メルマガ:出版業界の常識・ヒジョーシキQ&A
タイトル:出版業界の常識・ヒジョーシキQ&A No.2  2004/05/05


出版業界の常識・ヒジョーシキQ&A
〜デキる編集者になるための心得100〜

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講師●松本京也(まつもと・かずや)
1973年生まれ、30歳。出版社勤務を経て独立、1年間フリーライターとして活動した後、編集プロダクション・KyoProを創立。2004年1月の法人化に伴い、代表取締役・社長に就任。
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 最近、編集スタッフの応募書類に目を通していて思うのが、「本気で出版をやっていくつもりがあるんですか???」ということ。私なんかは業界のなかでもまだまだ若輩者で、かつて編集者が人気職業だった頃など知らない世代ではあるのですが、求職者のあまりの意識の低さにガックリ肩を落とす毎日です。創立当初の目論みでは、今頃KyoProは15〜20名ぐらいの精鋭を集め、企業としてもっともっと大きく成長しているハズでしたが、たった1人のスタッフを採用するために数百万円の求人広告代をかけているのが現状…。確かに、ウチの採用基準が厳しいことは一部でも有名ですが、学歴を重視しているワケではありませんし、筆記試験があるワケでもありません。要は、やはり「意識レベル」の問題なのです。
 そこで当メルマガでは、出版業界を目指す人が自主的に「意識改革」を行うための材料を提供し、「自分が本当に向いているのかどうか」を見極めてもらいたいと思います。
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[入門編]
Q2.
小さい頃から本が好きで、以前から出版業界に入りたいと思っていましたが、年齢制限に引っかかって応募さえできません。何か良い方法はありますか?(31歳・ゲームセンター勤務)


A2.
 では、逆に質問。「『以前』とはいつのことですか? そして、あなたが出版業界に入るために実行したことは何ですか一一?」
 編集者を志したのが20代後半になってからだとしたら、残念ながら奇跡を待つほかありません。ナゼなら、一人前の編集者としてバリバリ活躍できる年齢のピークが25〜35歳とされているからです。20代前半は駆け出し編集者として経験を積み、30代後半は編集長・編集人として実権を得て円熟期に入る…これが、本人にとっても会社にとっても理想のカタチ(あくまで「理想」ですが)。そんなワケで、おっしゃる通り出版業界には年齢制限というモノがありまして、未経験者の場合は大体が25歳か27歳、百歩譲って30歳まで、といった感じでしょうか。これは、採用する年齢が高くなれば高くなるほど、ピークがどんどん後ろにズレてゆき、体力とのミスマッチが生じ始めるので、逆算して設定されている採用基準です。また別の機会に述べますが、出版ってガテン系のお兄さんもビックリな肉体労働系業界なのです(いや、マジで)。ちなみに、学歴に自信の無い求職者にとっては幸いなことに、近年の出版不況のおかげで「新卒採用のみ」という出版社は随分と少なくなりましたけどね(固定費節減のため=「仕事もロクにできないぺーぺーにボーナスなんか払いたくねぇよ」ってこと)。
 まぁ、「出版ならどこでも…」と言うのであれば、できるだけ条件のユルいところを探し、自分の持っている力の500%ぐらい出し切れば、微かに望みは繋がるかも。ただし、「小さい頃から本が好き」というアピールは逆効果なので、今後は胸の内にしまっておくことをオススメします。ナゼかって?…ズバリ核心を突きますけど、「本が好き」=「編集者になりたい」というのであれば、もっと早くに出版業界を目指していたハズでしょ? 学校を卒業した後、選り好みをせずに必死で出版を目指したのであれば、今頃は立派な編集者になっていただろうし、それでもダメだったのなら、やっぱり縁が無かったか、まったく向いていないかのどちらか。敢えて厳しく結論づければ、「本が好きだから編集者になりたい」という熱意が求職者側に通じるのは、せいぜい10代後半か20代前半ぐらいまで、ということになりますかね?
 私の周りには出版関係者が何千人といますが、ズバ抜けた才能や強運を持っている人なんてほんの一握り。よく「出版は就職が難しい」なんて聞きますが、どこの出版社・編プロも人手が足りなくて「ひぃひぃ」叫んでいます。もちろん、その人がやっていけるかどうかは最低限、見極めますが。
 要は、どこまで本気でどれだけのコトをやったか…それだけなんですけどね。

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<会社紹介>
KyoPro Co.Ltd.(有限会社キョウプロ)
〒171-0014 東京都豊島区池袋2-62-1 PISO池袋306
TEL.03-5911-0231 FAX.03-5911-0230

■創立2001年2月15日 ■従業員7名 ■平均年齢25歳(編集スタッフ)
■資本金300万円 ■売上高5,700万円(2003年度)
■「足下を見失わず、目標は常に高く!」をモットーとして、出版業界を全力で駆け上がっている編集プロダクション。現在は主に男性向けの週刊誌・グラビア誌・実話誌を手がけているが、職業・雑学・格闘技・音楽・漫画など、幅広くオールジャンルで取り扱う。

★オフィシャルサイト『KyoPro.net』URL
(FLASH版)http://www.kyopro.net/
(HTML版)http://www.tokyo-pro-editors.co.jp/

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