メルマガ:作家&出版人育成マガジン「パウパウ」
タイトル:作家&出版人育成マガジン『パウパウ』第111号  2005/02/08


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      作家&出版人育成マガジン『パウパウ』第111号
   2005年2月8日発行(毎月1回発行)(2000年3月7日創刊)
      発行元 出版人コム http://www.shuppanjin.com/
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■目 次■(本文共敬称略)
●ホームページ更新情報●
●出版文化に貢献する会社を応援● 上山明彦
        出版人コム推薦本を「でじたる書房」から発売
●不定期連載● 有名作家はどうやってプロになったか  上山明彦
        大病が人生の転機になった作家、阿刀田高、藤沢周平
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●ホームページ更新情報●
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前号発行以降、次の記事をホームページに掲載しております。
参考になると思いますのでご一読ください。
<風羅坊便り>
○阿刀田高が語る小説執筆と作家生活
○小中学校時代に文章表現を勉強しなかった人へ推薦する本
 新刊「創作力トレーニング」を紹介しています。
○司馬遼太郎の素顔
○阿刀田高は偉大である
http://www.shuppanjin.com/furabo/furabo.html

<夢幻流もの書き道場>
○60代からでも遅くはない−−遅咲きの一流作家たち
○若い世代の「活字離れ」は本当か?
○もの書き的ベストセラーの読み方
http://www.shuppanjin.com/mugen/mugen.html

<小中学生のための文楽教室>
第6回 物語(ものがたり)を書いてみよう (1)
http://www.shuppanjin.com/sakubun/bungaku.html
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●出版文化に貢献する会社を応援●
         出版人コム推薦本を「でじたる書房」から発売
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 最近、「でじたる書房」の責任者の方からメールをいただきました。私
はあまりホームページを検索しないので、失礼ながら初めてこのサイトの
存在を知ったのですが、電子書籍の販売については、我々のサイトよりも
何倍もよくできています。それが印象的でした。
 私はかねがね作家を育てる事業と作品執筆支援の事業に専念したい、電
子書籍の販売は専門会社に委託したいと考えておりました。
 「もの書き塾」も出版人コムも、書き手を育成する事業でやるべきこと
がヤマほどあり、限られた時間を効率的に使いたいのです。
 そんなところに「でじたる書房」さんからのメールでしたので、いろい
ろメールでお話を伺い、出版人コムが推薦する作品を販売していただけな
いかと問い合わせました。同社にも簡単な審査があり、それをクリアすれ
ば販売していただけるということでした。
 その場合、著者と同社が直接契約してかまわないというスタンスを持っ
ています。出版人コムが発行元として手数料を取らなくてもよい、という
意味です。
 将来NPO法人化予定の「もの書き塾」のインターネット講座やイベント
で育った書き手も、同社のようなシステムも一つのルートとして、どんど
ん世の中に出て行ってほしいと思っています。
 さて、第一弾として、これまで弊社の電子書店で販売していました下記
の作品を、「でじたる書房」さんで発売しています(こちらに一本化しま
す)。
●植野満著 『はぐれ記者のマスコミ見聞録』。次のURLで見本を閲覧で
きます。
 http://www.digbook.jp/product_info.php/products_id/4314
●「でじたる書房」のホームページはここ。
http://digbook.jp

 今後、インターネット講座修了作品で優秀な作品、「読者文芸大賞」の
受賞作品、「もの書き塾正会員」の優秀作品につきましても、どんどん推
薦していきたいと考えています。
 また、「でじたる書房」さんは、現在「インターネット文芸大賞」を開
催しています。「もの書き塾」インターネット講座の受講生・卒業生の皆
さん、積極的に応募して実力を示してください。期待しております。
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●不定期連載● 有名作家はどうやってプロになったか  上山明彦
        大病が人生の転機になった作家、阿刀田高、藤沢周平
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 本誌読者の方の中にも、過去に大病やケガを経験された方が、多数おら
れるのではないだろうか?これから紹介する二人の作家は、肺結核という
大病が人生の転機となった。もちろんそれは不幸な出来事であったに違い
ないが、二人とも後ろ向きになることなく、逆に気負いすぎることもなく
生活を続け、神様に導かれるかのように自然に作家となった。
 この二人の作家からは小説論からも学ぶべきことは多い。それは別の稿
であらためて紹介することにして、ここは二人の生き様に学んでみたい。
 阿刀田高は昭和10年(1935年)、当時としては裕福な家庭に生まれ10歳
のときに終戦を体験している。その後、早稲田大学仏文科に入学している
から、当時としては恵まれたほうの人生であった。
 転機は、大学2年生のときだ。この年肺結核を患い、2年間の療養生活
を送ることになる。当時の肺結核は治療法の少ない大病であった。
 病気は治ったが、今度は就職活動がたいへんだった。本当は新聞記者に
なりたかったが、健康診断ではねられた。他の会社でもやはり健康診断で
はねられた。自分の病気が完治したことを証明するために、レントゲン・
フィルムを持参して企業の担当医師と面談したが、それでも冷たい対応し
てしてもらえなかった。
 最後に、公務員である国立国会図書館の職員採用試験を受けた。ここで
もレントゲン・フィルムを持参して担当医と面談した。親切な医師が、こ
こならだいじょうぶと太鼓判を押してくれ、めでたく採用となった。
 阿刀田高は初めはこのまま定年を迎え、年金で暮らしていこうと考えて
いたそうだ。勤務する傍ら雑文書きの小遣い稼ぎをしたのがきっかけで、
その後作家として独立。二足のわらじでは体がもたない。図書館よりは書く
方が自分に向いている、と決意して独立に踏み切ったという。
 1979年「ナポレオン狂」で直木賞を受賞している。

 藤沢周平は、昭和2年(1927年)、現在の山形県鶴岡市の貧しい農家の
次男として生まれた。当時の農家の子供たちは小学校を卒業したらどこか
に就職するか、よその農家の養子になって百姓を継ぐのが普通だった。
 周平は学校の成績が良かったことや周囲に理解者がいたことが幸いして
働きながら中学校夜間部を卒業し、山形師範学校に入学している。
 昭和24年(1949年)、師範学校を卒業し、湯田川中学校に赴任した。こ
こまでは当時としては順風満帆の人生だろう。
 転機は2年後に起こる。昭和26年、集団検診で肺結核が発見されたので
ある。昭和28年に上京し、東京都北多摩郡東村山町(当時)の篠田病院に
入院し、療養生活に入る。
 昭和32年(1957年)、退院が決まり、故郷で再就職先を探すが見つから
なかった。そのとき友人から東京のある業界新聞記者の仕事を紹介され、
そこに入社した。やむを得ない選択だった。
 業界新聞の経験がある人なら、状況がよくわかるのだが、真面目なとこ
ろ、いい加減なところ、ちょっとやりかたに問題があるところなど、いろ
いろな会社がある。藤沢周平が最初に勤めた新聞社は、どうも問題がある
会社だったようだ。その後、業界新聞をいくつか転々としている。
 昭和35年(1960年)、「日本食品加工新聞」に就職し、その後編集長と
なる。この頃から小説を書き始めた。有名懸賞に応募しながら書き続けた。
 昭和46年(1971年)、「オール読物新人賞」を受賞。44歳のときである。
そして昭和48年、「暗殺の年輪」で直木賞受賞。46歳。翌年同社を退職し、
作家として独立した。
 もし肺結核、療養生活、業界新聞への再就職がなかったら、そのまま学
校教師として過ごしていただろうと本人も述懐している。教職の傍ら小説
を書き、同じように大作家となったかもしれないが、そのまま教師として
人生を過ごしたかもしれない。
 大病が一大転機となったことは間違いない。その嵐に吹き飛ばされるこ
となく、地面をしっかり踏みしめ、自分の道をひたすら歩いて来た。その
生き様に、私はただただ敬服するのみである。人生の大きな壁につぶされ
てはいけない。気負いすぎて独りよがりになってもいけない。自分の進む
べき道をしっかり歩け。そう教えてくれるのである。
(阿刀田高、藤沢周平については、引き続き他の稿で書いていきます)
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 編集後記
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 近年は読書量が増えた。私の読書法は昔から乱読ではない。誰かが「こ
れはいい本だ」と言ったものを読んできた。それは友人であったり、書
評だったりするのだが、最も影響されるのは、作家が著書の中で「この
本はいい」と書いている本である。最近では阿刀田高、藤沢周平本人の
著書だけではなく、彼らが高く評価する本も読みたくなる。そうやって
読む本が増えている。この読書法の利点は、読書に一貫した流れがある
ので理解が深まるというところにある。「いい作家のいい本を読むと、
すぐ役に立つわけではないがボディブローのように効いてくる」と表現
しているのは阿刀田高。そのとおりですね。(かみのやま)
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 編集発行人:上山明彦  発行所:出版人コム
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