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タイトル:[ep-finance] 銀行の、銀行による、銀行のための。。。  2005/06/13


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         [[ e p - f i n a n c e ]]

         edition: 13-Jun-2005

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おはようございます。
発行人しております、shi でございます。

emichanproduction.com
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で、毎週連載中の経済小話を紹介して行きます、本メルマガは
発行人の知識と経験をもとにいろいろな、社会人なら
知っておきたい話から、こんなこと知ってるのは、金融業界の
ほんの一握り!といったカルト話まで、盛りだくさんで進めて
いこうと思っております。

さて、私事で恐縮ですが、先週、副業として(笑)勤めておりました
信託銀行を退職しました。
って、「そもそもあんた信託銀行に勤めてたんだ」って
いう突っ込みはあるかも知れませんが、かなり私的な理由での退職でした。

いや、経費使い込みがばれて免職、ではないです。断じて(笑)

とはいえ、信託周りの話はまだ取り上げたいと思っていることまで
たどり着いていないのでなるべく早く終わらせるように努力しますので
しばしおつきあいのほどを。

ということで、今回のコラムですが、今まで総論でしか進んでいなかった
金銭債権の信託の各論です。
まず最初は、銀行のための信託、です。

<<<<<<<<<<<<<<<<<< financial talk >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
 [企業資産の流動化と信託 : 一般貸付債権信託って堅苦しいけど]

やっと金銭債権周りの実例に取りかかろうかなぁ、と思います。

まず最初は、という訳ではないのですが、銀行が法人に貸し付けているローン(もしくは
そのポートフォリオをまとめて)を、

BIS 規制の対応とか、益出ししないと株主や監督官庁からおこられるからとか、
本当にキャッシュがないから、

などの諸般の事情で債権を売らないと立ち行かないケースというのが本当にあるようです。

ということに限らず(笑)、例えば、ローンをメインの銀行、サブ行、など複数行から
出したりする際に誰がシンジケーション団のリーダーをして、誰がローンパーティシペーションを
まとめて。。。なんてするときに、面倒が生じるので、メイン行がえいやっと、
ローンをだして、それを信託勘定に移して、適当に決めた割合の持ち分の受益権を
それぞれメイン行から買い取る形で実質のローンに参加させる、というのが
まぁ、この一般貸付債権信託の本来の目的だったりします。

こうすることで、誰が回収するか(中立な信託銀行、もしくはメイン行にまかせちゃえ)、とか
債務者に対して誰が貸しているの(名義上は信託銀行、もしくは債務者対抗用件を具備
しなければ、このメイン行だから後ろの受益権者の顔が見えないのがグッド)とかが、
どさくさにまぎれて償還方法に優先劣後方式とか、人によって償還期間を適当に
かえてみたり、など、参加者のリスク負担を柔軟に振り分けたりと、都合のいいことが
適当に調整できるので何かと便利、なようです。

が、これは債務者がまともに返して、サービシングを行うメイン行がちゃんと信託に入金
している限りにおいては、という前提が実はあって、これらのどちらかが
債務不履行になった場合には、これはローンパーティシペーションと同じかそれ以上に
その債権の処理の仕方で面倒が起きてしまいます。

たとえば、債務者が債務不履行になった場合、その貸し倒れの計上とその負担をどの
受益者がどれくらい負担するか、というのを検討することになるのですが、あらかじめ
その辺りを信託契約に収益の分配と同じくらいちゃんと書いていればいいのですが、
たいていの場合

メイン行より格付けが上

だったりするのでいいかげんなことが多かったりします。
同様にサービサーたるメイン行の破綻時ですが、代わりとなるバックアップサービサーを
つけるとコスト高になるのと、「破綻する前提でスキームを作るのが屈辱なの」で、つけないのが
通常ですが、といって、受託者である信託銀行がどれだけ出来るかは、普通なら疑問が残ります。

とはいえ、こういった商品は金融機関/機関投資家の間で出回るのが常ですので、暗黙の
了解というか、債務者の弁済出来るかだけ(と、本来リスクフリーとして勘案されなければ
ならないはずのサービサーのメイン行の格付け)で決まる格付けに依拠して売買がなされる、
というのがすごいよなぁ、と個人的には思ったりします。

最後に、昔はこの一般貸付債権信託は会計上のトリックが使えたので、不良債権のポートフォリオの
損失先送りのスキームに思いっきり使われていました。と、考えると、これって本当に
金融機関のための信託、と言えるのかもしれませんね。

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ま、これは、さらっと流して、もっと一般的に新聞をにぎわしているものに
はやく進みましょうね(笑)

いろいろな所にアンテナを張りながら執筆しておりますが、
「こんなネタ教えて?」
とか、
「これってどういうこと?」
というご質問から、
「それって嘘でしょ?」
というご指摘まで、いつでも大歓迎ですのでお気軽に
メールくださいね。

さて、私の次ですが。。。
あ、ちなみに、私の本業は info-asakusa ですよ(笑)
で、副業ですが。。。次回お話ししましょう。

では、また次回お楽しみに。

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この3つをダイジェストを中心にいろいろアップデートしたことや
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