一気に寒くなりましたね。みなさんの食欲も旺盛になっているのではありませんか?今日は、私が好きな名古屋のおいしいものについてお話ししたいと思います。名古屋のグルメと言えば、みなさんは何をまず思いつきますか?簡単に言うと、名古屋の料理は味が濃い目で、分量も多いという印象があります。ふだんは揚げ物をあまり食べない私ですが、名古屋の手羽先のから揚げと味噌カツは、名古屋に行くたびに必ず食べます。一番おいしい手羽先を食べたければ、「世界の山ちゃん」がお薦めです。この店の手羽先は、外側がぱりっとして肉が柔らかいだけでなく、タレがとてもおいしいのです。この店の特徴は、鶏皮の表面に塩コショウがたっぷりかかっていることで、一口かむと辛みと香ばしさがあって、不思議なのですが、この食感が台湾の屋台で売っている手羽先の味とすごく似ているので、台湾人はこの味が大好きなのです。

もう一つの名古屋名物である味噌カツも、是非お薦めしたいと思います。厚い衣をつけて揚げられたカツに味の濃厚な味噌ダレをかけた味噌カツは、テーブルに運ばれてその香りをかぐと、食欲が増進されます。特に、濃い味噌の香りに満ちた厚いトンカツとご飯を一緒に食べれば、おいしさを満喫することができます。名古屋で味噌カツを食べる場合、現地の人はみな「矢場とん」に行きます。これら二つの料理の他、安くて量が多い380円モーニング、名古屋コーチン、海老天が入った三角形の天むす、味噌煮込みうどん、味噌おでん、海老フライ、小倉トースト、台湾ラーメンなど、いろいろなものがあります。グルメ好きの多くの人々が名古屋の味に夢中になるのもうなずけます。

では最後に、私が一回食べただけで忘れられなくなってしまった名古屋名物、「ひつまぶし」をご紹介しましょう。私は元々うなぎが好きなので、うなぎに関係のある料理は絶対食べることにしています。「ひつまぶし」を一人分注文すると、三つの味を楽しむことができます。その三つの異なるおいしさは、抵抗できないぐらいすばらしいのです。まず、単純にうなぎご飯を食べます。舌の味蕾を駆使して、炭火で焼かれた甘いうなぎの味を楽しむのです。さて二番目の食べ方では、ご飯にわさび、きざみ海苔、きざみネギなどを加えて調味します。三番目の食べ方は、お茶漬けと同じで、うなぎご飯にわさび、きざみ海苔、きざみネギを入れた後、アツアツの汁をかけて、混ぜながら食べます。どの味も、一回食べたら忘れられません。ああ、お話ししているうちにおなかがすいてきてしまいました。次回日本に行ったら、何とか時間を見つけて名古屋に行って、大いに食べようと思います!(哈日杏子執筆、撮影)

世界の山ちゃん http://www.yamachan.co.jp/index.html  哈日杏子のブログ http://harikyoko.wordpress.com/ (中、日)



第3回 麻布十番

【麻布十番に関する「豆知識」】
麻布十番をゆっくり歩いていると、ここでは時間がとてもゆっくり流れているのを感じる。日本の他の商店街と異なり、江戸時代以来300年以上も続く伝統文化と舶来文化が混ざり合い、庶民の温かな会話と先端的な流行ファッションが一体になっている。特色があっておいしい各国料理のレストラン、和菓子の老舗、アイデア商品を並べた雑貨店などが軒を並べ、行く人に足を止めさせる。12ヶ国の大使館の協力を得て、各国の代表的な彫刻家から贈られた12個の「微笑のモニュメント」は、麻布十番の「人の住む街」というテーマのシンボルになっており、商店街の両側のあちこちに静かに立っている。これらの彫像もまた、時間を刻み続けているかのようである。

2月3日の節分には、立春前の日本的な気分に満ちた「災厄を払い、幸福を呼ぶ」イベントが行われる。近くに住む、世界各国から来た子どもたちが大法寺に集まって豆まきをし、お菓子やプレゼントをもらって大喜びする。節分には、日本全国で「鬼は外、福は内」と唱えながら豆をまき、豆を食べる。しかし大法寺の豆まきの言葉はちょっと変わっていて、「鬼は外」は言わないで「福は内」だけを叫ぶ。これは、鬼が法華経の感化を受けて心を改め、悪いことをしなくなったからだそうだ。麻布十番の人々の寛容な心の一斑をここに見ることができる。豆まきの山車が麻布十番の通りや路地を巡って、「福は内!」「福は内!」という声が聞かれると、赤鬼や青鬼の扮装をした大人たちもとても嬉しそうに見える。(姚遠撮影、執筆)

タイトル:「萌え萌え消火栓」
場所:麻布十番商店街
撮影のポイント:画面中央を占める消火栓の蓋が、周囲で交叉するレンガとの対比で構図が際立ち、質感がはっきりする。和風と洋風の結合と言える。
使用フィルタ:Hefe(質感を強調すると同時に、フレームを除去して画面が束縛されないようにする)
タイトル:「午後のデート」
場所:麻布十番商店街
撮影のポイント:画面の三分の二を占める節分のショーウインドウと、左下に押し込められた、流行ファッションに身を包んだ女性。対比がはっきりし、彼氏を待つ時の落ち着かない気持ちが表現される。
使用フィルタ:lomo-fi(色彩の対比がさらに強まり、フレームが抑圧感を作り出す)

タイトル:「カエルと靴」
場所:麻布十番商店街
撮影のポイント:対角線の構図によって、銅製のカエルが今にも画面から跳ね出しそうに見える。一方、靴の中にたまった静かな雨水に映ったカエルは低い声で鳴いている。夢の世界のようである。
使用フィルタ:Sutro(銅、木、石の質感を強調し、レトロな色調を強化する)
タイトル:「鰓呼吸」(えらこきゅう)
場所:麻布十番商店街
撮影のポイント:巨大な看板、二階の窓、階下の店先と、三分の一ずつになった構図が、重層的に積み上がって熱気のある雰囲気を作り出す。
使用フィルタ:Hefe(電球の色が鮮やかになり、画面の暖かさを浮き上がらせる)

麻布十番商店街 http://www.azabujuban.or.jp/


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