[ep-finance] また一つ消え行く、お星様。。。いや、信託ライセンス。。。 2004/11/03

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タイトル：[ep-finance] また一つ消え行く、お星様。。。いや、信託ライセンス。。。 2004/11/03

============================================================ 　　　　　　　　　[[ e p - f i n a n c e ]] 　　　　　　　　　edition: 3-Nov-2004 ============================================================ おはようございます。発行人しております、shi でございます。 emichanproduction.com http://www.emichanproduction.com で、毎週連載中の経済小話を紹介して行きます、本メルマガは発行人の知識と経験をもとにいろいろな、社会人なら知っておきたい話から、こんなこと知ってるのは、金融業界のほんの一握り！といったカルト話まで、盛りだくさんで進めていこうと思っております。さて、図らずも一週間スキップしてしまいました。ごめんなさい。実は、このところ、締め切りに追われた仕事をいくつも抱えてしまって、睡眠時間3時間、という生活を先週過ごしてしまったのです。しかも、その横では信託銀行界ではちょっとした事件も起きたのですが。。。それは後ほどとして、私の睡眠時間を削ってくれたのが実は前回取り扱った不動産案件なのです。ということで、まずはその辺りのお話から行きましょうか。 <<<<<<<<<<<<<<<<<< financial talk >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> [企業資産の流動化と信託について : 不動産の流動化とそのリスク・リターン] 不動産の投資に限った話ではないのですが、投資する際には大きく分けて次の二つの線引きがあると思われます。一つは、債券やローンのような期中の安定した収益と元本の安定を求めるタイプ、もう一つは、株のように期中の配当はそこそこ、元本額の上昇による収益を求めるタイプです。さて、不動産案件において、これらの特色はどのように出てくるのでしょうか。受益権化した不動産は、その不動産の賃料収入が信託の配当として支払われるわけです。ということは、受益権をそのまま保有することで、 - 不動産価格による物件元本(売却価格)の変動リスクと - 賃貸マーケットに依存する賃料収入の変動リスクとがそのまま反映した商品になってしまいます。ところが、当初元本の例えば 6割程度であれば、よほどのことがない限りはそこまでは減ることはないでしょうし、その元本に対して、賃料の例えば 6割くらいの金利であれば賃貸マーケットがぶれてもそこまで影響はないと見ることができるでしょう。と考えた時に、上記の例だと、不動産価格の6割に対して賃料の 6割程度のリターンは確実に回収できる部分と見ることが出来、残りについては変動する訳ですから、例えば物件管理をよくするとか、テナントを常に入るようにするなどすればこの変動部分をコントロールして安定化を図ったり、もしくはリターンを大きくあげられる部分とみることが出来るのです。ちょうど先ほどの「債券」のような商品性と「株式」のような商品性の二つに分けることが出来たようです。実際のマーケットではどうかというと、銀行が「債券」のような部分にノンリコースローンと呼ばれる、受益権化した不動産について言えば、もし元本などが帰ってこない事態になったら、代わりにその受益権（いや、正確には受益権の裏にある不動産）を担保にしてローンを返してね、そのかわりこの他の会社の資産（といっても SPCでやっていれば他に取りようはないのですが。。）には手を出しませんよ、というタイプのローンで参加して、不動産投資ファンドと呼ばれるような人たちは「株式」のようなところに出資して、かつスキームの中で、不動産の管理運営や、不動産のリノベーションなどといった形で資産価値を高めてリターンを狙う、ということをしております。たいていの場合、 SPC に対して前者はローン、後者は出資という形ですから前者の方が回収の際には優先順位は高いです。特に、後者から見ると前者のローンのお金が多くなることで、自分たちの持ち出しの資金が少なくて済み、かつ、対投資収益率が高まる（レバレッジ効果）ことからこのローンがどれだけつけてもらえるかどうか、言い換えると、投資対象物件の収益率とローンの出し手の金利、そしてローン元本額がうまくマッチするかどうかがポイントになるのです。彼らのリスクは何でしょう。当然、不動産マーケットの下落、不動産価格の下落は一つの要因です。このおかげで期中のリターンの減少や投資の回収という出口ではまることになります。でも、不動産の場合、それだけではありません。自分自身にリスクがある場合もあります。例えば、テナントの誘致などを行うアセットマネジャーが優良テナントを連れてこなかった場合には、家賃の支払いが悪かったり、常に空き部屋が存在したりすることで嵐閧ｵていたキャッシュフローに至らないリスクがあるのです。また、プロパティマネジャーによる不動産管理の結果資産価値が変わることも、アセットマネジャーによる修繕などの方針の企画によっても、収益性が大きく変わることがあるのです。しかし、人的要因だけにとどまらないのが不動産のポイントでもあります。災害や人災による建物の倒壊、火災というものならではのリスクが存在します。建物が壊れると、投資家の観点から言えば、立て直す間の事業収益機会の損失となりますので、そこをどうやって回避するか、というのが問題になります。また、建物の破損は売却時の価格下落の原因ともなります。どうすればいいでしょうか。端的には火災保険に入り、事業収益に対する保険や建物の修理の為の保険に入っておくことでこのリスクを軽減することが可狽ﾉなります。しかし、この国には地震があります。たいていの保険の場合、地震の場合には免責、すなわち損が起きても地震を理由とする場合には保険金が支払われません。といって地震保険は闇雲に入るには高い物です。そこで、地震による損害の期待値を算出してある一定のレベルを越えたら地震保険にも入りましょう、という議論をすることが一般的になっているようです。そして、一番厄介で、実は受託者たる信託が一番気にするところというのが、不動産の名目上所有者だからということで降り掛かってくる「所有者責任」というものです。例えば、普通に建物を歩いていて、誰も悪くなくて床で足を滑らせて頭をぶつけた、と言った場合にその建物の所有者に責任を問われることがあるのです。この例ならばまだましなのですが、例えば建物から出火してたまたま居合わせた人が大量に死亡してしまった、という場合には、多分建物を売ったとしても補うことの出来ない損害を負うはめになるのです。そのため、受託者としてそのような損害保険には是非入りたいし、テナントさんにも防火法などの法律を遵守してくれるいい子でいてほしいところなのです。。。ちなみに、不動産を売ってもまかなえない損害が出たときってどうやって補うと思いますか？実は、受託者自身の財布から出さなければならなくなるのです。人様の投資の手伝いをすべくある意味名前を貸しているだけでそんな責任を負わされてしまうんです。しかもリターンは信託報酬だけ。それゆえ、このようなリスクについてはなるべく負わないように手当てするように固いことを言い続けるのが受託者だったりするのです。。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　http://www.emichanproduction.com/ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-> "Finance" <<<<<<<<<<<<<<<<<< financial talk >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> そうなんですよ。それだから、最近受託者ってリスクリターンから見て割にあってるのかなぁ、なんて思う時があるんです。しかも、結構手間がかかる割に報われないし。。。しかも、実は不動産のマーケットでアクティブだった UFJ 信託さんが UFJ と BoTMとの合併のおかげで受託できる物件の制限をきつくし始めたことで、この半年私の雇い主のところにお仕事が来ること。。。文句は言えないのですが、同時に複数の案件は辛いですよ。さらに、先週やその前から発表になった、シティバンクの PBG 部門の閉鎖命令とシティトラスト信託の廃業。これでまたさらに不動産の受託をする信託が減ってしまうということで、私の安穏とした生活は。。。ちなみに、このシティの話、私の元同僚がやっぱり巻き込まれてしまっていて大変そうです。何せ今までの努力の蓄積で集めたお客様に出て行ってくれと言わねばならない訳ですから。しかも迷惑をかけないようにして。なので、事業の撤退というのはなかなか辛い物なのです。。。それを思えば、お仕事があるのはましか。。。でも、ちゃんと睡眠を取りたいですよ！！！と、いいながらも、信託のライセンスのある会社がまた一つ消えると思うと、次の転職先って、本当に限られるなぁ、とそっちのほうでも心配してます。＃　知ってました？ BNP パリバ信託を買いとった＃　石原都知事の銀行は営業するときには普通銀行としてだそうです。＃　信託のライセンスは？？？ところで、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、水曜にはビジネス本の ep-books <http://melten.com/osusume/?m=18931&u=18930> で、今とある会社の話を読んでます。どこかって？それは。。。金曜には 80年代や90年代のポップスの紹介をする ep-music <http://melten.com/osusume/?m=18932&u=18930> で、アンビエントハウスの特集がまだまだ続いてますよ。また、ep-update <http://melten.com/osusume/?m=18652&u=18930>でこの３つをダイジェストを中心にいろいろアップデートしたことやはみ出したネタなどをご紹介して行こうと思っております。いろいろな所にアンテナを張りながら執筆しておりますが、「こんなネタ教えて？」とか、「これってどういうこと？」というご質問から、「それって嘘でしょ？」というご指摘まで、いつでも大歓迎ですのでお気軽にメールくださいね。さて、こうやって書いているのは朝の4時。明日（いや、今日だ！）は休みで本当は菊屋の店番なのに会社で仕事です（泣）しかも、今日は江戸時代祭だというのに。。。皆さん、体だけは大事にね！サラリーマン、体が資本ですからねっ！では、来週！ ============================================== ep-finance: 発行人: shi http://www.emichanproduction.com/ メニューの "main magazine" でバックナンバーと登録/解除をどうぞ。 melcup: 36部 emaga: 39部 Mailux: 2部メル天: 31部メルマ！: 19部 ============================================== 本メルマガは転送は変更を加えない限り許可ですが、あわせて、上記サイトからの購読をお勧めください。

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