メルマガ:音楽で食べていく方法
タイトル:音楽で食べていく方法  2005/08/06


     
    大胆企画
   「音楽で食べていく方法」         


                     トライトーン発行  第5号

   CM音楽制作会社で活躍しているアーティストたちが
   音楽で食べていく方法をお教えいたします。
   
   毎回、持ち回りで各アーティストが音楽の実践を語ってくれます。
   その中で、実践していくテクニック、楽しさ、裏話またプロとしての
   初仕事、仕事をもらうきっかけ などをもとに
   どうやって音楽を生業としてやっていくのかを、探っていただければ
   幸いです。(正直、我々も仕事を獲得するのに必死で頑張ってます。)
 

 
  <<お知らせ>>

   この度、メルマガに記事を寄せてくれているアーティストら
   (横井ラン、呑舎利、多美恵)がそれぞれ、
   CDを制作、販売することになりました。
   実際にどんな音を作っているのか
   興味のある方は一度試聴してみてください。

     トライトーン ホ−ムページ 
     http://www.mgtry.net/index.html

                      お知らせ終わり。 
  


    目次
 
 
  1 音楽の現場から 「仮歌ボーカリスト」  多美恵 
  2 音作りについて 「誰でも分かるオーディオデータ圧縮 3」桝屋直紀
  3 気になる音楽  「多才な富田勲氏の音楽」 横井ラン
           

---------1 音楽の現場から------------------------------------------


     「仮歌ボーカリスト」  多美恵


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
      多美恵

     95年よりボイスレッスンを受ける
    00年よりコンペ用仮歌、ゲーム挿入歌、ケーブルTV用
    ガイドボーカル、CM曲を歌う他、作詞も手掛ける
    04年よりヒーリングのオリジナル制作に取り組む

     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
   仮歌ボーカリストになりたいとき、
   1番いいのは、作曲家もしくは作曲家になりたい友人に
   「歌わせて!」と頼むことだと思います。
   互いに、身元も人柄も知っているのが利点です。
   2番目は友人のツテを探すこと。

   私の場合は、当初、作曲家の友達やツテが
   なかったので、ネットで探しました。
   主に使たのは音楽のメンバー募集の掲示板です。

   実際に採用されるまでの流れは
   1)メールで連絡をとった後、
   2)デモや音楽暦などの資料を送って
   3)相手がOKすれば、1次のみで合格
   4)または2次の課題が出て、またデモを送ってから合格
   という感じです。

   ネットで知り合った場合、注意するのは、一般的な常識と同じです。
   今は、仮歌を家で録る作曲家さんが多くなっています。
   私の場合、初めて会う作曲家さん宅でいきなりレコーディング
   ということは、したことがありません。
   必ず一度、外で会っていました。
   直に話をし、その人が信頼できる人なのかどうか
   見極めることは、すごく大事なことだと思います。
   ネットで探すことには危険というリスクが常にあるからです。

   さて、仮歌は引き受けたあと、義務もプレッシャーも生じます。
   また、仮歌で報酬を得るというのは、稀なことなので
   はじめは勉強のためにやるという心構えがいいと思います。
   でも、作曲家さんとレコーディングする中で得ることは
   精神的にも技術的にも、とても大きいものです。


   ※注意…仮歌の作曲家を探す時は、貴殿の責任において行ってください。
     弊社、作者とも、一切責任を負いません

   

   次回は 呑舎利氏 の 映画音楽の制作 について予定しています。





---------2 音作りについて----------------------------------------------

  
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     桝屋 直紀

     明治大学 理工学部卒、AMVOX で作曲、編曲を学ぶ。
     作曲家穂口雄右氏に師事。主な作品 東邦銀行(TVCM) ほか。
 
     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 


    「誰でも分かるオーディオデータ圧縮 3」  桝屋直紀

   前回は圧縮の技術について簡単に紹介しました。
   今回は圧縮方法について説明しようと思いますが、使うソフトによって
      仕様がまちまちですので使用する用語とパラメータの使い方を
      説明しましょう。

   ●第3回 圧縮の方法

   PCでオーディオCDを圧縮するには『エンコーダ』といわれる圧縮ソフト
   が必要になります。
   圧縮することを『エンコード』と言います。また反対に圧縮データを
   再生(伸張)することを『デコード』といいます。
   エンコードとはもともと「データを符号化する」という意味ですが
   オーディオ圧縮という意味でも使われます。

   エンコードするにあたって重要なパラメータに『ビットレート』というも
   のがあります。
   「128kbpsでmp3にエンコードする」という言い方をすることがあります
   が、これはオーディオCDのデータ量約1.4Mbps(≒1400kbps)を128kbpsに
   mp3フォーマットで圧縮するということです。
   単位の「bps」は 「bit per sec」、「bit/sec」の意味で1秒間のデータ
   量を表します。
   オーディオデータ圧縮の場合、このビットレートが音質を左右する一番大
   きなパラメータとなります。

 
   その他の重要パラメータ
   
   ○『VBR』
   :「可変ビットレート」と言います。これは信号の重要なデータ(周波数
   変化の激しい場所など)にはより多くのデータを割り当て、信号の重要度
   の低い場所にはより少ないデータを割り当てるというパラメータです。
   これを設定することで圧縮率を上げることが可能ですが、256kbpsのよう
   な低圧縮の場合は逆に音質が下がる場合があります。高圧縮の場合に
   有効にしたほうが良い結果になります。
 
   ○『CBR』
   :「固定ビットレート」と言いますが、VBRの逆です。192kbpsであれば曲
   の初めから終わりまで1秒間に割り当てられたデータは192kbitということ
   になります。
   CBRはデコーダの互換性に優れています。
   
   
   今回はここまで。 次回は 続きとして

   ○『ジョイントステレオ』
   ○『LPF』 について お話いたします。

   





---------3 気になる音楽------------------------------------
   

    「多才な富田勲氏の音楽」 横井ラン


      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
      横井ラン

   日本音楽院(現AMVOX)で作曲、編曲を学び、
   作曲家 すぎやまこういち氏に師事。
   CM音楽制作会社 有)トライトーン設立。
   主な作品 ニューバランスTVCM   ほか。
 
     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

   ずばり富田勲氏の音楽が気になる音楽のひとつです。

   富田勲氏といえば
   「クラシック音楽をシンセサイザーで演奏(?)した人」
   というイメージが強いですが、

   40代以上の人に馴染みのある
   NHKの「新日本紀行」のテーマ曲を作っています。
  
   ゆったりした曲調の中に郷愁をそそる旋律がなんとなく懐かしく、
   (「ドンシャリ」氏も影響を受けているのかな?)
   その曲はどこの国の曲かと、といえば
   まさに、「日本」なのです。

   そうかと思えば
   手塚治虫氏のアニメ「ジャングル大帝」の音楽を手がけて
   いたりしていて、多才な作曲家であります。

   特にその中でも印象に残るのは
   やはり手塚治虫氏のアニメ「リボンの騎士」のテーマです。

   お聴きになった方は多いと思います。
   ちょっとメランコリックなメロディーがテーマですが   
   マイナーコードからメジャーコードに何気なく入れ替わり
   またマイナーに戻る、それが品良く繰り返されています。
   これがわざとらしくなく絶妙なタイミングで行なわれているので
   当時としてはとても「垢抜けていて」素直に「すごいな」
   と感動したものでした。

   「リボンの騎士」のストーリーは、
   女の子が男の子の騎士に男装することで
   面白く物語が展開していく、というものです。

   これは、男の子と女の子の入れ替わりを
   前述した、曲調の入れ替わりで表現したもの、と
   思われます。(一度ご本人に聞いてみたいですが・・・。)

   こんな拙文で富田勲氏を語り尽くせるわけでは
   ありませんが、今回はここまでにさせていただきます。
   
   今度は「ミッシェル・ルグラン」を予定しています。


   次回の「気になる音楽」は 多美恵さんが お送りする予定です。 
   
  
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    以上、今回も内容、盛りだくさんでした。
    お楽しみいただけましたか。
 
    ================================================

     <注意>
 
    「音楽で食べていく方法」に記載した全文は
    トライトーンはじめ、執筆者が著作権を有するもの
    であり、固く複製禁止をお願い申し上げます。

                 
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     大胆企画
     「音楽で食べていく方法」 は

     来週金曜日、発行予定です。
     次号をお楽しみに!!
               
      ご意見、ご感想は
      trytone@mgtry.net  まで

             トライトーン
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