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タイトル:[ep-update] 新しい環境、新しい通勤方法、新しい。。。  2005/07/03


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        [[ e p - u p d a t e s ]]

       edition: 3-Jul-2005

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おはようございます。
発行人しております、shi でございます。

さて、私が転職をして、はや2週間近くが経ちました。
いつもそうですが、転職先にきて、最初にすることはいつでも、
会社の流れがどうなっていて、みんなが何をどう期待しているのか、
とかどうして欲しいか、なんてことをいろいろ見て回ることです。

そうすることで、会社それぞれの問題点とか、そこで働く人たちの
人となりとかがすこしずつわかっていける、んじゃないかな、なんて
思ってみています。

ということで、まだ、ファンズオブヘッジファンドにはほとんど
触れてません(苦笑)
ま、でっちですので(笑)

ということで、早速レビューの紹介です。

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  [ウォール街のマネー・エリートたち ヘッジファンドを動かす人びと/大井 幸子」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532164842/kikuyaasakusa-22


もし、物事を調べる、はかる、といったときに、一番ポイントになるのは、
その調べた結果どうしたいか、という目的意識だろう。その目的意識が
物の調べ方を方向付けるし、調べた資料の対する評価の基準となるだろう。

なぜ本編と関係のない、上記を述べたかというと、この本に対する
一般的な評価が高くないことに対する、ちょっとした反論をしたいと
考えたからである。

この本は、ヘッジファンドの関連書類とはいうものの、端的に言ってしまえば、
細かいヘッジファンドの商品性というような教科書のような記載はない。
書いてあるのは、ヘッジファンドに投資する投資家の等身大のポートレートであり
その投資家から見たヘッジファンドの姿であり、そして、投資家がその資産を守り、
増やすという唯一の目的の達成のために、何を求めているか、が割と明確に
書かれているのでは、というのが私の理解です。

そう。もし、あなたが投資家と相対することになるのであれば、大事なことは
相手が何を必要としていて、それに対してどう答えるべきか、という準備が必要だと
考えます。たぶん、

「自分がベストだと思うのだから売れないはずがない」

という気持ちでは、セールスというのは成立しないわけで、そこには
マーケティングのために

「相手を知る」

ということが必要になるのだと思います。

さて、ヘッジファンドとはなにか、というのは別の本に譲るとして、
この、投資手法の一つであるヘッジファンドがどうして今まで衆知に
あまり知られることなく、とはいえ、ごく限られた人たちにだけその驚異的な
リターンを提供し続けてきたか、という背景を知ることは、その商品の
もつ本来の目的や、その求められているニーズを知ることに違いないのです。
そのうえで、そのスキームに基づいて行われるリスクを極小化して収益を
極大化する投資手法について知る、ということも大切な気がします。

というのも、繰り返しになるのですが、最終的な投資家の求める効果の
出せない商品は投資家にとっては何の意味のないものであり、
結果として、投資対象になり得ない、とい結論になりかねないから、なのです。

とはいえ、この考え方は、欧州的なプライベートバンカーの求める、
収益以外の大事なポイントを前提に考えているからであり、
米系な、収益至上主義においては確かに手法が第一で、租税リスクなどは
二の次、となるのかもしれません。

そこはそれこそ、何に主眼を置いて考えているか、の違いなのでしょう。

           http://www.emichanproduction.com/
                    -> "Book Review"
<<<<<<<<<<<<<<<<<< Book Review >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

ええと、商品開発で一番大事なことは、お客のニーズにあっているかどうか、
ということで、電化製品なら、文句をいいながら、適当に調節しながら
使ってもらえるのでしょうけれども、金融商品、特に大口のテーラーメイドな
商品になればなるほど、お客様のニーズをちゃんと拾わないと買ってもらえません。

そう考えたときに、一番キーになるのは、投資手法ではなくて、リーガルストラクチャー
がしっかりとその目的にそった物かどうか、という所だと思うんですよね。
その仕掛けがあれば、後は投資方法を入れ替えるだけでいくらでも投資商品が
出来るんですよ。本当に。

それなので、投資方法がどうのこうの、を知りたければ次回紹介するような
本を読めばいいだけであって、目的が違うからといってけなす必要はないと
思うんですけどね。。。


といいながら、結構ぼろくそにけなしてる自分もいるのですが。。。

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 [企業資産の流動化と信託 :リース債権だって、信託の対象になる!でも。。。 ]

前回は銀行が資金調達する方法の一つをご紹介しましたが、
資金調達の方法の多様性は、何も銀行だけに与えられるべきものではないのは当然です。
とはいえ、銀行から金融機関、そして広い意味での貸金業全体、最後に普通の事業法人まで
その手だてを広げていくには、やはりいろいろな意味で難しくなっていきます。

今回は、広い意味での金融機関である、リース会社の、そのリース債権の流動化について
触れてみたいと思います。

そもそも、リースって何でしょう。
とある「もの」を使いたいという人(私人、法人問わず)に対して、その「もの」を
貸して、そのかわりの貸し賃をもらう、という商売、というと簡単な掴みでしょうか。
では、これではリース業って金貸しじゃなくって物貸しじゃないの?
という質問があるでしょう。でも、こう考えてください。
リース会社は常に人の使いたい物ばかりをストックしている訳ではないでしょう。
そんなことをしたら、倉庫のリスクが大きくなってしまいます。
そこで、ある人がリース会社に「あれ貸して」と言ってきたら、
その人の代わりにその「あれ」の代金を「調達して」、「買って」、「貸して」、
貸し賃をもらって「調達の費用をまかな」っている、と考えられるでしょう。
そうなると、代金を調達して買う代わりに調達した資金をそのまま貸して
その人に買わせて、お金の貸し賃としてもらう、ということでも経済的には
同じことだということがわかります。リースとは、間接的にお金を貸しているのと
変わらないのです。

実際には、所有権がどこにあるのかとか、会計上の取り扱いが違うなどの
違いがあるからこそ、リースを使うかお金を借りて買ってしまうかの
選択が出来るのですが。。。

そう考えたとき、リース会社は、そんな貸し賃である、将来受け取るであろう「リース料」を
担保に資金を調達したいと考えるのが自然になります。
ただし、リース料の性格から、一つ信託会計上問題になることがあります。
それは、リース料は所詮「品貸し料」、ようはすべてが収益にすぎないのですが、
信託会計上は信託元本というものを決めなければならない以上、将来受け取る
リース料を、元本がいくらで利息がいくら、と色付けし直さねばならない、という
手間が発生するのです。当然、品貸し料としてみているリース会社ではそんなことは
通常はしないのが普通なので、ではいったい誰が計算し直すか、で、たいてい揉めることになります。
ちなみに、計算の仕方はいろいろあります。いわゆる78分法と呼ばれる、いわゆる元利均等払い
のような最初利息を沢山払って元本を少しずつ返済していく色分けをしてみたり、
最初から最後まで元利の割合を一定にしてみたり、と、そこは投資家含め全員が
どのようにとらえたいかに依存するところです。


さて、このリース料債権での調達。
90年代からある商品なので、すごく一般的なものになっており、また、全般的な
資金調達利息の定価も含めた結果として、信託報酬などはもとより調達金利にわたってタイトな
(要はコスト競争が進んだ)商品となっています。

しかし、過当競争の進んだ商品の行く末というのは本来の姿と異なる
様相を呈しているのです。
本来であれば、調達したいオリジネーターがサービサーである場合の信用リスクを
軽減するためにバックアップサービサーを求めるべきところ、調達金利が下がった結果
コールドベース、すなわち、破綻するまでは何もせず、破綻してはじめてデータを
もらって回収準備を始める、という気の長いシナリオも持って足りる、とする格付けばかり
になっています。これは、オリジネーターは破綻しないからコストの安いコールドベースで
いいよ、という、オリジネーター自身の信用リスクをスキームに持ち込んでいることに
他ならない訳で、そこには、格付けを出さないと仕事にならない格付け会社の安易な
結論と、発行できないと商売が出来ないアレンジャーのご都合主義と、何よりもやすければ何でもいい
というオリジネーターのエゴが、最終的な投資家に対する負担を求めているほかにない、と
いえるとおもいます。

なお、現在、動産の信託は事実上無制限にできるものの、リースの対象となる資産にあげられる
たぐいの動産の受託は実務上どの信託銀行でも出来ないことを考慮すると、現在一般に使われている
リース債権信託においてオリジネーターサービサーが破綻した場合、
リース債権は確かに信託に譲渡されている以上、その債権は信託が保有する、いわば、
リース債権の債権者は信託銀行になる、というのは当然なのですが、問題は、リース債権が
リース資産とどう組み合わせて取り扱われるか、というところが残っています。
例えば車のリースを考えた場合に、一義的にはオリジネーターサービサーの名前が
車検証に書かれている訳ですが、破綻後どうしなければならないか、ということです。
リース債権はリース資産をある意味裏付けにしているものの、その所有者とも考えられる
オリジネーターサービサーが破綻した場合のリース資産の処理というのがどうなるのかが
実は明確ではない、というリスクが実は残っているはずなのですが、

どうせ破綻しないから大丈夫

ということですまされているのが現状です。
でも、思い出してください。証券化をやっていて破綻した会社はあるんです。

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                          -> "Finance"
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確かにどの会社さんも、この超低金利下では間接金融を主として資金調達がしやすく
なっているというマーケットの地合いがあるため、どうしても、フィーのアンバンドル
という形での調達を行う証券化?流動化は個別にたたかれる要素はあると思うのですが、
何を持って適正価格か、みたいな議論が出来る分フェアーだとは思うのですが。。。

とはいえ、どうしても、
「安いのがすばらしい」
というのが商習慣である以上、腹を切ろうがなにしようが、
安くするのはアンバンドルしていようがいまいが一緒なんですよね。
アンバンドルしているほうが、努力が見えていいのかもしれませんが。。。

<<<<<<<<<<<<<<<<<< Music Review >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
                [Re-works of Art of Noise / The Art of Noise]

さて、今回ご紹介するアルバムは、基本的には In Visible Silience の
ミニアルバム的な存在だったはずのもの、で、確かに前半は
それぞれの曲の12インチバージョンや7インチバージョンを収録して、
それはそれで楽しめるもの、ではあります。
特に、かの Mr. マリックのテーマとして知られる Legs は
時として、このアルバムで紹介される Legacy という形で
紹介されることの方が実は多いようで、実際にも、この後
作られていく tribute 盤やベスト盤ではこちらの名前の方が
多いように感じられます。

さて、では後半は?ということなのですが、
In no sense? nonsense! のレビューでも触れた通り、彼らは
In visible silence の後、精力的にライブ活動に時間を使い、
実際日本にも来たということです。後半の4曲は、ハマー
スミスオデオンでのライブ音源で行われた、その一連のライブの
中のものだそうです。

ちなみに、6曲目のHammersmith to Tokyo and back は、In visible silience 
の beat back、7曲目は、Opus 4 に日本語のサンプリングを重ねた、Opus for four へと
続く曲です。いずれも、サンプリングを多用する、高度な技術を要する曲であることは
聞いているとよくわかりますが、会場もライブ音源らしく、盛り上がるところでは
ちゃんと歓声が沸き上がっているのが印象的です。 

で、ライナーノーツによれば、テープは全く使わずに、
JJ は自分が作業している手元が全部客席に見えるように
立ってのパフォーマンスだし、アンはキーボードを操り、
ボイスはバックコーラスが実際に生で上手に歌い、パフォーマンスの
最後では「イン●ザ●ムード」を披露した、ということで、
実際のライブパフォーマンスでも、その技術力の高さを存分に見せつけた
舞台だった、ようです。

よく、「昔の AON の曲は今だと PC 一つで全部出来る」という人がいますが、
では、実際にライブで、シーケンサなしでやれと言われたらどうでしょうね。
私は楽器を使えないのでわからないのですが、多分難しいんではないでしょうか。。。

1986年といえば、高校生の頃かぁ。Falco 同様、今思えば何が何でも
いっておくべきライブだったのかもしれません。。。
           
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                    -> "Music Review"
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ちなみに、AON のライブパフォーマンスについては
後もう一つ紹介できる物があるのですが、それはまた、おいおい。
そちらも結構圧巻ですよ。

さてと。
公言通り自転車通勤を始めました。
予定通りというべきか、家からオフィスまで 15分でした。
電車で行く時間の半分ですし詰めの電車からは解放される、のですが、
本が読めなくなる、ついたら大汗を顔からだらだら流してちょっと
スマートではない、着替えも持ち歩かないといけない、など、
pros と cons が入り交じります。。。でも、健康のため
これは当面は続けようと思いますので、町中で赤いメッセンジャーバッグを
背負い、青い「GIOS」とかいてある自転車で走っているお兄ちゃんを
見つけたら、

「無理するなぁ!」

と声をかけてくださいね。

もう一つ、サイドストーリーを行こうかな(笑)
http://www.emichanproduction.com/
に書いたのですが、数日間当方のメールサーバーが落ちました。
その間、あらかじめ購入しておいた機材にいろいろ設定を移植したり
などして、48時間程度で復旧させました。

さて、その機材ですが、なんと、Mac mini を使いました。
もともと、Free BSD + Mach というとっても、Unix 的な
OS である Mac OSX には、当初からメールサーバーとして使える
ソフトウェアが入っていたりして、使えると目星を付けていたのですが、
ちょっとした手直しの結果、従来のメールサーバー、メーリングリストサーバー、
ウェブサーバー、などなどが、ほとんど変わることなく動いた、というのには
驚かされました。しかも、最大 85kWですよ。最近に PCは 400kW とか
平気で電気を使うのに。。。お財布にも場所にも優しい Mac mini、
皆さんも一台いかがですか?

ではでは。

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で、資産の証券化について熱く語り、お金に関するもろもろについても
深く考えていたり、

ビジネス本のep-books <http://melten.com/osusume/?m=18931&u=18652>
で、人生生きる為に必要なことってなんだろう、って考えてみたりしながら、

80年代や90年代のポップスの紹介をする        
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で、アンビエントハウスから派生した音楽を追いかけてます。

そして、発行人のもうひとつの顔、浅草のお土産屋のお兄さんとしての
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