2006年12月22日第48号(通巻第64号) 毎週金曜日発行 ブログ 中文簡体 中文繁体
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ファッション・イベント

情趣に満ちた銅版画

去年の9月、東京メトロすべての地下鉄駅構内にこのような目を惹くポスターが出現した。

草花の模様を背景に憂いをたたえた少女がうつむいている姿は、まるで自分の心から湧き出る想いに耳を傾けているようだ。…この美しいコンサートのポスターに、周囲を行きかう人々はみな足を止めてひとしきり鑑賞し、言葉にしがたい情趣に心が共鳴するのを感じていた。

このポスターに起用された作品の題名は「Goodbye To Romance」。若い銅版画家・岡本玄介の作品で、好評だったので、その直後にはプリペイド式乗車券(パスネット)の起用も決定し、30万枚発行された。

岡本玄介はロサンゼルスシティカレッジの平面デザイン科を卒業し、在学時より銅版画制作を始めて10年あまりになる。彼は酸液を使ったエッチングを用いて、絵の中の人物に呼び掛けたら画面の外に出てきてしまいそうな生き生きとした作品を創り出す。

岡本氏の版画は多くが女性(特に西洋の女性)を題材としており、これは版画界では非常に珍しい。「美しい風景を絵にすることができるのなら、女性を銅版画の主人公にしてもいいでしょう。私は、女性が世界で最も美しい創造物だと考え、特に西洋の女性は古代ギリシャ彫刻のようで、絵にすると非常に立体感があるので私の画風に合っています。」と岡本は言う。

岡本氏は優れた国際人でもあり、日々銅版画技術の研鑽を積むと同時に、東京、ニューヨーク、プラハ、上海、杭州、天津などで積極的な個展や団体展開催・参加で大成功を収め、その作品は国内外で益々注目されている。(劉詩音執筆)

岡本玄介の代表作

●「Day dream」岡本の版画作品の原点。和服を着た舞妓が縁側に座り、庭先を眺めながら夢想にふける夏の午後を描く(下の画像の左)。

●「Desire For New Days」全作品中で最も評価が高い一枚。アジア的なレース模様で女性の柔らかな美を表現し、女性は落ち着いた表情で揺ぎない視線を見せている。セピア色の画面は古い写真のようで、濃厚なノスタルジーを感じさせる(一番上の画像の左)。

●「Goodbye To Romance1」評判を呼び、パスネットにもなったコンサートのポスターの元作品(一番上の画像の右・二番目の画像の下)。

●「Gone With The Wind」雲が柔らかくなびく秋の日の北京を舞台に、少女が遥か遠くを眺めている情景である(三番目の画像の上)。

(C) www.geon-web.com 2006
岡本玄介公式サイト http://www.geno-web.com/
 岡本玄介氏のブログ
 http://geno-web.jugem.jp
 
観光スポット・グルメ

クリスマスイルミネーション

今年日本で年を越す華人の皆さんも多いようだが、もしクリスマスを東京で過ごすことができるなら、是非以下のポイントを訪れて、すばらしいイルミネーションを楽しんでほしい。

お台場
アクアシティに今年は、たくさんの唐辛子を飾った韓流スターツリーが登場している。デックスビーチの台場メモリアルツリーは毎年イルミネーションデザインを変えており、ここでレインボーブリッジを背景に写真を撮るカップルも多い。ビーナスポートのイルミネーションは時間と共に表情を変えて、たいへんロマンチックである。

六本木
けやき坂のクリスマスイルミネーション「SNOW & BLUE」は、六本木付近の坂道に約400メートル続き、白と青のLEDで美しく幻想的な「雪の並木道」を演出している。66プラザのイルミネーション「8 SPARKLING LIGHTS」は、雪をイメージした白と女性のようなピンクが美しく調和し、深みのある空間を作り出している。

東京タワー
15メートルのクリスマスツリーに15000個のイルミネーションとオーナメントが飾られ、柔らかな黄色い光を発して、夜空にそびえる東京タワーと競い合っている。またツリーにはウインドチャイムが飾られ、風に吹かれて発する音色も楽しめる。ツリーの周囲には「夢の国」から「光の国」へ進む「銀河鉄道333」の光オブジェが設置され、去年大好評だった「恋人たちの光のベンチ」など、全部で40000個の光ファンタジーが迎えてくれる。

皇居外苑
「平和な時代は地球環境保護から」という理念に基づき、キャンドルを主な光源とし、日本の著名人や千代田区の小学生たちが描いた「地球、環境、平和」に関する絵画作品を展示している。青い地球をイメージした淡いブルーの樹木と水の照明、そしてキャンドルの映し出す明かり絵が巨大な幻想世界を作り出している。

 
車・ドライブ・F1

居眠り防止装置

運転中に居眠りをしたら一大事だ。あっという間に命を失うことになるかもしれない。だが日本の高速道路は両側に高い保護壁が設置されている場所が多く、高速走行中に周囲の景観が変わらないため、運転していて睡魔に襲われる可能性が高い。……居眠りを防ぐいい方法はないだろうか?

そこで登場するのが、手ごろな価格で購入できる居眠り防止装置「NAP VIEEB(ナップ・ヴァイーブ)」である。この装置は精密なハイテクを使用しているが、値段は安い。耳にかけるバイブ式の装置で、価格はわずか1800円である。口コミで広がって、すでに7万個も売れているという。

この製品の原形は「NAP ALARM(ナップ・アラーム)」で、居眠りをすると電子音で注意するものだったが、タクシー運転手やサラリーマンが「人に知られない」装置を希望したため、このバイブ式が開発された。

ナップ・ヴァイーブを耳にかけ、居眠りをして頭がカクンと傾くと、内部の鉄の玉が電極に触れて強烈な振動を発する。人が居眠りに入る瞬間には、脳内にα波が発生して眠気をもよおす。したがって、頭がボーッとしてきたら装着すると効果的だ。

東京都大田区の自動車部品販売会社「鷹乃羽(たかのは)」がこの世界初の居眠り防止装置を開発してから、たいへんな反響を呼び起こし、現在はアメリカ、スペイン、イタリアなどにも輸出されている。

お客を乗せるタクシーの運転手に、徹夜仕事の後に電車に乗って乗り過ごしたくないサラリーマンに、あるいは無呼吸症候群で停車駅を通過してしまった新幹線の運転手に、ナップ・ヴァイーブは必需品と言えるだろう。
(C)2006 Takanoha & Co., Ltd.
「鷹乃羽」公式サイト http://www.takanoha.info/index.html
 
イベント掲示板
12月22日(金)「100万人のキャンドルナイト」日本全国
100万人のキャンドルナイトを呼びかけます。みんなでいっせいに電気をけしましょう。

12月23日(土)「のだめフェスティバル」国際フォーラム

ドラマ化・アニメ化で爆発的な人気を集めているコミック。
12月24日(日)「パキスタン地震被災地の写真展」銀座
地震から4ヶ月が過ぎた村の人々、とりわけ子どもたちの被災生活と再スタートを記録したものです。
12月25日(月)「横浜氷川丸とマリンタワーXmas」横浜
氷川丸とマリンタワー特別イルミネーション。
12月26日(火)「Obetomo展」開催 東京表参道
青山アパート時代から、多くのアーティストたちに支持されてきたギャラリー80が、再びオープンいたしました。
12月27日(水)「Happy Christmas from Savignac」
20世紀を代表するポスターアートの巨匠レイモン・サヴィニャックの企画展。
12月28日(木)DS「ドラゴンクエストモンスダーズ最新作」
さまざま戦いの舞台が、マスターの訪れを待っている。
日本のナンバーワ

日本最大な破魔矢
大分市内の男性が奉納した、長さ11.2メートル重さ600キロある大きな鉄製の破魔矢をクレーン車を使って関係者およそ8人で設置した。設置された破魔矢には2007年の干支のイノシシをあしらった大きな絵馬や鈴などが取り付けられ最後に清め払いがあった。この大きな破魔矢は1月いっぱい護国神社に奉納される予定である。

日本一背の高い雪だるま
青森県黒石商工会議所などでつくる「津軽くろいし日本一の雪だるま実行委員会」が2002年2月21日、南八甲田の高原にある黒石市大川原の沖揚平地区で、日本一高い31.425メートルの雪だるまを完成させた。胴体が高さ約20メートル、直径が約45メートル、頭が直径約10メートル。目には青森県陸奥湾産のホタテの貝殻、口にはリンゴを使った。

日本一小さい銅板製折鶴
兵庫県養父市の小野山進さんは、今年9月28日、自宅工場で4ミリ四方、厚さ0.1ミリの銅板で50円玉の穴に入る折鶴を完成させた。高さは約1ミリで、羽を広げた大きさ3.5ミリ(50円玉の穴の直径4ミリ)少し余裕があります。拡大鏡と二本の先細ラジオペンチを更に薄く研磨した道具を使い折りあげた。

日本最大の歌詞検索サイト
「うたまっぷ」は、Yahoo!ミュージックで採用されている日本最大の歌詞配信サイトで、昨年の「Yahoo!Web of the year」 エンターテインメント部門においても3位に選ばれている超人気サイトである。最新のJ-POP・TV主題歌・アニメ・演歌から自作投稿歌詞まで、約30万曲以上の歌詞を検索・閲覧が可能。 「うたまっぷモバイル」では、PCと同様30万曲以上の楽曲を無料で配信する。

最大級のモータースポーツイベント
「モータースポーツ・ジャパン2006フェスティバル・イン・お台場」は、日本のモータースポーツ全般を楽しめるように趣向を凝らした今までになかったイベントだ。開催された2日(9/23-24)間は連休中であったとともに、秋晴れに恵まれたこともあり、のべ11万2000人もの入場者を数えた。

「週刊東京流行通訊」を通じて、アラヤが創意に溢れた将来性のある会社だと知りました。メルマガがますますすばらしいものになり、会社がますます発展しますように。【台湾 伊方人

→メリークリスマス!そしてよいお年を!この挨拶を交わすのが何回目になるか、もう覚えきれません。またAIBOからの挨拶を受け取るのを楽しみにしています。【オーストラリア 孤独な羊飼い

「週刊東京流行通訊」への掲載ありがとうございます。記事の内容はとても気に入りました。写真もすごくいいです。僕の活動を多くの人に知ってもらうチャンスをいただけたことを嬉しく思います。【藁造形作家 村上裕介

→メルマガの掲載サンプルを拝見致しました。盛りだくさんで、ごった煮な「第24回デザイン・フェスタ」の魅力がとてもわかりやすい素晴らしい記事ですね。私のことも良く書いていただいて、どうもありがとうございます。【日本 sioux

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先端技術・出版・雑学

東京駅の不思議な実験

日本を訪れる外国人にとって、通勤ピーク時に駅の構内に人が溢れる情景は印象深いものがある。この人間たちのエネルギーをうまく利用して、何かすることはできないものだろうか?

10月16日から12月中旬まで、JR東京駅では乗客が改札口を通過する時の振動を利用して発電するという不思議な実験を行なった。その目標は、「乗客が歩く力だけで自動検札機を動かす」ことである。

これはJR東日本と慶応大学が共同開発したシステムで、「圧電素子」と呼ばれる、振動によって電力を引き出す装置を地下に埋めて「発電床」を構成する。直径3.5センチメートルの鉄の円盤である「圧電素子」は、一般のスピーカーに使用される材料である。「発電床」は音楽用のスピーカーと同じ原理であるが、スピーカーとは逆に乗客が床を踏む時の振動から電力を取り出すという仕組みになっている。

丸の内北口の通行者が比較的集中する6つの自動改札に、この実験装置が設置された。一人の乗客が改札を通過するごとに、約70〜100ミリワットの電気が発電され、改札口側面に設置したパネルに実際の発電量が表示される。東京駅は毎日約70万人が利用するが、全改札に設置しても発電量は100ワットの電球が10分間点灯する約70キロワットに過ぎない。今後は、発電効率をいかに高めるかが重要な課題である。

床を踏むと直ちに電力が表示されるために、太った乗客がいやがらないだろうかと心配する声もあった。だが実際は、発電と重量あるいは重力とはあまり関係がなく、床を力いっぱい踏むよりも圧力を受ける「圧電素子」の個数を増やすほうが発電効果が高まるのだそうだ。皆さんが今後東京駅の改札を通る時は、歩幅を小さくすることをお勧めしたい(笑)。
(C)2006 East Japan Railway Company
JR東日本鉄道株式会社公式サイト http://www.jreast.co.jp/
 
ゲーム・キャラクター

花との交流を楽しもう

イー・レヴォリューション株式会社ではクリスマスの翌日に、西洋の神話や童話のような夢を現実に変える楽しい玩具「communication flower花言葉」を発売する。妖精ピックを挿し込んだ花瓶や植木鉢の花や葉に触れると、こびとが花の心を通訳するように話しかけてくる。

落ち込んだ時、考え事をしている時、楽しい気分の朝、幸せな夜……答えてくれないことはわかっていても、花や植物と話をしてみたくなることがある。花や植物を見つめていると、彼らが話しかけてくるような錯覚を覚えないだろうか?

「communichttp://img.tokyo-fashion.net/feature/004/tokyo-fashion-20061208(feature04)-jp.htmlation flower花言葉」は、そんな願いを満たしてくれる。花と水がいっぱいの花瓶に妖精ピックを挿して、花や葉を触ってみると、こびとが200種以上の言葉を話してくれる。「いいにおい?」、「もっと遊ぼう」、「お疲れ様」、「可愛いね」などの言葉がある。花が話しかけてくれると不思議な気分になって、疲れも忘れて心が慰められる。

こびとには「げんきこびと」、「のんびりこびと」、「がんばりこびと」の三種類があり、それぞれ異なる色の三角帽をかぶって、異なる色の直方体の台に坐っている。胸のボタンからはLEDの光線を発し、幻想的な雰囲気に満ちている。

「communication flower花言葉」のサイズは (H)175x(W)65x(D)65mmで、単三電池三個で動く。販売価格は4179円である。
(C)e-Revolution Co., Ltd. 2006
e-revolution公式サイト http://www.e-revolution.co.jp/
 
編集後記

街にクリスマスソングが流れ、間もなく除夜の鐘が鳴り響いて希望に溢れた新年がやってくる。2007年の足音が一歩一歩近づいてくるこの季節、一つアメ横に出かけて、東京人がお正月の準備をする年末の温かい雰囲気を体験してみよう。

JR御徒町駅で下車し、線路に沿って少し歩くと巨大な「アメ横」の看板が出迎えてくれる。電気機器の秋葉原、書籍の神保町、玩具の蔵前などの専門の街を除くと、東京で日用品と雑貨を売る有名な場所と言えば「アメ横」が筆頭に上がる。道の両側はすべて店舗、店舗、店舗である。魚屋、靴屋、時計屋、洋服屋、アクセサリー店、菓子屋……それらがどこまでも続いており、高架橋の下に逃れても、そこにもさらに飲み物の店や化粧品店が軒を並べている。

平日は約25万人、12月下旬には100万人以上の人が訪れ、この広くもない道を行きかって、押し合いへし合いし、たいへんなにぎわいを見せている。アメ横がお客さんを引き付ける最大の秘密は、「何でもあること」、そして「いいものが安く買える」ことである。上野駅に近い「アメ横センタービル」にはほぼあらゆるジャンルの店舗が入っているので、買出しをここから始めるのが便利である。ほしいものが視界に入ったらすぐに店員と交渉し、満足できる商品を手に入れられる。

新年の買い物といえば、若者は専門店、母親はデパート、父親はゴルフ用品店、祖父母は近所の商店街に行くなど、家族がばらばらに買い物をすることが多いが、アメ横なら家族全員がほしいものを見つけることができる。おばあちゃんの好きな日本茶の店のそばに、孫のほしがるスポーツシューズの店があったり、おかあさんの化粧品買いに付き合って疲れているお父さんのためには、その隣になかなかいい時計屋があったりという具合である。もちろんおせち料理に必要な各種食材もここで一挙に手に入れることができる。

安い価格で評判を勝ち取ったアメ横。元気でにぎやかな販売員の呼び声に、日本の新年への新しい希望が感じられる。