2007年11月30日第39号(通巻第104号) 毎週金曜日発行 ブログ 中文簡体 中文繁体 バックナンバー
 
 
チェコの絵本作家の新作『ちびとらちゃん』の原画展が開催。仕掛け絵本やDVDの販売もされる。

11/30(金) 『ちびとらちゃん』原画と仕掛け絵本展

皆の願いを叶えてくれるWish Treeの点灯式。高杉さと美をゲストに迎え、トークやライブも行われる。
12/1(土) Wish Tree点灯式・KDDIデザイニングスタジオ
日本三大曳山祭のひとつとされる秩父夜祭が開催される。

12/2(日) 「秩父夜祭の前夜祭」 秩父神社

日本列島をGROOVEの灼熱地獄に落としこんだライブが今年も開催される。

12/3(月)
「JAZZ FUNK EXPO 2007」 渋谷・CLUB QUATTRO

オランダとフランスに分蔵されていた風俗画が初の同時に展示される。
12/4(火)
「北斎―ヨーロッパを魅了した江戸の絵師―」 両国
夜の街を舞台に撮り続けられているモノクロ作品が約35点展示される。
12/5(水) 近藤善照写真展「NIGHT BREATH」 銀座
デジタルアートの若き才能を発掘するNHK-BS2の番組が中心となって開催される。
12/6(木) 「デジタルアートフェスティバル東京2007」 渋谷
 

皮膚再生美容液

女性なら誰でも究極の美しさを求めるものだ。そのために彼女たちはフィットネスやエステに通ったり、流行のプチ整形や特殊成分の注入をしたりして努力を重ねる。そして高額でなかなか手の届かない化粧品を買うために、日々頭を悩ませる。さて、このたび女性たちの永遠の悩みを解決する高機能の美容液、「Gravis」が誕生した。

Gravisとはラテン語で「感動」という意味である。これ一本あれば、どんな皮膚にも対応できるという美容液だ。この美容液は、今までの化粧品の常識を打ち破るもので、皮膚の再生医療の応用から生まれた。再生医療とは、人工培養した細胞を使い、病気や事故で失われた内臓器官や組織の代わりに本人に移植して治療するものである。

今年7月、Gravisの直営会員制クラブサロン、Value Club in Meguroが東京の目黒に開店し、究極の真の美しさを求めるというコンセプトによって、歓呼の声で迎えられた。施術は対外的な宣伝も委託販売も行わず、会員制クラブサロンだけで行われており、正式にコンサルティングを受けなければ、購入することはできない。購入者はGravisの会員となり、独自の「顔の再生」などの万全のサービスを受けられるので、多くのセレブの女性たち、特に年配の女性たちの絶大な支持を受けている。

Gravisブランドの創始者は、美容家として総計数十万人の顔に独自の「再生」手術を行ってきた竹村節子さんである。彼女は美容学校を卒業して、外資企業のレブロンに入社し、美容の基礎を固めるとともに、そこで得た知識と技術を起点として、日本やアジア各国(特に中国大陸や香港など)で多くの美顔専門店を開設した。また、生理学、哲学、心理学の三つの側面の調和をとり、自分の健康的な理想美を求めるための考え方を基本とし、多くの化粧品メーカーとコラボレーションを行い、ついに集大成としての高機能美容液「Gravis」が生まれたのである。

(C)2007 Value Create Japan Co., Ltd

竹村節子さんの略歴 http://www.bellaciel.jp/staff.html

 

幻の新橋駅を開放

地下鉄新橋駅と言えば、東京の中でもサラリーマンが特に忙しく行きかう場所というイメージがある。この人の流れが絶えない新橋駅の地下に、あまり知られていない「幻の新橋駅」がある。

厳密には「幻の新橋駅」ではなく「幻のホーム」と言うべきだろう。現在の地下鉄新橋駅西側の地下にあり、1939年1月から9月まで8ヶ月だけ使用された。当時、私鉄2社がそれぞれ浅草行きと渋谷行きの路線を運行しており、二つのホームが設置されていたが、一年もたたないうちに直通運転が開始され、このホームは閉鎖されることになった。現在この線路は夜間の車庫として使用され、ホームの一部は東京メトロの会議室になっている。安全上の理由から、普段は外部の人間は入れず、特別なイベントの時だけ公開される。

東京メトロでは「地下鉄開通80周年」を記念して、明日(12月1日)、幻のホーム見学会を開催する。応募した150人を3組に分けて、地下鉄職員が構内をガイドする。「幻のホーム」は元々レンガ造りだったが、十年前に一般人に開放した時にペンキを塗り直したため、廃駅の雰囲気はそれほど感じられない。以前のホームの長さは、60〜70メートルだった(現在の地下鉄の半分ほど)。見学会では、開業時の電車の外装を模した車両を停車させて、雰囲気を出すことになっている。

「地下鉄開通80周年記念イベント」の一環として、11月18日には「副都心鉄道トンネルウォーク」というイベントが行われ、現在建設中で来年6月に開通する予定の池袋・渋谷間の地下鉄路線のうち、新宿三丁目から東新宿までの間の2.5キロメートルのトンネルを、160名の地下鉄ファンが歩いて楽しんだ。

東京都心の地上には高く聳える無数の高層ビルがあり、地下にはアリの巣のように地下鉄が錯綜して走っている。地上で暮らす私たちにとって地下は未知の世界であり、期待と恐さが入り混じった対象である。だが、地下鉄の使われていない駅の地下トンネルを自分で歩いてみて、恐さがしだいに期待に変わっていくのが感じられた。(謝晨執筆)

東京の廃駅 http://e924.hp.infoseek.co.jp/hi/0004.html
 

世界最速のエコ・カー

八つのタイヤをつけた電動自動車「エリーカ」のことをご存知だろうか。先週の金曜日(11月23日)、六本木ヒルズで開催された「SFC Open Research Forum 2007」で、この車が52階の「TOKYO CYTI VIEW」に登場し、訪れた人々を驚嘆させた。これは慶應義塾大学と参加企業の、「電動自動車による環境問題の解決」をテーマとしたプロジェクトから誕生した、世界最速のエコ・カーなのである。最高時速370キロメートルで、加速度は0.68Gに達し、ガソリンは使用せず、排気ガスも発生しないリチウムイオン電池自動車「エリーカ」は、エンジンの騒音もなく、使用するエネルギーは一般の自動車の四分の一である。まさに「究極のエコ・カー」と言えるだろう。
 
エリーカ(Eliica)とは、「Electric Li-ion Battery Car」の略称で、リチウムイオン電池を動力源としていることを指しており、環境に優しいだけでなく、高い性能も兼ね備えた電動自動車である。一回の充電での長距離連続運転と短時間充電が可能である。現在日本では100円でガソリンを1リットル買うこともできないが、エリーカは100円の電力で約100キロメートル走ることができる。また、回生ブレーキ(減速時に車輪がモーターを駆動して発電する)構造を採用しているため、エネルギーを電気として回収できる。現在製作している1号車は最高時速400キロメートルを目標とする最高速挑戦車で、2号車は高加速性能挑戦車として開発が行われ、安全性のテストと乗用車としての運転性能の評価が行われる。
 
説明を担当する学生によれば、この車は起動するとすぐに加速を開始し、モーターの音はほとんど聞こえないそうだ。体が座席に吸収されるように快適で、あっという間にメーターは時速100キロメートルに達してしまう。力ずくで加速するガソリン車と比べて、エリーカは本来が高速走行で、加速はそこへ戻っていくためのもののように思われる。8個のタイヤを持つ車体は、曲がる時に描くカーブの弧が意外に小さく、体が横に振られることがない。
 
開発チームを率いてきた清水浩教授は、エリーカが一番すごいところは、特別の運転技術を持たない普通の人でも同じ加速を楽しめることだと言う。今までの電動自動車はガソリン車のエンジンをはずしてモーターを入れた、いわゆる改造車だったので、車の性能を向上させることができなかった。だがエリーカは最初から電動自動車として設計されているので、超高性能が実現できたのである。

(C)2007 Electric Vehicle laboratory of Keio Univ.
エリーカ公式サイト http://www.eliica.com/

作家、李鋭氏が来日

国際交流基金の招待で、中国人作家の李鋭(リー・ルエイ)氏が11月2日から15日まで日本を訪れ、在日中国人作家、毛丹青氏と共に大阪、東京、仙台、北海道の函館で「中国と私の文学の道」と題した講演会を行った。魯迅が留学していた仙台では、魯迅が講義を受けた階段教室も見学した。

国際交流基金の応接室で、口ひげをはやした李鋭氏は真剣な表情で記者に対して訪日の感想を語った。彼によれば、今回は清水寺や嵐山だけでなく、六本木や銀座も歩いたが、最も印象が深かったのは、織田作之助の小説「夫婦善哉」や藤島恒夫の流行歌「月の法善寺横町」の舞台である法善寺横町だったとのことだ。

その晩、毛丹青氏に連れられて、李鋭氏は赤提灯のともった法善寺横町を訪れた。すると、青い苔がびっしり生えたお地蔵さんの前にたくさんの日本人が並んでいる。会社帰りのサラリーマンも、夕飯の買物に来た主婦もいるし、老人や子供もいる。彼らはひしゃくに水を汲み、高いところからお地蔵さんに水をかけている。水滴が苔から滴り落ち、赤提灯の下できらきらと輝いている。人々はみな、たいへん敬虔な様子である。李鋭氏は、こんな小さな体験が彼を非常に感動させたと語った。なぜなら「日本の伝統は、生きている伝統」であり、今の中国はどこもかしこも旅行産業化して「もう伝統のすばらしさが感じられなくなっている」からだというのだ。

李鋭氏は「週刊東京流行通訊」の読者へのメッセージとして、このように語ってくれた。「誰でも若かったときがあります。若いときはあっという間に過ぎてしまうので、そのときを大切にしなければなりません。若いときは、できる限り自分を試してみることです。唐詩に『花開堪折須折、莫待無花空折枝』(花が咲いて折る価値があるときに折りなさい。花が散ってから花のない枝を折っても無意味だから)とあるように。」

李鋭氏は現代の中国文壇で「ノーベル文学賞に最も近い」とされる作家である。1950年9月に北京に生まれ、1969年に山西省呂梁山区に下放した。1984年、遼寧大学中文科を卒業。1988年に山西省作家協会の専業作家(プロの作家)となり、2003年10月、山西省作家協会副主席の職を自ら退くと共に、中国作家協会も脱退。2004年3月、フランス政府から芸術文学騎士勲章を授与された。代表作には、「厚土」、「銀城故事」、「無風之樹」、「太平風物」などがある。

Photo by Mao Danqing
国際交流基金/李鋭氏講演会
  http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/kaiko/kouen17.html (日、英、中)

「鏡音リン」さっそうと登場

声優の声を使い、人間の声に近い自然な歌声を合成して歌を歌わせる話題のオンラインアイドルソフト「初音ミク」について、本メルマガでもご紹介したが、まもなくその二代目が登場する。その名は「鏡音(かがみね)リン」。正式な発売は12月下旬だが、かつて「初音ミク」ブームを巻き起こした「にこにこ動画」サイトでは、発売に先立って「鏡音リン視聴動画」がアップされ、ファンたちの間で反響を呼んでいる。

クリプトンフューチャーメディア株式会社が発売するこれらのソフトは、メロディーと歌詞を入力すると楽曲を製作できる「キャラクター・ボーカル・シリーズ」で、その二代目は「初音ミク」と同様、電子合成音を本物の人の声そっくりにするために開発されたヤマハの音声合成装置「VOCALOID 2」を利用し、声優の下田麻美の声を原型として用いている。

「鏡音リン」の歌声は、声の通りがよく、言葉が聞き取りやすいのが特徴で、パワフルなダンスやポップス、歌謡曲などで実力を発揮する。また男性的な要素を加えると声に重力感が出るようになり、女性的な要素を加えると電気的なビリビリした声になって、やや音声ロボット的な特徴が加わる。

「鏡音リン」のキャラクターデザインは、「初音ミク」を作り出したイラストレータのKEI氏が担当した。「鏡音リン」と「初音ミク」の間の血縁関係などは、正式には決定されていないそうだ。

(C)2007 Crypton future Media, Inc.

VOCALOID 2公式サイト http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid/

四季を通じて春のような「鷺島」ことアモイでは、「紅葉は二月の花より赤い」と言われる秋の色を見つけるのは難しい。暑い夏の太陽が去った後の赤レンガの大学の建物群は、おだやかな秋風の中で落ち着きを見せている。だが、今新しい衝撃が学生たちの青春の熱い血をたぎらせ、今までにない感性の到来に対して大きな期待が寄せられていた。

70歳を超え、髪に白いものの混じる黒川雅之氏が、一衣帯水の日本から、沿海都市の若い学生たちの中へとやってきた。その優しさあふれる顔には、いつも親しみやすい微笑がたたえられ、大盛況の四回にわたる講演に2000名以上の聴衆が熱狂した。黒川氏は、非常にわかりやすい言葉で語り、視覚に働きかける美しいスライドを用い、さらに聴衆を沸かせる、生き生きとした事例も加えて、逆光の美、向こうへの期待、トリック、偶然性など17のポイントに関して、彼の「デザインの修辞法」という壮大で絢爛な絵巻物を繰り広げて見せてくれた。デザインという独特な文化の創造は、人文的思想と精神の融合にまで昇華し、学生たちの心にしみこんだのである。

スターやアイドルに夢中になり、拝金主義にどっぷりつかったこの世代の若い学生たちをこのように大勢引き寄せて、一人の年配者の講演に夢中にならせたのは、一体何だったのだろうか。好奇心にかられて世界的デザイナーの姿を見に来たというだけではないだろうし、権威を妄信して、その姿を仰ごうと集団につられてやってきたのでもないだろう。その押し寄せる聴衆の中に巻き込まれながら、彼らの純真な視線と笑顔を感じ、強烈な知識欲と生命力をはっきりと感じ取った。この物欲ばかりの社会にあってこそ、黒川氏の真実に帰り、原点を捜し求める勇気と力が本当に必要とされ、それこそが心の琴線に触れるすばらしさなのだと、心から感じた。

また、黒川氏は中国文化に対する尊敬と再認識によって、歴史遺産の永定土楼の厚みのある壁に対してだけでなく、飛行機の窓から眺めた高層ビルが林立するアモイに対しても、時空を超越した狂喜と冷静さをもって見つめている。ある学生はブログで、このように書いている。「黒川先生は、中国がとっくに失ってしまった思想と境地を真に体現している。そして彼の力によって、日本の現代のデザイナーたちに影響を与えている。」講演が終わった後、黒川氏の周囲に集まってサインをもらったり一緒に写真を撮ったりして大喜びしていた大学生たちの生き生きとした表情が、黒川氏のアモイにおける忘れがたい瞬間と共に、各大学の歴史に加えられたことは間違いないだろう。

→四ヶ月前にこのメルマガの「黒川雅之特集」を読み、さらにネット上でも黒川先生の上海での講習の盛況を拝見して、「先生に廈門(アモイ)大学に来ていただけないかどうか連絡をとってもらえませんか?」というメールをお出ししたのですが、その夢が叶うとは、本当に信じられない気持ちです!!!みなさんのご尽力に、感謝の気持ちでいっぱいです。【アモイ 一読者

←一読者さんの提案に私たちの心が動いたことと、黒川先生が中国の学生たちに現代デザインのコンセプトを伝えるのを人生の楽しみにしていらっしゃることとによって、多くの人々が心を合わせて協力し、この素晴らしい結果を生み出すことになったのです。「国際的巨匠と鷺島の学生たち」(仮題)という特集を現在計画中です。近日中に公開しますので、ご期待ください!

→気がつくと、「東京流行通訊」は二年の間私と共にあって、生活の中で欠かせない部分になってしまいました。毎週届けられる東京の多元的な情報は、長年日本文化を愛し、日本の歌を聴き続けてきた私に、まるで日本や東京がすぐ近くにあるように感じさせてくれます。芸術、創作、メルマガ文化が大好きな大学四年生の私にとって、「東京流行通訊」に参加することが心からの夢なのです。【成都 Lain

←Lainさんのブログを開くと、芸術的な雰囲気がいっぱいに広がります。歌、映画、アニメ、さらには脚本と、私たちは大いに楽しみ、感動し、あなたを抱きしめたいぐらいの気持ちです。時間があるときに、是非投稿してください。また、いつか成田空港であなたをお迎えする日を楽しみにしています。

→日本人がどのようにクリスマスを過ごすかに関する最新の情報はありますか?【花蓮 馥郁

←以下のサイトを参考になさってください。
●クリスマスのイルミネーション
●クリスマスに月をプレゼント
●ホテルの豪華なクリスマス

【編集部からのお知らせ】

日本で人気を誇る「SOYJOY」が先週(11月22日)に香港に上陸しました。我々は「特別増刊第16号」を発行し、「SOYJOY」の誕生と人気の秘密をご紹介する予定です。是非ご覧いただき、貴重なご意見をお寄せください。

 

最高!クリスマスツリー
11月23日、上鉢石町の日光金谷ホテルで、生木で日本一高いといわれるクリスマスツリーの点灯式が行われた。ツリーはホテル玄関横にある高さ約28メートルのヒマラヤ杉で、クレーンを使い2日間で約3000個の電飾を取り付けた。

 
 
ALAYA