2006年10月27日第41号(通巻第57号) 毎週金曜日発行 ブログ 中文簡体 中文繁体
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ファッション・イベント

アラーキーの東京人生

「天才アラーキー」と呼ばれる荒木経惟(あらき・のぶよし)は世界的にも有名な日本人カメラマンである。彼は1960年代から社会に対して挑戦し続け、常に時代の最先端を走ってきた。今までに350冊以上の写真集や著作を発表し、毎年国内外で個展を開催するなど、日本の写真界に大きな影響を与えてきた。

10月17日から12月24日まで、両国の江戸東京博物館で「東京人生」と題した展覧会が開催されている。これは、荒木の電通勤務時代から現在までの約四十年間の作品を集めたものである。

1940年に東京の下町に生まれ育った荒木は、「東京」の街、人々、時代を撮り続けてきた。「東京人生」は旧作400点と新作200点を展示しており、彼の「東京人生」の集大成といえる。また大型スクリーンには、今年7月に撮影した170点の作品を映し出す。今までに公開されたことのない1960年代から1970年代前半までの作品も多数出展されている。展覧会を通じて、現在進行形のアラーキーの姿も知ることができる。

豊富な内容で作品の魅力があますところなく紹介されているだけでなく、これらの作品を通して、時代と共に変遷する「東京」という都市の姿が浮き彫りになり、ここに住む人々の生と死、孤独と悲哀が、生き生きとした画面によって表現されている。

荒木は言う。「写真はただの日記。その日の記録にすぎないよ。でも永遠性があるかもしれない。その二つの気分を入れている。写真なんて作品じゃないよ。ささやかな享楽だね。一枚一枚というよりも、輪廻転生、流れを見てほしいね。」

荒木経惟の「東京人生」は、彼の「撮影家人生」なのである。

(C)2006 ARAKI Nobuyoshi and eyesencia

荒木経惟公式サイト http://www.arakinobuyoshi.com/
 
家電製品・IT情報

街頭地図のデジタル化

先週の月曜日(10月16日)、JR渋谷駅周辺に日本初のネットワーク式「デジタル地図案内板」が登場した。これは東京電力が3年前から進めてきた研究開発の結果が、東京都と渋谷区の賛同を得て実現したものである。

案内板の高さは2.4メートル、幅は1.1メートルで、指一本で地図を拡大、縮小することができ、半径1.5キロメートルの地域をカバーしている。日本語、英語、中国語、韓国語の四つの言語に対応しており、グルメ、ファッション、音楽、天気、ニュースなどの情報や、店舗、事務所、公共施設を検索する機能を備えている。光ファイバー回線で中央から管理と運営が行われ、地図情報の変更なども管理センターから随時行うことができる。

道案内の資料というと、旅行案内所に置かれた無料地図を利用することが多いが、「デジタル地図案内板」の登場で、マルチメディアがついに紙のメディアを超えたという感を深くする。現在設置されている従来の案内地図の多くは自治体が税金で作ったものであり、頻繁に交換することが難しいので、街の急激な変化についていけなくなっている。地下鉄の駅も含めて、現在は基本的に紙を張って修正する方法を採っている。

「デジタル地図案内板」はQRコード、非接触ICカードなどによって携帯とつなぐことも可能だ。行きたい場所の検索情報を携帯に転送したり、レストランのクーポンや映画情報などを得たりすることもできる。「デジタル地図案内板」のサービス時間は9時から24時までである。

案内板は、広告収入で運営することを目標にしている。現在は1年間のテスト期間中で、法律上の対応措置、景観に対する影響、使用の利便性、広告クライアントの反応などを調査することになっている。
(C)2006 TEPCO
デジタル地図案内板」ニュースリリース http://www.tepco.co.jp/cc/press/06100203-j.html
 
観光スポット・グルメ

紅葉の名所ランキング

十月は紅葉鑑賞の季節である。Yahooトラベルのページでは、クリック数によって、人気のある日本の紅葉ポイントの統計を行なっている。さて、ベスト5はどうなっているだろう?

No.1 嵐山(京都) 11月中・下旬が絶好のシーズン。渡月橋の川沿いからの眺めは絶景である。

No.2 三千院(京都) 11月上旬から下旬が絶好のシーズン。緑の苔に散り積もる紅葉が美しい「有清園」は、のんびり散歩するのにお勧めだ。

No.3 層雲峡(北海道) 9月上旬から下旬が絶好のシーズン。大雪山層雲峡ロープウェイで山頂付近まで行くと、360度の紅葉のパノラマが楽しめる。

No.4 立山黒部(富山) 10月上旬から下旬が絶好のシーズン。海抜約2000メートルの弥陀ヶ原は、斜面に広がる紅葉が壮観だ。

No.5 清水寺(京都)11月中旬から12月上旬が絶好のシーズン。寺の建造物が紅葉の色を引き立てて、たいへん美しい。また、夜間はライトアップされ、光に照らし出された紅葉は幻想的である。

 
イベント掲示板
10月27日(金)「HAZARD 写真展」 原宿
オダギリジョー主演映画HAZARD撮影中に取りおろされた写真を展示。メイキング映像も。
10月28日(土)「ジャパン・ビア・フェスティバル」 横浜
入場料だけで、約200種類のビールを一回50mlずつ何回でも試飲できる。
10月29日(日)「第134回天皇賞」 東京競馬場
秋最大のG1レース。栄冠は誰の手に??
10月30日(月)「恵比寿メモリアル2006」 恵比寿
JR恵比寿駅100周年を記念して、「We Love恵比寿」をスローガンに祭りや写真展を開催。
10月31日(火)「東京デザイナーズウィーク2006
デザイナー・デザイン企業が集まり、様々なコンテンツで「LOVE」というテーマを発信。
11月1日(水)「体にやさしいスイーツ」 全日空ホテル
四種類のスイーツを展開。健康になりたいスイーツファン必見です!
11月2日(木)「イオン日米野球2006」 東京ドーム
ファン投票による日本選抜とMLB選抜が対戦!日本人対決も見られそう!?
日本のナンバーワ
最も小さい銅板製折鶴
兵庫県の小野山進さんは2006年9月28日、自宅工場で銅板で日本一小さな折鶴を完成させた。0.1mm厚、4mm角で作られ、高さ約1mm、幅3.5mmと五円玉の穴(直径4mm)の余裕で入るのだそう。

最も同一誕生日の多い世代数
横浜市お住まいの増田浩司さんは四世代にわたって、誕生日が同じ3月26日で、日本一の記録となった。曾祖父の金守さん、祖父の三七男さん、本人の浩司さん、さらに次女の光音ちゃんの四世代である。

→「東京流行通訊」(日本語版)が、1才のお誕生日を迎えられました!お祝いと感謝の意味を込めまして、ささやかながらメールをお送りさせていただいております。【めろんぱん事務局 中島明

→このメールマガジンは中国でもよく知られており、これが契機となって、あるいは一つの要因にもなって、美容、コスメ、オーディションなどのブームが中国で沸き起こっている。【中国新聞社編集委員・サーチナ総合研究所客員研究員 劉莉生

→「東京流行通訊」はコンテンツが幅広くて、日本人が読んでも本当に楽しめますね。これから活用させて頂きます。【デザイン・フェスタ 福田美紀子

→十二月に東京に自由旅行に行くので、情報を求めてこのブログに来ました。日本の情報をがんばっていろいろ伝えてください。また来ますね!チャオ〜【イタリア イーイー

→流行通訊の日本語のブログには大きくてすてきな東京の写真がいっぱいあるのに、どうして中国語簡体字繁体字のブログにはないんですか?不公平だと思うなあ。【福州 李芯甜

【編集部からのお知らせ】

本メルマガの発行人である中嶌重富の著作、「56歳での起業。」が只今絶賛発売中。詳細はこちらへ。

●国際交流基金・日中交流センターの公式サイト、「月刊心連心マガジン」の創刊号が新たに公開されました。

札幌ホテルからの紅葉
ハリストス正教会
九十九里浜
本願寺
配信サイト
ALAYA
芸能・ドラマ・音楽

赤西仁が留学!

超人気グループ「KAT−TUN」の赤西仁が今月12日、所属するジャニーズ事務所を通じて突然「半年間の海外留学」を宣言した。どこの国に行くのかは、まだ発表されていない。今年3月に初めてのCDを発売し、SMAPの後継者と言われていた6人グループに、一体何が起こったのだろうか?

KAT−TUNの亀梨和也主演のドラマ「たったひとつの恋」では、KAT−TUNが主題歌を担当したが、先月末の収録時に赤西の姿はなかった。ジャニーズ事務所によれば、赤西が以前から留学を希望していたことは承知しており、デビューしたての新人だったので認めなかったが、決意が固かったので半年の留学を許可したのだという。だが事務所では、赤西はいずれ復帰するのであって、グループを抜けるのではないということを強調している。

赤西仁はKAT−TUNの中で、亀梨と並んで人気トップであり、KAT−TUNのファンたちはここ数ヶ月、赤西のことを「疲れてるんじゃない?」「元気がない」と心配していた。ネットの掲示板には、女性ファンたちの悲痛な叫びがあふれ、1000以上の書き込みがあった。

赤西の出演した収録済みのドラマや、NTTDoCoMoのテレビCMなどを今後どうするのかも頭の痛い問題だ。また、ファンに何のあいさつもなくグループを離れるということから、グループを脱退する可能性も否めない。

KAT−TUNは今後、しばらく赤西以外の5人で活動を続ける。甘いマスクと優れた歌唱力、時にはわざと冷たくしたり、時には恥らうような表情を見せたり、そんな独特な個性を持つ赤西の存在は、すでに多くのファンの心に深く入り込んでいる。

赤西仁がまたKAT−TUNに戻ってきて、以前のままの姿を見せてくれることを祈ろう。
(C)2006 Johnny&Associates.
只有赤西仁 http://hompy.netvigator.com/main/page/reecheung
 
ゲーム・キャラクター

漫画連載30

近頃出版された一冊の漫画本に対して、こんなにもたくさんの漫画ファンが、大いなる興味と熱烈な思いを抱いていることには驚かされた。

その本の名は「超こち亀」。実在の地名をタイトルに用い、週刊少年ジャンプに30年間連載を続け、一度も休載することのなかった人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が、連載30年を記念して特集本を出版したのだ。

「超こち亀」には、少年ジャンプに執筆した各世代の人気漫画家と、他の雑誌のベテラン漫画家87人(コラボ漫画を入れると92人)が寄稿している。これは日本の漫画界初の快挙であり、おもしろくないわけがない。売り出されたと思ったら、あっという間に売り切れ、すでに三回重版されているが、それでも需要に追いつかない。

このように多くの漫画家たちが一人の漫画家のために集まることは日本の漫画界では前例がなく、原作者の秋本治氏の人気を物語っている。秋本氏のように漫画に打ち込む作家もなかなかいない。彼は漫画への深い気持ちを、すべて作品を通して読者に伝えてきた。30年間連載を続けている「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、単行本で現在151巻で、日本の漫画史における傑作のひとつである。

「超こち亀」は集英社から出版され、価格は2100円である。(本文は雑誌「R25」の文章をリライトした)
(C)秋本治・アトリエびーだま/集英社
「超こち亀」公式サイト http://www.j-kochikame.com/
 
編集後記

世の中に次々と新しいスターやアイドルが登場し、彼らを追いかける熱烈なファンの群を生み出している。近年「華流」が日本に押し寄せ、「韓流」も中国に進出した。だが、美男美女たちに向けてたかれるフラッシュや、雑誌やネット、テレビなどの狂ったような報道に目がくらみ、疲れ果て、誰もが「スター」を普通の目で見ることができなくなっているのではないだろうか。

練馬区の小さな会議室で、陳坤(チェン・クン)は笑顔で我々を迎えてくれた。中国では知らない人のないこの人気絶頂のスターが、第19回東京国際映画祭に参加するために来日し、東京に一日だけ滞在していたのだ。数え切れないほどのイベントの後でも、彼の美しい顔には少しも疲労の色が見られなかった。

今までに、日本で上映された彼の主演映画は「巴爾扎克和小裁縫(日本語タイトル:中国の小さなお針子)」だけである。正直言って、私の陳坤に対するイメージは、いろいろなサイトに書かれているような「憂鬱、沈思、冷淡、思いやりの中に、やや世をすねた不遜な雰囲気をたたえた何ともいえない瞳」とか、「憂鬱で穏やかで寡黙で、人の心を打つ。魅力的な容姿の下に自分自身と同じように変わりやすい心を感じているような」などのわかったようなわからないような論評を出るものではなかった。

しかし、三十分のインタビューによって陳坤は、私やその場にいたすべての人々が心の深いところに持っていた「スター」に対する浅薄な偏見を覆してくれた。彼は、たいへん聡明で心の広い青年だったのだ。彼の簡潔な言葉によって、人と人との間の心の隔たりが少しずつ溶かされて消えていくようだった。自分が演じる役柄を吸収し同化する情熱を持った活力溢れる現代青年。平常心をもって自分の栄誉や名声を静かに見つめる年齢を超越した成熟した人物。そして慈愛の心で貧しい子供たちを助ける敬虔な仏教徒といういろいろな面を見せてくれた。

陳坤の魅力的な人格は、若い頃ドイツに遊学したときに形成されたようだ。彼は日本とドイツの類似点を簡潔にまとめてみせた。都市が清潔なこと、人間が規律正しく礼儀を重んじること、何事にも真剣かつ細心に行うこと。「私は特に意識して自分が中国人だと思ったことがありません。常に自分は地球人だと思っています。」陳坤のこの堂々とした宣言は、私という一人の漂泊者に、自己を省みて勇気を奮い起こさせる契機を与えてくれた。

ありがとう、陳坤。この幸せな出会いに感謝して、私はこれからもあなたに心からの拍手を送り続けたい。