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========================================================= ★★★ 東京ちゅうおう法務事務所:編集 ★★★ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ●○●○●実務家による行政書士試験合格講座●○●○● ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 第20回配信 2005年7月15日(金) 東京ちゅうおう法務事務所 行政書士 初鹿真一 マガジンコード MM4238F905C5CCD 配信数 4部(±0部) 2005年度行政書士試験(10/23)まで、 あと100日 http://www5e.biglobe.ne.jp/~chuo-law/ ========================================================= ≪条文順位版≫ 【 憲法判例 第1位 】 ========================================================= みなさん、こんにちは。 きょうは憲法判例第1位(2回目)をお送りします。 なかなかたいへんではありますが 頑張って勉強してください。 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ 1 過去15年の分析 憲法判例 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ ●過去15年の出題された問題をすべて分析し、もっとも 多く問われた問題とその根拠になる憲法判例を分析しました。 その結果は以下の通りです。 ●データは1990年−2004年までの15年間 北方ジナ事■■■■■ 議員定数訴■■■■■ 税理士会事■■■■■ マクリン事■■■■ 博多駅事件■■■■ 税関検査事■■■■ 教科書検定■■■■ 旭川学テ事■■■■ 三菱樹脂事■■■ 朝日茂訴訟■■■ 教科書無償■■■ 北海道猿払■■ 京都府学連■■ 前科照会事■■ 外務省秘密■■ レペタ訴訟■■ 津地鎮祭事■■ ポポロ事件■■ 喫煙の自由■ 速度違反事■ 指紋押捺事■ 八幡製鉄事■ 外国人選挙■ よど号事件■ 愛媛玉串料■ 『逆転』事■ 家屋張り紙■ 皇居前広場■ 東京都公安■ 新潟県公安■ 全逓東京事■ 石井記者事■ 帆足計事件■ 小売市場事■ 公衆浴場事■ 薬事法距離■ ため池条例■ 第三者所有■ 刑訴高田事■ 刑訴黙秘権■ 自白と証拠■ 堀木併給事■ 食糧管理法■ 少年院学習■ 【コメント】 ・憲法は近年、下記の傾向があります。 「条文中心」→「判例中心:解釈中心」 ・こうした中で、憲法判例で一番出題が多いのが 「北方ジャーナル事件」です。ほかに、 大問として「議員定数訴訟」「税理士会事件」も 多く出題されました。 ╋┿╋┿╋┿╋┿╋┿╋┿╋┿╋┿╋┿╋┿╋┿╋┿╋┿╋┿╋┿╋┿╋ ╂┼╂┼╂┼╂┼╂┼╂┼╂┼╂┼╂┼╂┼╂┼╂┼╂┼╂┼╂┼╂┼╂ ╋┿╋┿╋ ╂┼╂┼ 【行政書士試験まであと】 ╋┿╋ ╂┼ 100日です! ╋┿ ━━━[PR]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ \|/ \|/ ─☆─ 行政書士試験の研究生を募集しています。 ─☆─ /|\ /|\ ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆@s ☆☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆ 行政書士情報MLです。 ☆☆☆☆☆ ↓↓↓↓↓ ☆☆☆☆ http://www5e.biglobe.ne.jp/~chuo-law/99043767/ ☆☆☆ ご参加、お待ちいたしています。 ☆☆ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆@s ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ 2 憲法判例 第1位 議員定数訴訟 の分析 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ きょうは、議員定数訴訟について かなり詳細な分析を 行っていきます。 議員定数訴訟はいくつもあるので、 最初に違憲判決が出されたものを題材に 分析を進めていきましょう。 まずは事件の概要を見ていきましょう。 ==【 事件の概要 】========================================= 【事件の形態】 ●民事訴訟(行政訴訟) 【原告】 ●選挙人 【被告】 ●千葉県選挙管理委員会 【原告の要求】 選挙無効の請求 【原告の主張】 1972年衆議院総選挙の際、不均衡の最大格差が 4.99対1であり、「投票の価値の平等」に違反するので、 選挙の無効を請求する。 ========================================================= 議員定数訴訟はなかなか難しいので 私がわかりやすく、しかしレベルは高度に維持して お話します。 ==【 実務家の見解 】========================================= 議員定数訴訟を検討する前に、 そもそもどういう権利が問題になっているか、を 画定する必要があります。 まず、憲法上、明文で選挙人が保障されている権利は 以下の二つです。 (イ)選挙権 (ロ)平等権 したがって、選挙権は平等に扱われなければなりません。 ここに平等とは「投票価値の平等」ということになります。 「???」投票価値の平等? そう思われる方もおられますよね。 したがって、ここに書いていることを絵にしてみます。 通常、選挙は「平等選挙」を保障しています。 これは「等級選挙」「複数投票制」ではない、ことを示します。 「平等選挙」とは選挙結果も平等にならなければならない、 ということになります。 これは簡単にいうと、「どこにいっても(引っ越しても) 同じ投票数で同じ人数の議員を当選させることができる」という 結果を要請しています。 すなわち、以下のようなことがいえるのです。 【一人の議員を当選させる】 A地区 議員の当選=● B地区 議員の当選=● 一方、上記の判例における認定事実は下記のようになっていたのです! 【上記の判例における問題点】 A地区 議員の当選=● B地区 議員の当選=●●●●● さすがにここまではいきすぎなので 「憲法上禁止されている」、すなわち「違憲」ということになったのです。 あとは程度の問題になります。 憲法の要請は一対一です。 これに対して2つの問題点を探ることになります。 (イ)一方、憲法上許容しうるのはどこまでか (ロ)憲法上、禁止されるのはどこまでか。 ※参議院は「地域代表」的性格から 若干、内容が修正され、緩やかに解される傾向が あります。 =========<憲法上要請された領域>============== ↓ ●対● ↑ =========<憲法上許容された領域>============== ↓ ●対●● …通説のとる立場 ●対●●● …判例の採用する立場 ●対●●●● …少数説 ↑ =========<憲法上禁止された領域>============== ↓ ●対●●●●● ============================================ それでは、裁判所の基準・結論を見て見ましょう。 まずは「判例」を見ていきましょう。 かなり長いので、むずかしい場合は 結論にほうに回ってください。 頑張ってください。 ==【 判例 】========================================= 最高裁大法廷判決 昭和51年4月14日 (最高裁民事判例集第30巻3号223頁) <主文> 原判決を次のとおり変更する。 上告人の請求を棄却する。 ただし、昭和47年12月10日に行われた 衆議院議員選挙の千葉県第一区における選挙は、 違法である。 訴訟費用は、原審及び当審を通じ、すべて被上告人の負担とする。 <要旨> ●投票の価値の平等への評価 …憲法14条1項、15条1項、(同)3項、44条但書は、 国会両議院の議員の選挙における選挙権の内容、すなわち 各選挙人の投票の価値が平等であることを要求するものであ(る。)、、、 投票の価値の平等もまた、憲法の要求するところであると解するのが、 相当である。 、 …右各選挙につき国会が定めた具体的な選挙制度において、 国会が正当に考慮することができる重要な政策的目的ないし 理由に基づく結果として合理的に是認することができない 投票価値の不平等が存するときは、憲法の右規定の違反となる。 ●違憲状態への評価 …衆議院議員選挙が憲法に違反する公職選挙法の選挙区 及び議員定数の定めに基づいて行われたことにより 違法な場合であつても、それを理由として選挙を無効とする判決 をすることによつて直ちに違憲状態が是正されるわけではな(い。) …(むしろ)かえつて憲法の所期するところに必ずしも適合しない 結果を生ずる判示のような事情などがあるときは、 行政事件訴訟法31条1項の、、、一般的な法の基本原則に従い、 選挙を無効とする旨の判決を求める請求を棄却するとともに 当該選挙が違法である旨を主文で宣言すべきである。 …しかしながら、、、直ちに本件議員定数配分規定を憲法違反と断ずべき かどうかについては、右事情によつて具体的な比率の偏差が選挙権の 平等の要求に反する程度となつたとしても、これによつて直ちに当該議員 定数配分規定を憲法違反とすべきものではな(い) ●憲法判断の方法 …合理的期間内における是正が憲法上要求されていると考えられるのに それが行われない場合に始めて憲法違反と断ぜられるべきものと解する のが、相当である。 …本件について考え(ると)、本件選挙が憲法に違反する議員定数配分規定に 基づいて行われたものであることは上記のとおりで あるが、そのことを理由としてこれを無効とする判決をしても、 これによつて直ちに違憲状態が是正されるわけではなく、 かえつて憲法の所期すると ころに必ずしも適合しない結果を生ずること(がある。) …本件選挙は憲法に違反する議員定数配分規定に基づいて行われた点において 違法である旨を判示するにとどめ、選挙自体はこれを無効としないこととするのが、 相当であ(る)。 …選挙を無効とする旨の判決を求める請求を棄却するとともに、 当該選挙が違法である旨を主文で宣言するのが、相当である。 ========================================================== 上記を簡単にまとめると 以下のようになります。 ==【 結論 】========================================= (イ)選挙権には平等原則が及ぶ。 (ロ)選挙権における平等には「投票価値の平等」が含まれる。 (ハ)違憲の評価をするも、事情判決にとどめるべし。 (二)法の是正は合理的期間内に対応されるべき。 ========================================================== それでは、みなさんの関心のある、過去問を見ていきましょう。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 第11回基本知識確認試験は、下記要領で行います。 【日時】2005年7月17日(日)(90分) 【科目】民法物権 【形式】条文穴埋めドリル形式 【問題数】100問 【費用】1000円 【形式】電子メール添付ファイルで送信 【申し込み】下記アドレスからどうぞ ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ http://www5e.biglobe.ne.jp/~chuo-law/mail3/mail.html ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ==【おしらせ】============================================= ● 第11回基本知識確認模試(民法条文穴埋め)のお知らせ http://www.rak1.jp/one/user/tokyo_chuo/ ● 基本知識確認試験:フォローゼミのおしらせ http://www.rak1.jp/one/user/tokyo_chuo/ ● 行政書士リンク集はこちら http://www.quick-links.com/emlj/lp/88435/menu.html ● 行政書士受験生掲示板はこちら http://www5e.biglobe.ne.jp/~chuo-law/bbs7/index.html ● きょうは何の日は、携帯電話まぐまぐに移行させました。 http://mini.mag2.com/pc/ ========================================================== ===[メールマガジンバックナンバー]=========================== まぐまぐ http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000124824 マガジンライフ http://mg7.com/cgi-bin/hp.cgi?id=13333 LUNDY http://lundi.tok2.com/search.php メルマガ天国 http://melten.com/m/18023.html E−magazine http://www.emaga.com/info/7002.html めろんぱん http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=006564 Melcup http://www.melcup.com/searchframe.html カプライト http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/10385.html Mailux http://www.mailux.com/mm_search.php Macky http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=tokyo6434 melma http://www.melma.com/mag/10/m00135810/ ========================================================== それでは、最後に 過去問にチャレンジしてみましょう。 よーく考えてみて下さい。 ここまでよく読んできていれば 全問、正解できますよ! ==【 過去問にチャレンジ 】================================ 【問題】 投票価値の平等に関する次の記述のうち、最高裁判所の 判例の趣旨に適合していないものはどれか。 1 形式的に1人1票の原則が貫かれていたとしても、 投票価値が平等であるとは限らない。 2 選挙人資格における差別の禁止だけでなく、 投票価値の平等も憲法上の要請である。 3 投票価値の平等は、他の政策的目的との関連で調和的に 実現されるべきである。 4 法改正に時間がかかるという国会側の事情は、 憲法判断に際して考慮すべきでない。 5 参議院議員の選挙については、人口比例主義も一定程度譲歩・ 後退させられる。 解答はこの下です。 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓ 【解答】 4 【解説】 …国会の事情を考慮し、合理的期間内に 改正すべき、と考えられています。 【出題】 …判例知識を当てはめてできる問題 選択肢1〜4…最判昭51・4・14 選択肢5…最判昭58・4・27 【出題年】 …2004年 【難易度】 …★★★☆☆ 【キーワード】 投票価値の平等 投票結果の平等 人口比例主義 人口的要素 非人口的要素 国会 立法裁量 合理的期間内の是正 ========================================================== ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ 3 編集後記 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ こんばんは。 きょうは暑い一日です。 よるもきっと寝苦しいのでしょうね。 でも負けずに頑張ってください。 あと100日! ========================================================== きょうもありがとうございました。 〒169−0074 東京都新宿区北新宿二丁目2番24号 東京ちゅうおう法務事務所 行政書士 初鹿真一 TEL 03−5389−6563 HP http://www5e.biglobe.ne.jp/~chuo-law/ mail tokyo-chuo-tochu@muj.biglobe.ne.jp ◆わたしのマイブログはこちら http://blog.melma.com/00135810/ ◆ご意見・ご感想はこちらからもできます。 http://www5e.biglobe.ne.jp/~chuo-law/mail2/mail.html ◆メールマガジンの解除はこちらからお願いします。 まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000124824.html マガジンライフ http://mg7.com/cgi-bin/hp.cgi?id=13333 LUNDY http://lundi.tok2.com/search.php メルマガ天国 http://melten.com/m/18023.html E−magazine http://www.emaga.com/info/7002.html めろんぱん http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=006564 Melcup http://www.melcup.com/searchframe.html カプライト http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/10385.html Mailux http://www.mailux.com/mm_search.php Macky http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=tokyo6434 melma http://www.melma.com/mag/10/m00135810/ ========================================================== |