2009年4月3日第12号(通巻第164号)・FOR LADY
【photo by Aki Shikama・亜遊民】

→中国の3G通信は始まったばかりなので、携帯先進国の日本のこの分野での発展の経験から学ぶことが急務ですね。【秦皇島 マーフィー

←聞いたところによると、日本の携帯のコンテンツや付加価値サービスを手がける多くの企業が中国で業務を展開しており、すでにかなりの成果を挙げているようです。今後は我々も、みなさんの参考のために、日本の携帯電話関連の情報をお伝えする予定です。

→「関西」の情報が加わってから、「東京流行通訊」には以前のような驚きと喜びがなくなってしまいました。中国語圏の読者にとって、「関西文化通訊」はなじみがありません。まじりけのない「東京流行」が戻ってくることを期待しています。【中国 mod

←率直なご意見をありがとうございます。「東京流行」は、東京に立脚して日本の流行の全貌を眺めようというもので、東京という小さい枠の中にとどまるものではありません。このメルマガの9年近い歴史を振り返ると、北海道から沖縄まで、情報の内容は日本全国に及んでいます。また中国の観光客が最も多い地域である「関西」は、特に注目に値する重要な場所なのです。我々は関西のもっと新鮮で熱い話題をタイムリーに捉えて、多くの読者のみなさんのご期待にお応えしたいと思っています。

4/1(Wed) - 4/7(Tue)
大澤里紗&宮川玲香 「RR」
絵画・イラスト・写真

4/3(Fri) - 4/5(Sun)
WORLD 「THE VOCABULARY OF ME 私たちの単語帳」 写真

4/4(Sat) - 4/5(Sun)
じゃんとおはる 「じゃんとおはるのおえかきしりとり展」
絵画・立体・イラスト・写真・グラフィック

4/9(Thu) - 4/12(Sun)
まつりgirls 「おくれてきた三月ウサギ」
写真・イラスト・フラワー工作

ALAYA

鮮やかな純和風口紅

色に対する見方や感じ方は国や民族によって違いがあり、日本人は赤などの強い色彩よりも上品な淡い色を好むようだ。だが実は、赤は日本古来の伝統においては特別な意味があり、女性たちが大きな儀式に参加するときに使用する色だったのだ。唇を赤い色で彩るのが美しいというだけでなく、病気や災害を遠ざけて幸せを祈るという意味も含まれている。

江戸時代の女性が使っていた「紅」と現在の口紅は、もちろん同じではないが、今の口紅のほうが技術的に高度だという考えは必ずしも正しくない。化学成分を使って作られた現代の口紅と比べて、日本の伝統的な「紅」は純天然素材なので安全で健康的なのだ。

1825年創業で、すでに180年の歴史を持つ有名な老舗、伊勢半本店では、今でも江戸時代から伝わる技法を使って、紅花から伝統的な「紅」を製造している。この花は「紅花」という名前でありながら、抽出される色素のうち99%は黄色が占めており、必要とされる赤の色素はわずか1%だ。伝統的な「紅」の製造には、この1%の貴重な色素が使われる。高純度の赤い色素を初めて見た人は、みなその輝きに驚くのだそうだ。唇に塗ると、まぶしいような妖艶な光沢を示し、塗った「紅」の厚さによってさまざまな色の変化が現れる。

伝統的な「紅」は、色素の抽出技術だけでなく、パッケージもよく考えられている。「紅」を入れるケースは有田焼の器で、外側には日本の四季を彩る桜、シャクナゲ、菊、寒椿が描かれ、それぞれの花が一つの季節に対応しており、まるで芸術品のように美しい。丁寧に抽出された赤の色素を熟練した職人が有田焼の器の内側に均一に塗っていく。使うときは、まず専用の紅筆を濡らし、器の内側に塗られた紅を溶かして、唇の上に好みの厚さに塗っていく。価格は12600円で、30回ほど使用できる。

このほか、「手毬(てまり)」という小さくて可愛らしい球形の器の紅もあり、これは七五三のために特別に作られたもの。無添加で安全で、幸せを祈る意味が込められているため、孫娘へのプレゼントに選ぶおじいちゃん、おばあちゃんも多いのだそうだ。(劉詩音執筆)

(C)2009 ISEHANHONTEN Co., Ltd.

株式会社伊勢半本店 http://www.isehan.co.jp/

縁結びの神様、東京大神宮

神社にお参りする人といえば、どうしても年配者を思い浮かべがちだが、若い人、しかも女性の参拝者で大賑わいの神社がある。東京の真ん中の飯田橋に位置する東京大神宮だ。ここが最近、縁結びの神様としても知られ、良縁を願う若い人たちで年々にぎわっている。NHK大河ドラマで有名な女優の宮崎あおいがここで結婚式を挙げたことも、名を馳せるようになった理由のひとつだ。

JR飯田橋駅を降りて歩くこと5分、都会の真ん中に鳥居が見える。境内には、参拝客が長蛇の列をなしている。お正月の三が日ともなると、その列が神社の外まで続き、参拝までに1時間はかかるそうだ。しかも、参拝客の9割以上が20代、30代の女性たち。お賽銭箱の前で拍手を打ちながら祈る彼女たちの姿は真剣そのもので、やはり恋愛の願いは、切実なのだろう。

参拝を終えると、授与所でおみくじを引く。ここのおみくじは、普通のおみくじに加え、恋みくじ、縁結びみくじ、華みくじ、英文みくじなど多種多様だ。恋みくじはかわいらしい和紙人形、縁結びみくじはあまい香りのするしおりがついており、華みくじは正方形で、めくると花が立体的に飛び出してくる。おみくじ目当てでここに来る参拝者も少なくないそうだ。

東京の若い女性たちの間では、縁結びみくじで・大吉・ を引けば、それから2週間以内に彼氏ができるのだとか。また、鈴蘭守りを買うと、その花言葉どおり・幸福がおとずれる・などと語られている。参拝後、実際に・恋人ができた・・結婚した・といった声もインターネットの書き込みなどでちらほら見かけるが、一方で・困ったときの神頼み・ になっていないだろうか。ちゃんとご利益があったならば、お礼参りは欠かさないようにしたい。(亜遊民執筆、撮影)

東京大神宮 http://www.tokyodaijingu.or.jp/(日、英)

表現難民互助会

たくさんの新聞紙をつなぎ合わせて作った大きなウェディングドレスを着て、美しい音楽の中で踊る美しいヒロイン。物語が進むにつれて、ドレスを少しずつ破いていく共演者。巧みな構想とすばらしい展開に、何度も大きな拍手と歓声がわき上がる。次は、舞台に長々と敷かれた極彩色の布の上で、「人」を真ん中にして「善」と「悪」の化身が戦う。このパフォーマンスは、破壊と新生がテーマだ。普通のパフォーマンスでは絶対に体験できない衝撃。観客はそれぞれ自分なりの理解と解釈を行いながら、我を忘れて引きこまれていく。

「表現難民互助会」は、その名の通り、「互いに助け合う」ことを前提としたフリーパフォーマンスグループだ。演じる場所を求めてクラブなどを訪ねても、「イベントのテーマが違う」と言われたり、出演料の問題があったりして出演できなかったアーティストたちが集まって、毎月最終日曜日に新宿二丁目の「club ArcH」で冒頭のような光景を繰り広げている。奇数月には「リハビリ」、偶数月には「ANSWER」というイベントを行う。歌、ダンス、ドラァグクイーン(男性が女装する)、ストリップ、手品、料理、日本舞踊、寸劇、楽器演奏、身体表現、ファッションショーなど、形式にこだわらず自由奔放な表現を行ない、ますます評価が高まっている。

我々は、「表現難民互助会」で最も注目を集めているロシア人と日本人のハーフのおりぃぶぅさんと、会の代表でDJを担当するSOSUKEさんにインタビューを行なった。彼らは互助会の今までのことや将来の展望について、大いに語ってくれた。おりぃぶぅさんは、「自分の表現のこだわりを持ってがんばっている人が多い。クラブの中だけで発表するのではもったいないので、デザイン・フェスタに出てみようと提案しました。大勢の前で演じて、パフォーマンスもすばらしくなりました。」と語る。SOSUKEさんによれば、「外国の方も表現難民互助会のパフォーマンスに参加できます。興味のある人は、まず新宿かデザイン・フェスタに見に来てください!」とのことだ。

デザイン・フェスタ・プラネット08「東京・原宿・カワイイ展」
日時:4月10日(金)〜16日(木)  11時〜20時
場所:デザインフェスタギャラリーEAST   東京都渋谷区神宮前3−20−2
    デザインフェスタギャラリーWEST   東京都渋谷区神宮前3−20−18

(C)2009 表現難民互助会

表現難民互助会のブログ http://ameblo.jp/hyougen-nanmin/
  ANSWER/リハビリ http://www.lost-e.com/answer/

日本発「痛車」

ボンネットから屋根の上まで、車のボディーのいたるところにかわいい女の子のイラストがついた車を見たことがあるだろうか。そんなものすごいインパクトを持つ車を「痛車(いたしゃ)」と呼ぶ。「痛い」というのは、テレビやネットで広まった造語で、取り返しの付かないくらいひどかったり、本人は満足しているがまわりから見ると常軌を逸したりしているような状態を指す言葉だ。これをイタリア製の車を略した「イタ車」とかけて「痛車」と呼ぶ。ちなみに、バイクは「痛単車(いたんしゃ)」、自転車は「痛チャリ(いたちゃり)」。ここ数年、メディアにも取り上げられるほどにその数を増やし、痛車だけ数百台も集めたイベントも日本各地で開催されている。

自分の車にイラストを付けるという行為は、キャラクターへの敬愛を表現する手段の一つらしく、外装だけでなくシートのような内装にもこだわるなど、一台の痛車を作るのに数百万円をかける人もいるという。しかしこの痛車、著作権のことを考えるとグレーゾーンに入ってしまうので、判断の難しいところも。現在、大きな問題に発展しない理由の一つは、ファンの活動による宣伝・経済効果は版権元にとっても、すでに無視できないほどの影響力を持つようになっているからかもしれない。

そして、痛車はその活動範囲をさらに広げようとしている。なんと 「2009 SUPER GTシリーズ(GT300クラス)」という国内で開催されている自動車レースの中で最も人気のあるシリーズに参戦しているのだ。

その車体にはもちろん、人気キャラクターが大胆に描かれている。日本のアニメはクールなポップカルチャーとして世界的な認知を得たものの、レース界ではどういった反応を受けるか。GTは3月から開催されているが、開幕戦は見事完走した。また昨年9月に栃木・ツインリンクもてぎで開催された「MotoGP日本グランプリ」でも、ヤマハが、メインスポンサーのフィアット社の要請で「ルパン三世」をデザインしたバイクを走らせ、フィアット500の限定モデルで同様のデザインが発売になるというから、痛車はもはや日本だけにとどまらない。(「洛人」執筆)

「痛車.net」 http://www.itasya.net/    StudieGLADRacing http://stgt.jp/

夜桜に映えるキャンドルの焔

昼間のように明るく照らし出された夜桜の下で、友人の結婚式が行われた。この珍しい結婚式に参加できたことは、自分の人生で得がたい体験の一つと言えるだろう。四月の日本は正に春爛漫で、新入生や新入社員、新しい住まいへの転居など、人生航路の節目となる重要な季節だ。この喜ばしい季節に、幸福でロマンチックな雰囲気につつまれた新郎新婦を見ていると、心から祝福したい気持ちになってくる。

結婚式を盛り上げてくれたのは、夜桜を背景とした「キャンドルリレー」の感動的な情景だった。新婦から始まって、キャンドルの焔は母親へ、母親から父親へ、年配者から子供たちへ、親戚から友人へと伝えられ、すべての来賓の顔が祝福の光に輝いていく。リレーのように運ばれたキャンドルの火によって、暖かい気持ちがあっという間に会場全体に広がった。

女性たちが捧げるのは、美しい花びらがほころびたバラの形のティアラ・キャンドル、男性たちが持っているのは、豪華な王冠の形のクラウン・キャンドルである。これらは以前、クリスマスの夜に銀座エルメスの夢のようなショーウインドウを飾ったこともあるDEICAのオリジナルキャンドルだ。温かい夜風に吹かれてかすかに揺れる柔らかな焔に、見ている自分の心もうっとりとしてくる。そして、高雅で、清らかで、永遠に続くような深い思いが、体全体を満たしていく。

キャンドルリレーは、はるか昔の欧米の美しい伝説に由来するという。日本の結婚式でこの儀式を取り入れたのは最近のことらしい。DEICAのオリジナルキャンドルは、造型デザインが非常に精巧であるだけでなく、点火が簡単で、中央部分の溶けたキャンドルが溢れてこないなどの工夫があり、細かく配慮されている。単なる室内装飾として使ったとしても、思いがけないデザインの美しさや所有する価値を感じることができるが、人の心を酔わせる結婚式の会場では、その効果はいっそう高い。

結婚式がクライマックスに入り、幸福を願う祝福の声の中で、すべての参加者が手に持ったキャンドルを一斉に吹き消した。「キャンドルリレー」の幸福の火種が最後に届いた新郎のキャンドルだけが残り、新郎と新婦は協力して、「愛のキャンドル」と呼ばれるハート型の焔に包まれたキャンドルに点火した。それと同時に拍手と歓声が沸きあがり、この忘れがたい夜桜の下の結婚式にさらに温かい雰囲気を添えたのだった。

(C)2009 DEICA JAPAN CO.

DEICA公式サイト http://deica.jp/


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