メルマガ:仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
タイトル:仇花の記憶 23/02/25 462号  2023/02/25


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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜

第弐拾巻弐回  小説「サクラサ」
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2011年3月11日に発生しました東北地方太平洋沖地震
(東北大震災)にて罹災した皆様方、2016年4月14日に
発生しました平成28年熊本地震にて罹災した皆様方に
心からお見舞い申し上げます。
居住地の差異の為たまたま罹災しなかった筆者に出来
ます行動は限られておりますが、幾許かが皆様の潤いに
繋がりますならば幸いです。

御機嫌よう。葡萄瓜でございます。
小説配信回、ごゆるりとお楽しみください。

〇●〇

          サクラサ
                       XQO
                                  
 自分の中で何となくある言葉が禁忌になっている。
きっかけがきっかけだっただけにもう呪縛から逃れて
も良いだろうとは思うのだけど、人間そうそう容易く
は出来ていないらしい。
  自分だけの現象かと思っていたんだがどうやら信人
も同じ様なものを抱えているらしくたまに用心深く言
葉選びをしている。
  何なんだかなあとは思うけど、それも二人を結んだ
縁の一部とは言えるので無下にも出来ない。
  
  鰯と柊を拝む様な信心とは無縁な人間の筈、と自認
はしてるんだが特定の言葉に限って縁起を気にしてし
まうと言うのはどう言う心理だと未だに苦笑する。
  通過地点だったとしてもいい加減昔だし、大した事
も無いその経験を武勇伝に出来る程の厚かましさを持
ち合わせても居ないので普通に使えば良いだけの話な
んだが、いざそうしようとすると躊躇が生まれる。
  少なくとも慣れてはいる。過剰な験担ぎとも今では
無縁だ。意識的に避ける必要性は微塵も無いと理解し
ている。
  とは言うものの、同じものを未だに抱えているらし
い洸の様子を伺うとこれは呪縛を通り越して刻み込ま
れたものなのかと思わざるを得ない。日常に実害が無
いからまあ良いんだけど。
  
  「降ってるねぇ」
  「積もるかね?」
  「この辺じゃ無理じゃね?」
  「やっぱそうか」
  「そうなっても備えも無いし」
  「でもいい加減学習しても…」
  「毎年皆そう言うけどね」
  そして苦笑し合うまでがここ数年のワンセット。誰
か任せが連鎖するとこうなると言う見本を繰り返し見
てきただけに、それなら自衛をしっかりやった方が良
いかというある種の諦念がどうしても先に出る。軽め
の非常訓練を心掛けていると思えばそれなりに楽なも
のだ。
  「視覚的にはね、好きなんだわ」
  「同じく。ときめくし」
  「ただ、積極的には仲良くなれない」
  「たかが水分なのにね」
  「温度が違えばあれ程違うってのもね」
  「毎年対峙してる人は、偉いよね」
  「生活の一部なんじゃない?」
  一寸待て。今気づいたと言う顔を何故する。
  「ああ、そっか。そうね」
  「確かにこっちでは縁の無い感覚だね」
  「そう言う機会を自発的に作る事は少ないからね」
  「なんだかんだ考えると観客でいようか、に落ち着
くんだよな」
  「好きじゃないなら積極的にもならんし」
  「そうそう」
  あ、この感覚があの呪縛に繋がるのか、と腑に落ち
る。言語化は難しいが感覚的にはしっくりくる。
  でもこれで変に悩む事も多分無い筈だ。あっちもそ
う思えているかは判らないが、少なくとも片方が感覚
を掴んでいれば対処はし易い筈だ、と思いたい。
  「ま、軟弱者は視覚だけでも愉しめば、ね」
  ……通じているのかも知れない。それはそれで良い
けど。
  「あ、これお願いね?」
  「大根?」
  「みぞれ鍋だから」
  「ああ、なるほど」
  これも視覚の楽しみだしね。
  
  程好く温まったみぞれを胃の腑に収めながらゆるり。
夏の蕎麦とはまた違う味わいに気持ちが解ける。
  それにしても奇妙な縁だ。
  人生の岐路で出会った競争相手とまさかこう言う仲
になってそれなりに和やかに時を重ねているなんて。
あの頃には一切想像出来なかった。自分自身にも蓋を
していたし。
  …この縁で幾重にも解放されたのかも知れないな。
  「一度はさ」
  「ん?」
  「二人で行ってみたいもんだね、雪山に」
  「……閉じこもりに?」
  「やな事言いなさんな」
  「外に出ないならそうなるでしょうよ」
  「それもそうか」
  「自分で何とかするなら考えるけど」
  その時は力を貸すから、と心の中で付け加えてコー
ヒー豆を挽きに立つ。
                  【了】

〇●〇

本年度もお世話になりました。

明けて1月度及び2月度前半(10日)の配信は配信者都合
により休止させて戴きます。
次号・1月の小説配信回(25日)まで、御機嫌宜しゅう。

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BoysLoveみそひともじ朗詠 
http://com.nicovideo.jp/community/co1421231
定例配信:毎月第一月曜日・21:00(午後9時)頃〜

雑談枠:「合切袋のプチ整理」
毎月第三月曜日・21:00(午後9時)頃〜

お時間がありましたらよろしくお付き合いください。
暫し休止中ですが、再開の折にはご愛顧戴ければ
幸いです。

2023年度「BL夜伽ラヂオ」配信も暫し休止と
させて戴きます。

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以下、商業媒体告知です。

ネクストF編集部/JIVE『このBLがやばい! 2022年度版』
(2021年12月15日刊) 
https://www.amazon.co.jp/dp/486715122X
にて、当方はBL通の末席で「あなたのBL BEST5」(コミック)
選者で参加しました。
他の箇所にもひっそり参加しております。御高覧ください。
各所電子書籍配信もあります。

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商業媒体告知、2件目です。

2017年11月10日ぶんか社より刊行された
たかはし志貴先生
「アラサー腐女子が初めて付き合ったのは、高校生の腐男子でした。」
巻末企画にて、たかはし先生のパートナーさんを
含んだ面々で腐男子座談会を展開させて戴いて
おります。
https://www.amazon.co.jp/dp/4821144719/
https://books.rakuten.co.jp/rb/15204144/
ご高覧戴けましたら幸いです。
電子書籍展開もあります。

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商業媒体告知、3件目です。

2015年11月25日より集英社より電子書籍配信されている
ブリンクコミックスデジタル・ことり野デス子先生
「フダンシ革命」第2巻巻末企画にて、ことり野先生と
腐男子として対談させて戴いております。
http://www.amazon.co.jp/dp/B0177H72ZO/
http://books.rakuten.co.jp/rk/42718e40b81938e788ce1e4a32558366/
ご高覧戴けましたら幸いです。

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商業媒体告知、4件目です。

2015年8月20日に玄光社から刊行されました
『はじめての人のためのBLガイド』【表紙:宝井理人】
http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=8721 
http://www.amazon.co.jp/dp/4768306462/ 
の企画・「私が選ぶ○○BLベスト5」の選者の一人と
して参加させて戴きました。
ご高覧戴けましたら幸いです。

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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
第弐拾巻弐回 2023.2.25発行

文責:葡萄瓜XQO(ぶどううり・くすこ)
http://xqo.ooh.jp/mag/
mail:xqo_gm@yahoo.co.jp
  :xqosy@aol.com(メールマガジン専用)
連動BLOG「ショタやおい雑記」
http://xqosy.seesaa.net/

このメールマガジンは
Mailux
http://www.mailux.com/mm_dsp.php?mm_id=MM3FAB47D02D533

まぐまぐ
http://www.mag2.com/m/0000270330.html

のシステムを利用して発行させて戴いています。

ご意見ご質問等は上掲メール宛、若しくはサイト内
設置メールフォームよりよろしくお願い致します。
http://xqo.ooh.jp/mag/form/

バックナンバーはサイト内及び各配信スタンド、
「ショタやおい雑記」にて公開しております。

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