メルマガ:音楽で食べていく方法
タイトル:音楽で食べていく方法  2005/09/04


    大胆企画
   「音楽で食べていく方法」         


                     トライトーン発行  第8号

   CM音楽制作会社で活躍しているアーティストたちが
   音楽で食べていく方法について語ってくれています。
   
   毎回、持ち回りで各アーティストが音楽の実践を語ってくれます。
   その中で、実践していくテクニック、楽しさ、裏話またプロとしての
   初仕事、仕事をもらうきっかけ などをもとに
   どうやって音楽を生業としてやっていくのかを、探っていただければ
   幸いです。(正直、我々も仕事を獲得するのに必死で頑張ってます。)
 

    目次
 
 
  1 音楽の現場から 「カラオケ制作について」  横井ラン 
  2 音作りについて 「第1回 エフェクト 基本篇(エコー)」浅賀順一
  3 気になる音楽  「サントラで嗜む極めて私的な映画紹介」 呑舎利
           



---------1 音楽の現場から------------------------------------------


    「カラオケ制作について」  横井ラン 

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    横井 ラン

   日本音楽院(現AMVOX)で作曲、編曲を学び、
   作曲家 すぎやまこういち氏に師事。
   CM音楽制作会社 有)トライトーン設立。
   主な作品 ニューバランスTVCM   ほか。


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

   あっつーい季節がやって参りました。皆様、お元気ですか。
   
   今回から、カラオケの制作についてお話いたします。

   カラオケの仕事、正直キツイっス。

   これは、アーティストというより、職人の仕事。と
   割り切らないとやれないと思います。

   仕事の概要は
   他人が作った曲をCDから音を聴き取り、忠実に指定音源を使い
   再現していく、というものです。

   何度も何度も何度も何度も曲を聴き返し、譜割はもちろんのこと
   エフェクター、奏法もできるだけ原曲に近づけます。
   
   そもそも、CDにするにはスタジオで録音し、高いエフェクターを
   駆使して制作しております。それを安価な(?)音源で表現しよう
   というのですから、かなり無理があります。でも、皆さんが
   カラオケ店でお聴きになるカラオケはそれなりに原曲と違和感なく
   聴けているのではないか、と思います。それだけ、機械の進歩と
   カラオケ制作者(エディター)の技術はすごい、というふうに
   理解してよろしいのか、と思います。

   次回から、具体的な制作過程について、お話いたします。




---------2 音作りについて----------------------------------------------

  
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     浅賀順一

     東京生まれ
     AOR、クロス・オーバー、ブラック・コンテンポラリー系の音楽から
     影響を受け、 曲作りを始めるとともに都内ライヴ・ハウスを中心に
   活動を続ける。 現在はCM音楽制作、フリーで活躍中。
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    第一回 エフェクト 基本篇(エコー)   

  皆さん、こんにちは、
  さぁ今回から皆さんのサウンドメイキングのために、
  何かヒントになっていただければという事で、あまり偉そうな事は
    言えませんが、私アサジュンがお送りして行きたいと思います。
    どうぞよろしくお願い致します。

  ○ エコー (echo)こだま, 山びこ, 反響という意味。

  エコーという言葉はよくご存知だと思います。
  そう、お風呂場などで歌って気持ちよーく響いたり、
  カラオケ・ボックスのマイクで歌うと、よく響くあの音です。
  まず自然界のエコーがどういうものなのか確認してみますと、
  音源から人の耳に直接届く音、これを直接音と言い、
  それとは逆に壁などに何度か反射して、
  遅れて人の耳に届く音を反射音と言います。
  この反射音を総称してエコーというわけです。
  ふだん我々がDTMやシンセなどで使っているエフェクターの
  残響を作り出す装置は、主にこういった自然界の残響を
  シミュレートしたものだという事になります。

  ○ ディレイ (delay) 遅れる、遅らす、遅延するという意味。
  ○ リバーブ (reverberation)反響、反射、残響という意味。

  次回に続く

   





---------3 気になる音楽------------------------------------
   

    「サントラで嗜む極めて私的な映画紹介 5 」 呑舎利

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       呑舎利 (どんしゃり)

   "呑舎利組合"主宰。
   一応音楽の学び舎を卒業しているらしいが、多くを語ろうとしない。
   長い修行・熟成の期間を経て、
   いよいよ音楽業界へ本格的なダイブを画策中。
  
    「和」を声高に叫ぶ割に、時折妙な日本語が飛び出す。
     ラーメンより蕎麦好きなのは「和」どうこう以前に内臓年齢がヤバい
   証拠。
     ちなみに、実年齢は内臓ほど年老いてはいない。

     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
   第5回
  
   『愛を弾く女』(1992年 仏)
      監督:クロード・ソーテ
   音楽:フィリップ・サルド(モーリス・ラヴェル)
   
   5回目にして、初のフランス映画です。
   主演は、エマニュエル・べアール。
   日本ではなにかとセクシー女優扱いされることも多いですが、
   ハリウッド進出も果たしている、言わずと知れた大女優です。
   この映画では、いわゆる劇判としてではなくストーリーの重要な鍵として
   ラヴェルの作品が意図的に使われています。
   そう、あのボレロで有名な・・というか、
   ボレロ以外では特に世の中に知られていない、ラヴェルです。

   ところが。
   ラヴェルの作品には、まだまだ世には知られていない
   隠れた名曲が沢山あるのです。
   この作品でもフィーチャーされているような室内楽作品から、
   オーケストラ作品、協奏曲まで。
   ピアノソロなんかも珠玉の出来です。
   それほど多作の作曲家ではありませんでしたが、
   現在の映画音楽の素になっている様な映像的な曲も多々あります。
   
   さて、この作品。
   ヴァイオリン弾きの女性が主人公の恋愛もの。
   まぁフランス映画にありがちのユル〜いラヴ・ストーリーです。
   ただ、映画後半でエマニュエル嬢が披露する、
   ヴァイオリンソナタの当て振り(演奏しているように見せる
      手法ですは、ユルいどころか鬼気迫る渾身の出来映え。
   ここまで「攻めた」当て振りは他に類を見ません。
   普通、手元はなるべく写さずに、なるべく誤魔化す物なのですが、
   あえて長回し。
   一見の価値アリです。


   さて先頃、ラヴェルは没後55年(通常50年ですが、戦時加算のため)
      を迎え、彼の作品群の著作権が消滅しました。
   CM等で、耳にする機会も増えています。
   
   ちなみに、この映画の冒頭に流れる「ピアノ三重奏曲」は、
   私的ベストテンでは常に3位以内の、キラー・チューン。
   いまのところ、一緒に墓に入れて欲しいCD候補の第1位です。
   劇場でこの曲が流れた瞬間には、不覚にも涙腺爆発しました。


   他では、この映画には現れませんが「ダフニスとクロエ」
     「序奏とアレグロ」「左手のためのpf協奏曲」「ト調のpf協奏曲」
     「クープランの墓(ピアノ編)」あたりは、クラシックには
      ちょっとうるさい貴方にもオススメです。。

   ラヴェルについて
   http://museum.fc2web.com/ravel/
   ココの作品リストは、かなり網羅されていますので、参考までに。 

      
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    以上、今回も内容、盛りだくさんでした。
    お楽しみいただけましたか。
  

 <<お知らせ>>

   この度、メルマガに記事を寄せてくれているアーティストら
   (横井ラン、呑舎利、多美恵)がそれぞれ、
   CDを制作、販売することになりました。
   実際にどんな音を作っているのか
   興味のある方は一度、試聴してみてください。

     トライトーン ホ−ムページ CD販売について 
     http://www.mgtry.net/item.html

                      お知らせ終わり。 


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     <注意>
 
    「音楽で食べていく方法」に記載した全文は
    トライトーンはじめ、執筆者が著作権を有するもの
    であり、固く複製禁止をお願い申し上げます。
                       
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     「音楽で食べていく方法」 は

     来週土曜日、発行予定です。
     次号をお楽しみに!!
               
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      trytone@mgtry.net  まで

             トライトーン
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