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タイトル:[ep-update] shi の社会人 10周年記念ドームツアー、開催される???  2005/04/09


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        [[ e p - u p d a t e s ]]

       edition: 9-Apr-2005

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こんにちは。
発行人しております、shi でございます。

さてさて、今朝2週間ぶりにテニスをしに、隅田川沿いを自転車で
流したのですが、やっぱり気持ちがいいですね。
雪のような白さにほんのりとピンク色がかった花というのは。

今週、名古屋、大阪、福岡とドームツアーのような毎日を過ごして
きた私は、行く先々でその土地の桜を堪能して、
「東京はどうなんだろう」
なんてちょっと里心。。。

なんて言う間もなく、仕事でハードな移動スケジュールを
寒いんじゃないかと思ってコート持参で行ったら大汗かきで
脱水になりかかりました(苦笑)

なかなか季節の変わり目の服装というのは難しいですね。

さて、そんな季節の変わり目は年度の変わり目。
そんなところで、Mar/31の晩に書いた「今日の一言」

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            [とうとう今日が終わると]

私も社会人になって10年がたってしまうことになりました。
正直言って早かったようにも思えるし、その割にはいろいろなことを経験させてもらったなぁ、
という気もしております。

とはいえ、そもそも、よくもまぁ、10年も同じ「社会人」を続けてられたなぁ、
という自分に驚いてしまっています。
それもこれも、この10年で、プロダクトをあちこちに行き来し、そして会社も3社目になり、
そうやって心機一転を繰り返してきたからかも知れません。

さて、11年目が始まるのですが、どんな向こう10年になるんでしょう。
でも、学生から社会人になったときの緊張感と謙虚さとチャレンジ精神を思い出してがんばりたいですね。 

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                    -> "Word of the day"
<<<<<<<<<<<<<<<<<< Word of the day >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

前回のメルマガでも

「で、思い出した。もうじきですね。あれから10年ですよ。
 私もあのニュースをイギリスからの飛行機の中で見ましたもの。

 。。。ということで、私も社会人10年が終わったんだ。
 よく続いたなぁ。会社はかわったけど(苦笑)」

なんて書いてますが、そう、1995年というのは私にとって
一つの節目となる年であり、またいろいろ印象深い年でもあったのですが、
もうそれから10年です。

当時の私に、今の自分は全く想像できなかったですし、
多分、今の自分から、この先10年後も予想できないだろうなぁ、
と思ってます。

ま、それって一貫性がなくて行き当たりばったり、と言われればそれまでですが、
常に新しいことにチャレンジしよう、としていると前向きに評価してもらえれば(笑)

ということで、レビューの紹介です。

<<<<<<<<<<<<<<<<<< Book Review >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
                           [実践的ライター入門/松枝史明」
http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/0003399f.d4194aaa/?url=http%3a%2f%2fbooks.rakuten.co.jp%2fRBOOKS%2f0001737828%2f

さて、この本は、タイトルの通り、本を書くライターになるためには、という
内容の本ですので、お勧め度に「立ち読みで。。。」と書いたものの、
そういう志向のある人には手元に置いておきたい内容だとは思います。
なにせ、いろいろノウハウがあるので、立ち読みでは覚えきれないでしょう(笑)

さて、そんな中で、うーん、ごもっとも、と思ったのが
200ページの本、とはいえ、4-5章から成り立ち、各章も 5-7の小見出しから
成り立ち、それぞれの小見出しも10から30くらいの文章から成り立っている、
というように、本って実は大体 700くらいの文章の集合体なんだ、と
まず簡単に見せたところと、
ライターの仕事って、実はインタビューのような資料片手に文章を並べ替える
のが多いのか、と思ってしまうような紹介だったり、
そもそも、人様の名前をかたって本を出すのだから、その書き手の
個人をかなり、というか基本的には出さない努力は必要
と言うことでしょうか。

これを補足するために、いろいろな逸話をもっともらしく並べるんですよ、
というのを実は、この本でも既に実施している、というのが、一番のポイントな
気もしますが、どうなのでしょうか。

いずれにせよ、もし物書きを目指すならば、とりあえず、700の文章、これですね。
そのためには、この本ではインタビューを文章にしてもらったものから入る、
とありましたが、最初の自分の文章は…志茂田影樹みたいに、思いついた文章を
片っ端からボイスレコーダーに入れていきましょうか。

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                    -> "Book Review"
<<<<<<<<<<<<<<<<<< Book Review >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

ということで、きっとビジネス本は著者買いするとつらい目に遭う可能性が
ある、ということの大きな理由なんでしょうね。
一時(いや、実は今でも少しは)思っているのが、物を書いて稼いでみたい、
という所ですが、出来ることなら、能力はなくとも自分の文章で、と
思ってしまうのは、きっと私がちゃんとしたマネジメントになれない
一因でもあるのでしょうけれども、一度自分で手を動かすことというのも
大事な気がしているのですが。。。

<<<<<<<<<<<<<<<<<< financial talk >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
 [企業資産の流動化と信託 : 金銭債権の譲渡と債務者との関係]


前回金銭債権信託の概要を軽くご説明しましたが、今回は商品別の各論に入る前に、
商品全般に関わるものの、一つのキーになる「債権譲渡」という問題について
いろいろと検討してみたいと思います。


さて、「債権譲渡」という行為、わかりやすくするために、前回例示したケースで
再度見てみたいと思います。

例えば、「某銀行」が「とある優良取引先」に貸し付けているローンを10本計100億円あるとして、
これを信託に譲渡して受益権化して売却したい、というニーズがあると想定します。

この場合、「某銀行」が「信託」に対して、「とある優良取引先」から将来100億円(と利子を)
受け取る権利を譲渡する、という行為が発生するのですが、落ち着いて考えてみると、
「某銀行」と「信託」との間で、この「権利」を譲渡する、と「とある優良取引先」の
知らないところで勝手に決めてしまっても大丈夫なのでしょうか。

もし、この信託への債権の「譲渡」が「とある優良取引先」に対して何も知らされていない場合、
「とある優良取引先」は当然「某銀行」に債権の弁済代金を支払ってしまうでしょうし、当然
そうやって支払った元本に相当するだけの金額は「とある優良取引先」からみての「債務」から
減って当然と考えるはずです。となると、債権を譲渡されたはずの「信託」には一銭も入ってこない
ことになりそうです。それでいいのでしょうか?


さて、信託を使った資産流動化案件では、この点については二つのアプローチのいずれかを
取ることになります。

* 債務者に対して債権譲渡を通知して、新しい債権者に対して弁済するように促す
* 債務者に対してはなにも言わず、そのかわり、委託者が信託の代わりに債権を回収して信託に引き渡す

前者の場合は特に信託にちゃんと移っている、ということがわかるので問題はないと思うのですが、
これをやった場合、このケースですと「某銀行」にしてみれば自分の資金調達のためにやったから
いいものの、「とある優良取引先」にしてみれば、付き合いのあるはずの「某銀行」が自分に対する
貸金を売った、なんてことをしてくれるんだ、ということで、今後の「某銀行」との取引を減らす
などの影響があり得るので、あまりやりたくないことが多いようです。

後者の場合、「とある優良取引先」の立場から見ると何も起きているようには見えないですので、
その借りたときと同じく「某銀行」に契約に従って支払いを行うのですが、その裏側で、
「某銀行」は「信託」と結んだ「回収代行契約」に基づいて代理で回収したに過ぎないということで
受け取ったお金をそっくりそのまま「信託」に引き渡すことになります。これですと、とりあえずは
「某銀行」にとっては、「とある優良取引先」に対してはその貸し手としての面目は
立ちますし、しかも資金調達も出来るし、と万々歳な方法に見えます。が、そんな商品を買う
投資家の立場から見ると、いくつかの点で気になることが出てきます。


Q1. もし「某銀行」が破綻した時、「とある優良取引先」から受け取った支払いが「某銀行」の
ほかのお金と混ざってしまうため「信託」にちゃんと支払われないのでは?

Q2.「某銀行」が破綻した後、いったい誰が「とある優良取引先」から取り立てるのか?

Q3. もし「某銀行」が破綻した時に「信託」が「とある優良取引先」に
     「今まで黙ってたけど実は自分が正当な債権者だ」と、自分が言えるか。

Q4.  そもそも、このスキームを行うにあたって、同じ債権をもとにして複数の同じスキームを
作ることも出来るから、仮にそうされても、ほかのスキームに先んじて自分のスキームに対して
弁済されるようにする必要があるのでは?


とまぁ、実は「某銀行」が(行政によって守られて)ちゃんと会社として動いているうちは
問題のない話ではあるものの、ひとたび破綻してしまうと、このスキームにも影響が起きてしまう、
という、オリジネーター(債権の生成者)/サービサー(回収業者)の会社リスクを背負っている
スキームだということがわかると思います。

「あれ?債権の流動化ってオリジネーターのリスクを排除するんじゃなかったっけ?」

という疑問は確かにあると思います。そこで、上記のようなリスクはこうやって回避している
ことになっています。


Q1.  もし「某銀行」が破綻した時、「とある優良取引先」から受け取った支払いが「某銀行」の
ほかのお金と混ざってしまうため「信託」にちゃんと支払われないのでは?

A1.  この、「コミングリング(混在)」リスクについては、スキームに要求される保証の度合いに
よって異なるものの、1-3回分の回収金、もしくは配当金をあらかじめ「信託」で準備するように
して、その分だけは凌いでその間に問題解決を図る、と考えられています。

Q2. 「某銀行」が破綻した後、いったい誰が「とある優良取引先」から取り立てるのか?
Q3.  もし「某銀行」が破綻した時に「信託」が「とある優良取引先」に
「今まで黙ってたけど実は自分が正当な債権者だ」と、自分が言えるか。

A2/A3. (「あなたの債権は売られました」という内容の)債権譲渡の通知は債権譲渡が起きて
すぐに打たなくともよいとされていることから、このような「某銀行」の破綻時まで通知を
先送りにしておく事自体は問題ではないようですが、債権譲渡を「とある優良取引先」に
認知してもらう(この債務者対抗用件を具備する、と言います。)には

*「某銀行」(債権の譲渡人)が「とある優良取引先」(債権の債務者)に通知する
* 事実を知った「とある優良取引先」が「信託」(債権の譲受人)に承諾する
* 以下で説明する債権譲渡登記の通知書を送る

のいずれかをすることになり、その結果債務者に事実関係を認知してもらい、「信託」に支払うよう
誘導することになります。
ちなみに、債権の種類によっては、債権回収の専門家に破綻時以降代わりに債権回収を
行ってもらう(バックアップ)契約を別途結ぶことも多いです。

Q4 そもそも、このスキームを行うにあたって、同じ債権をもとにして複数の同じスキームを
作ることも出来るから、仮にそうされても、ほかのスキームに先んじて自分のスキームに対して
弁済されるようにする必要があるのでは?

A4. 一つの債権を複数の先に譲渡する事自体は確かに信義則に反するようにも見えるのですが、
それぞれの譲渡自体は成立してしまうので、債務者の立場からすると、いったい誰が正当な
譲受人なのか、という譲受人の間の権利関係の強さを決める必要があります。言い換えると
当然、最初に譲渡を受けた人が正当だと言うのがわかるものの、どれが先なのか、という決め方が
必要になります。そのルールを第三者対抗用件というのですが、そのルールは

* 債務者対抗用件通知に確定日付という公証役場でもらえる日付を取った場合にはその日付
* 債権譲渡登記をした場合にはその登記の日付

の一番早いもの、ということになります。従って、こういったスキームでは債務者への通知は
打たないものの、債権譲渡登記という第三者対抗用件の具備だけは債権譲渡を行ったその日に
おこなうことがほとんどです。


さて、本当にこれでオリジネーター/サービサーリスクは回避できたのでしょうか。
実は、このようなオリジネーター/サービサーが破綻したケースは国内では筆者の知る限りでは
全業種あわせても 4件と少なく、一応それらは最終的には投資家に全額元本は支払われたよう
ですからその意味では守られた、と言えるでしょうけれども、聞く限りにおいては本来の
シナリオと全く異なる動きのなかで解決しているようですので、何とも言いがたいものなのかも
しれません。

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                          -> "Finance"
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ちなみに、4月1日に施行された「個人情報保護法」と、債権譲渡というのが
実はやっかいな問題になるのでは、という議論がありました。
もし詳細を知りたい方はメールくださいね。メールがたくさん来たら
のせてみようかな、と思ってます。


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                [The Ambient Collection / The Art of Noise]
http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=kikuyaasakusa-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000003MU6&fc1=000000&=1&lc1=0000ff&bc1=000000&lt1=_blank&IS2=1&f=ifr&bg1=ffffff

1990年にリリースされた、The Art of Noise のリミックス三部作の第一弾。
リミックスを元 Killing Joke のベーシスト Youth が手がけ、また DJ として
Alex Paterson を迎えて制作されたこのアルバムは、実はアンビエントとしては
申し分のない、いや、ベスト3に入るのではないかと思われるくらいの最高の
できで、実際 アンビエント = 自然界の音 = 物の鳴る音 という連想に基づいたときに
AON のベスト盤して掲げる人も多いくらいである。

さて、トラックの作りですが、基本的にはAONのChina Record からリリースされた
作品をベースに、特にAmbient 指向な曲を中心にリミックスがされている。
出だしの雷の音から、Below the Waste の Finale で使われているボイスをモチーフにしながら
人の声をメインに使っている Opus 4 から Opus for four への移行、そして、Nothing was going 
to stop them then, anywhere を挟んでの Crusoe、Islands そして、前半の山場である、
Camilla の浮遊感たっぷりのambient に突入、というのがまずたまらないところです。
そして、後半もambience がたっぷりに流れて、本邦初公開の A Nation Reject の、夕方の
草原の丘を上のラッパ吹きを思い出させるような情景を作り出して、最後に驚愕の ambient dance
mix である The Art of Love へ。AONの初期の名作 Moments in Love をベースにしたこの曲は

                                          踊れます(笑)

筆者はこれを入り口にambient に入っていきましたが、同時に過去の AON を全部聞き直す
きっかけともなり、いずれもがっかりすることなく今に至っておりますので、どちらに対しても
よい入門になること請け合いです。
           
           http://www.emichanproduction.com/
                    -> "Music Review"
<<<<<<<<<<<<<<<<<< Music Review >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

ちなみに、ep-music では Moments in Love を Camilla と書いてしまってました。
確かにCamilla もベースにあるのですが、一番目立つリズム進行のベースが
Moments in Love なので、ちょっと書き換えてみました。

さてさて、ep-music でも ep-book でも書いたのですが、
この数日の私の一押しの読書は、ビジネス本でなくて
浅田次郎氏の「蒼穹の昴」

http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/0003399f.d4194aaa/?url=http%3a%2f%2fbooks.rakuten.co.jp%2fRBOOKS%2fNS%2fCSfLastGenGoodsPage_001.jsp%3fGOODS_NO%3d1720326

という、中国の清の時代末期ですから、20世紀に入る直前くらいを題材にした
長編小説で、当時の科挙や宦官、王朝や政治を社会環境を見事にまとめたものでした。
電車の移動中、疲れているはずなのに、思わず読みつづけてしまいました(笑)

いやぁ、これはよく出来た歴史小説なのですが、どこまでが本当でどこまでが
フィクションなんだろう、と頭を悩まさずにはいられませんでした。
しかも、新幹線の移動中に一カ所で不覚にも涙を流してしまい、でもふと横を見ると若い
女性たちの視線が。。。さて、私が泣いた場所とは。。。内緒です。

でも、実はふと大阪の阪急電車で前にたっていた女性も同じ本を
読んでいるのに気づいてびっくりしました。最近文庫本になった
そうなので、再評価が始まったのでしょうね。

さて、本当ならば、4月は少しはのんびりできるはずなのですが、
まだまだ許してもらえなさそうです。
皆さんは落ち着きましたか?

今日は花見でもどうですか?浅草で。
ではでは。

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発行人: shi

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金融専門の ep-finance <http://melten.com/osusume/?m=18930&u=18652>
で、資産の証券化について熱く語り、お金に関するもろもろについても
深く考えていたり、

ビジネス本のep-books <http://melten.com/osusume/?m=18931&u=18652>
で、人生生きる為に必要なことってなんだろう、って考えてみたりしながら、

80年代や90年代のポップスの紹介をする        
ep-music <http://melten.com/osusume/?m=18932&u=18652>
で、アンビエントハウスから派生した音楽を追いかけてます。

そして、発行人のもうひとつの顔、浅草のお土産屋のお兄さんとしての
浅草ガイド、info-asakusa <http://melten.com/osusume/?m=18835&u=18652>
も、ぜひご覧くださいね。

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