メルマガ:ep-finance
タイトル:[ep-finance] この国の進むべき道は?  2006/05/06


============================================================

         [[ e p - f i n a n c e ]]

         edition: 6-May-2006

============================================================

おはようございます。
発行人しております、shi でございます。

emichanproduction.com
http://www.emichanproduction.com

で、毎週連載中の経済小話を紹介して行きます、本メルマガは
発行人の知識と経験をもとにいろいろな、社会人なら
知っておきたい話から、こんなこと知ってるのは、金融業界の
ほんの一握り!といったカルト話まで、盛りだくさんで進めて
いこうと思っております。

さて、最後にメルマガを発行したのが1月も三週目。
それから気づいたら4ヶ月近くも発行してなかったんですねぇ。。。
今更ごめんなさい、もないと思いますので、ざっくりとした近況報告を。

まずは、仕事ではこの3ヶ月でヘッジファンドを一つ立ち上げました。
今回のマネージャーさんは、自分でリサーチして売り買いをするタイプの
株のロングショートファンドですが、その対象は売りも買いも中小型株を
含む、ということで、そんな小型株を貸してくれるところがあるか、みたいな
話が中心でいろいろとありました。
なかなか信用売買でやるにしても借りるのってのは大変なんだなぁ、と
おもって見てましたけどねぇ。。。さて、うまくいってくれるといいのですが。


で、そのファンドが立ち上がったことで、私のP.A. (Private Account) での
日本株の取引が事実上不可能になってしまいました。ということで
目標を失ってしまった私なのですが(苦笑)、今外国為替の証拠金取引を
始めて見ました。これはそのうちいろいろと書こうかと思っているのですが。。。
株以上に時間を取られるんだなぁ、と思ったり。

で、blog も結構途絶え途絶えになってしまいましたが、やることは
やらなきゃ、と思い、ちょうど運悪く、このGWの直前に腰痛になったことで
書き溜めていたネタを少しずつ書いてみました。

<<<<<<<<<<<<<<<<<< financial talk >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
 [金融ってなあに? - 近年の企業買収から見る金融とそもそもの基礎知識 
                           (3: 保険会社って、なに?)]
http://www.emichanproduction.com/nucleus/?itemid=537

さて、銀行、証券、と紹介してきたこのシリーズ、金融機関としてあと
フォーカスすべきは、保険会社と大きく括るこの業態でしょう。

保険会社といえば、人の生き死にに大きく関係する「生命保険」と
けがや物の破損などに関係する「損害保険」とがあり、この失われたとされる
15年のうち、大きな痛手を被った業界は生命保険で、言うほど大きく取り上げられなかった
のが損害保険、という印象が強いかと思います。なぜでしょう。
まずは、よく見えない二つの違いから解き明かしながら、その違いが生み出した
この15年の格差について見ていきたいと思います。

さて、それぞれの保険会社は何を商品としているのでしょうか。
生命保険会社は、まず人が亡くなったときに遺族に契約した金額を
支払う、ということをしますね。では人はいつ亡くなるのでしょうか。
明日かもしれませんが、50年後かもしれません。
似た商品として、個人年金のような、40年後に向けて積み立てをして、
リタイア後に支払っていく、という物もあります。確かに
向こう15年間限りの死亡時の掛け捨ての保証のものもありますが、
基本的には銀行や証券会社で売っているような債券以上に
長い期間つきあって、最終的には何かしらもらうことになる
商品ばかりだというのがわかります。

それに対して、損害保険はどうでしょう?
例えば、海外に旅行に行くときの傷害保険。高々2週間くらいでしょうか。
自動車保険。火災保険。盗難保険。荷物の発送時にかける保険。
どれもこれも、長くても1年くらいで「掛け捨て」と言われるように、
払って、何もなければ戻らない、というものがほとんどでしょう。

さて、掛け捨ての場合、値段はどう決まるか、というのは、数学の時間に
学んだ確率の「期待値」の計算で決まる、というのがキーになります。
自動車事故に海外でのけが、火災などなど。たくさんの加入者がいればいるほど
一般的な発生件数を使った向こう一年間での発生確率と、そのときにかかるコストの情報が蓄積され
そこに経費や儲けを載せた金額が計算することが出来ます。
ということは、この確率の計算さえ失敗しなければ儲け続けるだろう、ということに
なるので、損害保険は景気にはあまり左右されない商売だというのがわかります。
しかも、その確率に関しては国があるていど決めてしまっていましたから、
価格に競争がないことで、よほどのことがない限りは損することなどありえなかった
商売だともわかります。

ところが、将来支払う債務を負ってしまう場合どうなるでしょうか。
人がどのくらいで死ぬかという大きな集団のなかで見いだすのは確率統計の世界
ですから、出来なくはない話なのは上記と同じです。

しかし、掛け捨ての場合、払わなくともいい場合があるのに対して、
生命保険の年金型とか終身保険の部分については、払わないでいい場合というのが
なく、しかも、払い出すタイミングがはやまったり遅まったりするだけで、
いつかは払わなければなりません。

これは結構大きい違いです。
となると、会社としては、確率を元にどれくらい払い出さねばならないだろうか
ということをある程度見積もって資金を準備する必要が出てくる訳ですが、
これは言い換えれば、常に高利回りで運用して将来に備えなければならない、
ということにつながってくるのです。
しかも、生命保険の場合、債券で言うところの利率に相当する予定配当率というのが
加入時にその最低ラインが決められており、それ以上は最低払わねばならない、
ということになっています。

となると、生命保険会社は預かった資金をもとに運用する最低目標が自動的に
設定されてしまい、それに突っ走らないと行けなくなってしまうのです。。。


さて、バブルがはじける前、このときは(今と同じく)不動産関連投資と株式が
高利回りを生み出していました。そこで、運用勘定にはパンパンになるくらいの
株式と、保険加入者への特に不動産購入のための住宅ローンの貸し出し、と言う形で
毎月支払われる保険料の運用にまわしたのです。世の中の金利水準も、そこそこ
高利回りでしたから、最低予定配当率も当時の加入者に対して高めに設定されて
しまったのです。

ところが、バブルがはじけたらば株式市場は最盛期の4分の1にまで下がり、
不況により個人破産も増え貸し出した住宅ローンも焦げ付き始めました。
そうなると、あとは体力勝負だけです。

そして、97年以降の金融の自由化の流れとも相まって、体力のもたなかった
保険会社は次々破綻し、参入を狙っていた外資系企業に買収されていくことになったのです。
また、銀行以上に債権回収の苦手な保険会社は、住宅ローンについて
借り換えリスクなどを負うことをさけるべく貸し出していた住宅ローンを
売却して資金を作り、BIS 規制に対応しようとしたのです。
余談ですが、生命保険会社も銀行と同じく保証会社を子会社にもって、
本体での貸し倒れリスクを子会社に押し付けるなんてこともやっていましたが、
これらも含めて貸し付けから回収まですべて自前で行っていましたので
本業から見れば、手間とコストのかかる副業、ということで、証券化をやりたくて
たまらない外資系証券会社などの格好の餌食となった、というのも今では昔話と
なってしまいました。

また、大都市は当然のこと、地方の中小規模の都市にも必ず一つは生命保険会社の
保有する建物がありますが、これは今時のキャッシュフローを見込んだ投資物件ではなく
営業拠点として拡大した営業員を抱え込むためにつくってしまった側面も強く、
当然地価下落とともに減価会計の波にさらされる可能性が高くなることから
十把一絡げでバルクセールと称して、これまた土地を買いあさりたい外資系の
ファンドの格好の餌食となった訳です。

でも、彼らはそうでもしないと自分たちの運用するポートフォリオの利回りを
生み出すことが出来なくなりつつあったのです。
確かに生命保険の料率の計算も国の提示する料率で行うことから
基本的な収益力は損なわれていませんでしたが、労働人口の頭打ちに伴って
新規加入者の減少で拡大が難しい商売にもなってきていたのです。
むろん、アカウント型の生命保険の導入によって転換を従来顧客にもとめる
ことで、どさくさに予定配当率を下げてしまう、ということもしましたが、
それでも、マーケットが低迷気味であった 2000年から 2005年までの間、
機関投資家として、本業である ALM からの収益というものにはやはり不安は
隠せないものはあったのでしょう。


では、損害保険業界は安泰であったか、というと、案外そうではなかったようです。
保険全般に言えることの一つに、一度加入者から引き受けたリスクのうち
一部は市場に流すことでリスクヘッジをしている、ということがあります。
例えば、100億円の保険を引き受けたとした場合、50億円を越えて100億円までの
保険、という発生可能性のきわめて低いリスクを取ってくれる同業他社から買うことで
自分自身は実際の自己の際には 50億円までだけの負担で済む、と言う形にするのです。
これが、「再保険」という仕組みです。

さて、この再保険のおかげで吹き飛んでしまった損害保険がありました。
その会社、テロ保険の再保険を引き受けていたのですが、9.11 によって
実際に保険の履行を求められてその引受額が大きすぎて飛んだ、ということです。
確かに確率は低かったかもしれませんが、実際のダメージは想像以上の額だったのですね。

とはいえ、銀行や証券のものの見方をするならば、常にオプションを売り買いして
その鞘で商売している損害保険会社は、外資系の損害保険会社による激しい商品の
売り込みなどの競争の激化はあれども、確かに生命保険などからみればまだリスクの
小さい商売にも見えるかもしれません。


<<<<<<<<<<<<<<<<<< financial talk >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

。。。読み返してみると。。。損害保険会社に関しては、おつきあいがほとんどない
こともあって、不勉強ですねぇ。。。(苦笑)
まぁ、これが実は損保さんがマーケットでのプレゼンスの現れ、という
見方も出来るかもしれないのですが。。。


さて、GW に突入する直前の 4月 26日。私の近辺ではちょっとした大騒ぎになりました。

<<<<<<<<<<<<<<<<<< financial talk >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
 [企業資産の流動化と信託 :  新生信託に対する行政処分に対する考察 (終わりにかえて)]
http://www.emichanproduction.com/nucleus/?itemid=547

先週水曜の日中から、私のところに証券化をやっていた人間からの
問い合わせが多かった。
「○○さん、大丈夫かなぁ。」
○○さんとは、私の前職で一緒に働いた人のことなのですが
なぜか。先週水曜の午後、こんなニュースが出たからなのです。

新生信託銀行株式会社に対する行政処分について
http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/ginkou/20060426-1.html

過日あった、JPモルガン信託を含めたJPモルガングループに対する処分の頃から
もしや、とは思っていましたが、いざ起きると在籍していた頃の仕事を否定されている
気分になり、その後はかなり不機嫌に過ごしていました。

そもそも今回の行政処分の引き金になったのは信託業法違反、ということですが、
以前から主張している通り、現信託業法には証券化を行うにあたっては
全く整備されていないどころか改悪された法律だ、ということを
ここで再確認して、延々と続けてきた、日本における企業の資産流動化
と信託に関するシリーズのまとめにしようと思います。

今回、不動産の受託のプロセスにおいて
「当行では、不動産を原資産(信託財産)とする流動化・証券化案件の不動産管理信託業務において、引受けを行おうとする不動産の受託審査・査定等を行わず(人的構成や体制を整備せず)、対象物件の瑕疵やリスクを信託受益者等に転嫁して、受託による収益を収受する営業を推進している。」
ということから処分が降りたとされています。
しかしながら、証券化ビジネスを考えたときに、この主張がそもそも指摘として正しいのか、
まず考えてみたいと思います。

不動産の証券化を行うにあたって、一番大事なのは誰でしょう。
土地を譲渡したい人と、取得したい人です。
この両者が出会って初めて譲渡の話が進むのですが、その際に
なぜ信託を使うのでしょう。それは、不動産の流動性の低さ(所有権の登記事務など)や
(登記費用の優遇措置など)譲渡時のコストの高さをさけたいからに他ならないのです。
そう考えたときに、受託者というのはまず自ら進んで受託行為をするか、といえば
そうではなく、買い主と売り主の都合で受託の依頼がくることになります。

もしそうではないならば、普通の信託銀行のように自己ポジションとして所有する
不動産の売却するのに信託受益権化して売る、ということですけれども、
それは既得権を主張し続けている専業信託のみ可能なことで、銀行子会社信託として
出発している新生信託では、銀行子会社信託に対する不動産業務の制限により
不動産の仲介業が出来ず、また、それによって不動産管理処分信託が出来ないでいる、
ということがあげられます。

ちなみに、処分の一環として新規受託が停止させられるそうですが、
その対象が「不動産管理処分信託」と明示されているのですが、これは新生信託では
そもそも出来ないことですから、字面を読むにあたっては実質的な営業停止では
ない、という揚げ足取りのような指摘も出来ますが、これは話の本質とは違うので。。。

上記の事情をふまえると、受託の依頼を受ける時点では、買い主も売り主も
受託者以上に対象となる不動産の内容については熟知しているわけですので
受託時にかせられている受託時の説明は事実上不要ですらあるのです。
しかしながら、改正信託業法において信託契約や受託財産に関する説明をする
相手として「委託者」、要は売主に行うことが求められているのです。
その委託者は、信託契約を締結した瞬間に受益権を買主に譲渡するのに!!!

そのように考えた場合

1) 改正信託業法の求める説明義務というのは案件からすぐに離脱する
売主に行うことが求められているのであって、受託者としての物件等に対する
開示義務は買主やその後ろの投資家に対してではない。無論、最終
投資家への説明義務を負うのは、その購入する商品を販売する証券会社や
商品を仕組んだアレンジャーが目論見書などで行うはず。
2) 宅建法などをかんがみた場合に、受益権を含む不動産の売買に関する開示義務は
譲渡人の宅建業者が事実上負っている。
3) 投資家はリスクとリターンが一体となった商品に投資するのであるのだから
リスクを負わされる可能性がないような金融商品はそもそも世の中にはないし
安いフィーで受託させられる受託者がそんなリスクを負わされる経済合理性は
ない。

ということをあわせて考えれば、「当行による当該受益権の他者への譲渡の
承諾が行われたものの一部には、一般投資家にリスクを負わせる可能性を
認識しながら、不動産投資信託(REIT)への譲渡の承諾を与えている事例も、
複数確認されている。」というくだりは、改正業法をきちんと満たしたとしても
引っかかってしまうことであり、また、ここで書かれていることも、REITに譲渡する
ことは個人投資家にリスクとリターンを提供するのは当然のことであって、よくよく読めば
きわめて普通なことにもかかわらず、あたかも不当にリスクを負わせているかの
ような表現になっていることがわかります。


また、「適法状態への是正が困難な違法建築、並びに、収益が過大に設定され、
必要経費や減価要因が適切に織り込まれずに、信託委託者等が提示した信託
元本及び信託受益権価額と当行が改めて実施した物件評価額とが乖離する
事例などが検出され、当該信託受益権の他者への譲渡の承諾、並びに、
利益相反の営業が認められている。」という点ですが、では、巷で投資物件と
いう形で個人に売られているワンルームマンションのようなものはどうでしょう。
一部屋という分散の聞かない状況であたかも常に毎月収益が入ってかつ
管理費用などが控除されない利回りで見せているケースが散見される
状況で、そういった業者が摘発されているでしょうか。ちょうどこの週末に
不動産業者からそういった物件について売り込みがありましたが
平気で
「ここはいい物件ですから確実に値上がりします。」
といいながらリスクについては開示がありませんでしたが、それは
いかがなものでしょう。また、物件の評価額と売買との間の乖離についても、
将来の見込みについては投資家の各人のその後の物件の使い方などによって異なる以上、
「それは安い買い物だ」といって物が売買されるわけですから乖離が発生するのは当然のことです。
そして、個別性のきわめて高い不動産物件というものは、その流動性を
高めるための手法として信託受益権化であるものの、逆説的にいえば
適法状態への是正が困難な違法建築については、行政としては信託受益権化
されないで手間をかけて手続きを踏みさえすれば譲渡可能ということで
個人投資家に譲渡してもいい、ということなのでしょうか?


改正信託業法において、一番肝になった条文は受託者の第三者への業務委託の条項です。
今回はあまりハイライトされていない部分ではありますが、この条項の信託業者への要求は
結構厳しく、本来業務的に出来ないことを委任するという趣旨である第三者への事務委任
に関して、自分が事務遂行できるという前提で委任する、ということが求められています。
これは、例えば、不動産物件を 100棟受託したら、各棟に一人信託会社の社員をおくことを
求めているのと同義なのです。そんなことは不動産に特化した社員をたくさん遊ばせている
専業信託以外では事実上不可能でしょう。


さて、JPモルガン信託と新生信託に話を戻しましょう。
二つとも、受託者としてのコンセプトはいわゆる passive trustee という、
名義を貸しますが、実際の運営は投資家などの当事者が積極的に関与できるように
出来ることのすべてはアウトソースすることで、投資家の利にかなうようにする、
というものです。これは、香港などの海外の fiduciary business を展開する
会社においては普通にやっていることで、別名 non-discretionary trustee という、
受託者に判断する余地のない信託なのです。
それに対して改正信託業法が信託会社に求めることは、受託財産に対しては
自分で責任を持ってなんでもしなさい、ということです。それは、日本の信託銀行が
常に心がける「受託者責任」の名の下に受託財産の管理のすべてを自らの責任のもと
自らの手で行うというもので、その発想の基本には年金運用のような受託者が何でも
判断する discretionary trustee があります。

証券化において、投資家がまず念頭におくものは何でしょう。
キャッシュフローの安定化ですが、その前提には受託財産がそこにあって
知らない間に処分されないことです。non-discretionary trustee であっても、
諸般の状況下におかれた場合に受託財産を売却せざるを得ない局面が存在して
そのための売却が許されるようにしますが、基本的には自らの判断では
売却することはありません。
# まぁ、不動産管理信託ならば、そもそも売却処分できませんから。。。
しかし、discretionary trustee に預けた場合、投資家の判断の外で受託財産が売却される
可能性が残ってしまいます。それ以外にも受託者の投資家の及びもつかないところで
受託財産に手が及ぶことで当初予定していたキャッシュフローに害する可能性があることを
考えるならば、証券化の器としては、自らが判断しない non-discretionary trustee のほうが
好ましいということが明確なのです。

しかしながら、昨年の信託業法の改正は事実上信託会社に discretion = 判断を常に求め
責任を取ることを求める形になってしまったのです。言い換えるならば、いくら投資家が
判断しないでいい、責任を取らなくともいい、と契約書上書いて免責したとしても
そのような契約を結ぶことが業法違反とされて行政処分を受ける対象になってしまうのです。
これで、安心して証券化が出来るのでしょうか。却って SPC に所有させる方が
不要な資産売却のリスクを回避できるということになりかねないのではないでしょうか。

そして、今回の行政処分が法律の運用の観点で行政が何を求めているかをはっきり
させたと言える訳ですから、証券化の行く末に不安を感じずにはいられません。

確かに、失われた 15年が過ぎ、銀行本体の収益力も回復し、オンバランスを使った
ビジネスを復活させることが出来、その結果、証券化に頼らずに企業のリスクを直接
取りながら貸し付けを行うことが出来るようになりました。しかし、また信用不安などが
起きたり、企業側の資金調達のニーズの多様化に合わせる形で証券化のしやすい環境が
求められることがある将来、この法制度の中で証券化が選択肢として取りづらいことが
この国の発展にどう影響するのか、見守ってみたいものです。

<<<<<<<<<<<<<<<<<< financial talk >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

ちなみに、今回の処分に対して、結構今回の行政のあり方に対して疑念が
生まれているようです。法の運営を司る金融庁の示した方向性が今後の
市場への信頼感にどう影響が出るのか、見ていきたいものです。


さて、やっと(笑)一つのシリーズの幕を無理矢理閉じましたが(笑)
いろいろ書きたいネタはあるんですよぉ(笑)
とはいえ、次回発行については。。。約束できませんので
気長に待っててくださいね。

いろいろな所にアンテナを張りながら執筆しておりますが、
「こんなネタ教えて?」
とか、
「これってどういうこと?」
というご質問から、
「それって嘘でしょ?」
というご指摘まで、いつでも大歓迎ですのでお気軽に
メールでも、blogに突っ込んでくださいね。

では、また次回お楽しみに。

==============================================
ep-finance: 
発行人: shi

http://www.emichanproduction.com/mags/
からバックナンバーと登録/解除をどうぞ。 

melcup: 46部
emaga: 104部
Mailux: 5部
メル天: 31部
メルマ!: 30部
==============================================
本メルマガは転送は変更を加えない限り許可ですが、
あわせて、上記サイトからの購読をお勧めください。

-----
ところで、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、

ビジネス本レビューの ep-books
http://melten.com/osusume/?m=18931&u=18930 
では、今スキルアップ思案中です。

80年代や90年代のポップスの紹介をする ep-music
http://melten.com/osusume/?m=18932&u=18930 
 で、アンビエントハウスから派生した音楽を追いかけてます。

また、ep-update 
http://melten.com/osusume/?m=18652&u=18930 
でこの3つをダイジェストを中心にいろいろアップデートしたことや
はみ出したネタなどをご紹介して行こうと思っております。


そして、発行人のもうひとつの顔、浅草のお土産屋のお兄さんとしての
浅草ガイド、 info-asakusa 
http://melten.com/osusume/?m=18835&u=18930 

も、ぜひご覧くださいね。

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。