2009年6月5日第20号(通巻第172号)・FOR LADY
【photo by Kazuhiro Matsumoto】

→日本国内には、まだまだ世界遺産に引けを取らない場所がたくさんありますね。(メルマガ「未登録の世界遺産」を読んで)【日本 世界遺産 日本の魅力

←世界各地の現状を見ると、世界遺産に登録された場所には観光客が押し寄せ、登録前の美しい景色や歴史的名勝が変化させられてしまうことが多いようです。おっしゃるようなすばらしい景観は、現状のまま残しておく方がいいのかもしれないと、個人的には思います。

→世界中で大流行している新型インフルエンザに心配しています。関西に旅行する計画でしたが、やむなくキャンセルしました。いつになったら、日本を楽しく旅行するという私の夢が叶うのでしょうか・・・。【山西 張莉

←地球が存在する限り、天災人災を完全になくすことはできません。病気が蔓延しているところにわざわざ危険を冒して行くこともありませんが、必要以上に恐れる必要もないと思います。自然な態度で対処すれば、何事もうまくいくことでしょう。

6/9(Tue) - 6/14(Sun)
Love me tender
ファッション・立体・雑貨・写真

6/10(Wed) - 6/16(Tue)
さんがっつ 「MYSTERY ISLAND」 絵画・立体

6/10(Wed) - 6/16(Tue)
管野豊久「zoo」 絵画

6/11(Thu) - 6/15(Mon)
YukiN「YukiN LanD」
絵画・イラスト

ALAYA

2009年秋冬ファッション(その三)

先日東京で開催された「JAPAN FASHION WEEK in TOKYO 2009」では、各ブランドが個性を競い合い、今年の秋冬ファッションの方向を提示してみせた。今回も、その内容について引き続きご紹介する。

HAN AHN SOON
ハン アン スンが発表した新作は、女性の明るくて柔和な性格を表現している。「It’s a New Little World!」をテーマとし、中国、ハンガリー、インド、ロシア、スイスなどの民族衣装をスパイスのように混ぜ合わせて、新しく一つの国の衣装を創り出した。花の刺繍を施したスコットランド風のナイロンジャケットに毛皮をあしらい、ショートパンツを組み合わせたもの、チロリアンテープと天然石を使ったベルトをジャケットの上から締めてウエストラインを強調したもの、ハンガリーの民族衣装であるボリュームのある刺繍のミニスカートやワンピースに可愛らしい小物を組み合わせたものなど、どれも非常に斬新な提案に満ちている。

KAMISHIMA CHINAMI
今回のテーマでは、生命体における異なる形質が体の部分を変えて現れ、共存する現象を表現した。全体的に黒や暗色を基調とし、モデルの頭部を覆うプラスティックヘアーはカゲロウの羽のようで、ヴィジュアル効果が高い。起毛ニット、ウールの混紡など、暖かさを感じさせる秋冬の素材が多く使用され、ウールのワンピースを短いコットンジャケットと組み合わせたり、シルクのミニスカートを長めのコートと組み合わせたりしている。コンピュータグラフィックを思わせるモザイク柄のワンピースは、黒によって模様が繋ぎ合わされ、透明で軽いイメージがありながら、神秘的で艶やかでもある。

SHINMAI CREATOR’S PROJECT
頭角を現しつつある若手デザイナーたちの、豊富な想像力と斬新なコンセプトを集めたコーナーである。今回の5つのブランドは、17ヶ国の34のファッションスクールから選ばれたものだ。NIMAは軽さと豪華さをテーマとし、肩にかかるロングヘアーときっちり締めたベルトが女性の曲線美を強く表現している。donna sgroは帽子つきのワンピースと大胆にひだをつけた裾によって、神秘的な中にも甘さを失っていない。特殊な軽い素材は自由で躍動感がある。Aethere(e)の作品は、モデルがかばんを開けると、それがマジックのようにジャケットになってしまう。女性ファッションはさりげない中に個性が溢れ、男性ファッションは穏やかで上品なイメージである。SHIDA TATSUYA(信太達哉)は、神秘的な音楽と色彩豊かな服によって、凛とした美しいシーンを作り出した。SACHIO KAWASAKI(川崎祥央)は、音の波をテーマとし、目を奪うような花の色や、腰をしぼったワンピースの黒白のストッキングが、忘れがたい印象を与える。(劉詩音・許莎取材、執筆)

(C)2009 Japan Fashion Week Organization

Japan Fashion Week in Tokyo 2009 http://www.jfw.jp/ (日、英)

城ブーム・加熱

今、城が熱い。しかも、女性のファン層がかなり多いらしい。一昔前なら、城や歴史と言えば、男性の専売特許であったのだが、なぜだろうか。

まず、現在放送されているNHK大河ドラマ・天地人・ のキャストが、イケメンぞろいだからという理由が挙げられる。主演の妻夫木聡演じる直江兼続をはじめ、Gacktの上杉謙信、小栗旬の石田光成・・・だれでもその時代に思いを馳せるであろう。そして、・戦国BASARA・ や「戦国無双」といった歴史ゲーム人気も少なからず影響している。いまやそれらの女性購入比率は3〜4割にのぼるとの話だ。歴史ゲームも、先の天地人同様、キャラクターが現代風の美形であり、これが女性人気の一因でもあるのだろう。

その戦国時代の武将たちが住んでいた全国各地の城では、築城400周年記念行事が行われている。日本城郭協会が選定した100城を巡るスタンプラリーといったイベントや、彦根城のひこにゃんに代表されるようなかわいいキャラクターの設定など、各城がそれぞれに盛り上げている。それに加え、城の復元や整備が進んでおり、訪れることによって城やその背景の歴史が分かりやすくなったことも要因であるようだ。結果、入場者数が過去最高を記録している城が続々と出てきている。中にはリニューアルした城を、新たに観光名所にしようとしているところもある。

織田信長が建てた「幻の城」といわれる安土城(滋賀県)を再現させるという、「週刊 安土城をつくる」(デアゴスティーニ・ジャパン)が今年の初めに発売された。全110号の付録のパーツを組み立てると、90分の1スケールで安土城がよみがえる。内部には、ふすま絵などがほどこされており、現時点で9万部が売れているという。ドラマの鑑賞や「城づくり」ことをきっかけに、歴史について改めて学ぶのも良いかもしれない。(亜遊民執筆)

財団法人日本城郭協会「日本100名城選定」 http://www7a.biglobe.ne.jp/~nihonjokaku/100meijo.html

梅雨こそ「映画デート」はいかが? 日本映画最新情報

日本ではもうすぐ梅雨の季節を迎える。つい外出するのを躊躇しそうだが、こんな時こそ、映画を観に行ってはどうだろうか。日本では魅力的な作品が、ちょうどこれから続々と公開される。そのいくつかをご紹介する。

シネマ歌舞伎
作品ごとに新たな映像チャレンジを続ける「シネマ歌舞伎」は今回、初の試みとして、海外での舞台公演を取り上げる。歌舞伎俳優・坂東玉三郎の迫真の演技が、中国で大きな感動を呼んだ昆劇『牡丹亭』だ。瞬く間に恋に落ちた男女が、気がつけばすべて夢の中での出来事だったというストーリー。この舞台をはじめ、中国・蘇州での玉三郎の挑戦すべてをカメラに収めたドキュメンタリーとの二部構成となっている。5月30日から全国公開。

ウルトラミラクルラブストーリー
青森で農業をしながら1人で暮らす青年・陽人がある日、東京からやってきた女性・町子に初めて恋をする。“カミサマ”と呼ばれる占い師に会うために青森に来た町子に向かって、初恋の陽人は無頓着にアタックしていくという、これまで見たことのないラブストーリーが展開される。松山ケンイチ、麻生久美子らが出演。6月6日から全国公開。

いけちゃんとぼく
西原理恵子が初めて描いた絵本の映画化。ヨシオのそばに、“いけちゃん”という不思議な生き物がいる。色も形も変幻自在。父が亡くなった時も、いじめられた時もいつも一緒。だが、ヨシオが成長するにつれて姿がだんだん見えなくなり、ついに最後の日、ヨシオにあることを打ち明ける。いけちゃんの声を蒼井優が担当するほか、深澤嵐、ともさかりえ、萩原真人らが出演している。6月20日から全国公開。(飾磨亜紀執筆)

(C)2009 松竹株式会社
(C)2009 「ウルトラミラクルラブストーリー」製作委員会
(C)西原理恵子、角川書店、2009 「いけちゃんとぼく」製作委員会

goo 映画 http://movie.goo.ne.jp/

「移動する」玩具たち

日本の玩具市場では、面白くてびっくりするような玩具が次々と登場している。今回は、「移動する」玩具を三つご紹介しよう。

RCマイクロ潜水艦U−Diver
株式会社CCPが開発した「RCマイクロ潜水艦U−Diver」は全長約13cmで、家にある小さな水槽の中で自由に動かすことができる。前進、後退だけでなく、垂直に潜水したり浮上したり、左右に旋回したりすることも可能だ。潜水艦の底部にはシリンダがあり、これが潜水と浮上を制御する。後部にはスクリューがあり、これによって潜水艦が自由に動き回る。前部と内部にLEDライトがあり、潜水させなくても、装飾品として充分すばらしい。30分間充電すると、15分間連続して潜水可能である。価格は7329円。

HEX BUG Crab
株式会社バンダイが7月14日に発売する「HEX BUG第2世代」のHEX BUG Crab(ヘクスバグクラブ)である。第1世代は昆虫ロボットで、日本でも大きな話題になった。第2世代はカニの形と特徴を完全に摸倣して、カニが暗い場所に身を隠したがる習性や、横向きにちょこちょこと歩く動作などをリアルに表現している。またHEX BUG Crabは、音や暗さに反応する。8本の足で横歩きし、そばで手をたたくと方向を変え、本などで光を遮ると停止する。色はレッドとブルーの二種類があり、価格は2625円。

赤外線コントロールカー――Aerospider
株式会社タカラトミーが10月30日に発売する赤外線コントロールカー、エアロスパイダーである。内部に吸引器があり、壁や天井に貼り付いて前後左右に自由自在に回転したり走り回ったりする。この重力の影響を受けない前代未聞のラジコンカーは、壁やガラス窓や電気器具の上も、普通のラジコンカーと同じように走ることができるのに驚かされる。色はレッド、ブルー、グレー、ブラックの4種類で、価格は4725円。(許莎執筆)

東京おもちゃショー http://www.itmedia.co.jp/keywords/tokyotoyshow.html

柔らかく心を癒すカオマル

「人生の真の味わいとは、すべてのことが常に順風満帆にはいかないということにある。雲ひとつない快晴の日もあれば、荒れ狂う雷雨の日もある。広くまっすぐな道を歩いていく日もあれば、悩みながら険しく曲がりくねった道を行く日もある。……体験せよ。すべてを体験すれば、一生を過ごしたかいがあるのだ。」――「自己啓発」の本によく見られる自信に溢れた言葉である。確かに、ある意味から言えば、人生でたった一つ変わらないことは、「変化する」ということなのかもしれない。

しかし世の中の多くの人が、偉大な人物のように人生を笑い飛ばして生きられるわけではない。人生で辛いこと、悩み、緊張、怒りなどに出会って、それを晴らすことができないときにはどうしたらいいだろうか?――バブルの時代には六本木に、鬱憤を晴らすために皿を割ることのできるレストランがあった。仕事や上司に対する不満でいっぱいのサラリーマンたちが夜になると集まって、大きな声で罵りながら、レストランで準備してくれた皿を床にたたきつけて割り、心のバランスを取り戻していたのである。

現代は「単純に破壊する」ことを推奨する時代ではなくなった。そこで、「CAO maru(カオマル)」のような新しい商品が多くの人々を捉え、人気者になっている。カオマルはポリウレタン樹脂で作られた、人の顔の形をした球状のグッズである。「ゲッ!」「ニッ!」「プー!」「ホッ!」の四種類があり、神経が張りつめたり、鬱々と悩んだり、腹が立ったりしたときに、カオマルを手の中でにぎっていると、その感触によって時の経つのも忘れてしまうような気持ちになる。また握りつぶされて変形した「顔」の中に、握力によって生みだされる変幻自在な表情を見ていると、いつのまにか緊張も解け、怒りも雲散霧消してしまうというわけだ。

箱を開けた瞬間に、そのなんとも言えない表情を見て、心の底から感嘆のため息が出る。白いカオマルも、ブラウンのカオマルも、手作りであるため、ニキビや吹き出物やそばかすができていることもあり、なんだかとてもリアルである。表情の違うカオマルを全部集めて、その日の気分に合わせて観察したり握り締めたりすれば、心を癒し、緊張をほぐす思いがけない効果があるかもしれない。本体はかなりの柔らかさで、思い切り投げても周りのものを壊す心配はない。(もっとも、やらない方がいいかもしれない。)

デザイナーは若い女性だと聞き、柔らかい感性と創意にうなずけるものがあった。カオマルに緊張を和らげる効果があるとか、人と人との交流を深めるなどと断言することはできないが、ただ一つ確かなことがある。それは、カオマルを握っていると誰でも、心の中にカオマルのための小さな場所を持つようになるということである。(姚遠執筆)

Designed by Makiko Yoshida

カオマル http://www.plus-d.com/caomaru/


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