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タイトル:仇花の記憶 10/11/25 229号  2010/11/25


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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜

第七巻弐拾弐回  小説「紅い糸に国境なし」
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**今号より横幅を若干拡げて配信しております**

御機嫌よう。葡萄瓜でございます。
小説配信回、お楽しみ戴ければ幸いです。

○●○

紅い糸に国境なし
                                 XQO

 ここ十年ばかりクリスマスイブは別々に独りで過
ごすと言うのが暗黙の了解になっている。良くも悪
くも互いに独りの自由を満喫するという訳じゃない。
正直半分は成り行きだ。
 いや、全くの独りと言う訳でもないか。まあ、そ
れが救いかどうかは別として。
 「親方、何ブツクサ言ってンすか?」
 「あー、いや、何でもない」
 「ナァイ、お前それ野暮じゃないか?」
 「んだよ、トゥカ」
 と、言い返しかけた同行者のしまったという顔と
つい視線が合ってしまい、実に気まずくなる。
 「親方、そのぅ」
 「良い、もう良い!何も言うな!」
 「へーい」
 こいつらも実際同じ様な状況だしな、と思うと自
分ばかりが考え込むってのは無しだろう。
 全く、こう言う運命は反則だと思う。俺が親父の
後を継いでサンタクロースになったってのは仕方な
いとしても、学校卒業した後更に職業訓練校に通っ
てた筈の理がある日突然俺の下で見習い訓練をしだ
し、そして別の巡回路の責任者になってるというね
…。まあ、うちの業界も適切な人員が不足してるか
ら優れた人材がいるに越した事は無いんだ。ただ、
うちの業界を正直職場結婚の環境にはお奨めしない
けどな。
 理一人養う分だけの稼ぎはあるんだから甘えてり
ゃ良いじゃないかと俺の考えを押し付けたくはある
んだが、それは理不尽と言うもんだろう。理の中の
「男」と言うテンプレートが俺の持ってるそれより
古風なのは他ならぬ俺が一番良く知っている。それ
も含めた上で理とそう言う仲になってるんだから仕
方ないと思うしか無い。
 この状況でトゥカとナァイがそう言う仲だったら
からかう事で少しはこっちの気も紛れるんだが、生
憎とそうじゃないし。こいつ等のパートナーはそれ
ぞれ地上に職があって、タイミングさえ合えばこい
つ等の帰りを待ち受けていると言う身の上だ。仕事
明けに成り行きでそれぞれ御宅訪問と相成ってしま
った事があったが実際こいつ等がなんだかんだと仕
事が出来てるのはこのパートナーいればこそだな、
と祝福して帰ったものだ。
 いっそパートナー絡みでからかうか…いや、止し
て置こう。そう言う下世話さと彼等ははっきり言っ
て無縁だ。
 
 「親方、これ、どぞ」
 南極休憩所で一服しているとナァイになにやら渡
された。
 「ん?なんだ?」
 「ま、見ての通りのモンす」
 赤緑金白が象徴的な色になって久しいが、職場内
でその色遣いを敢えて使う奴は滅多にいない。ただ
食傷気味という理由だ。でもこうやって貰ってみる
と結構嬉しいかもな。
 「開けて良いか?」
 「どぞ」
 それは多分まじないと解釈した所で相当古臭いも
のだとは思う。でも正直それをくれた頓知がとても
嬉しい。
 「延伸料金も当然込みだよな?」
 「それは無線の応用で勘弁して下さい。海底施工
技術の持ち合わせは無いもんで」
 「ま、地球全域対応なら良いか」
 頓知の解釈はさておき、糸電話の片方ばかり貰っ
てもなァと心の隅で苦笑する。まあ、気休めには良
いやねと思って耳に当てた瞬間、肝が一瞬絶対零度
寸前まで冷えた。
 
 「パイロットと通信技師に心配かけてんじゃない
よ、このお莫迦」

 途切れた糸の先をしみじみ見るが種も仕掛けも無
い。本体にもそう言う機械仕掛けは無い。どういう
事だ幻聴かと思ってもう一度耳に当て直すとこう来
る訳だ。
 「折角の会話中に何やってんだこのスカタン」
 「お前こそ何やってんだよ」
 「機械仕掛けの通信じゃ混線すると思って特殊試
験受けたんよ。今喋ってるのは特殊技能の空伝法の
応用ね」
 そこから後はもう積もる話で休憩時間をしっかり
潰す。俺が莫迦だってのは自覚あるけどお前も相当
莫迦だよと内心でツッコミつつ。今更惚れ直させて
どういう魂胆をしてやがんだとかナントカ照れ隠し
に。
 「親方、ご馳走さんでした」
 「おう、美味かったろ?」
 何でお前がと言うナァイの赤面とトゥカの忍び笑
い。今夜はいつも以上に良い聖夜になりそうだ。 
                                   【了】

○●○

さて、此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて戴き
ます。

ここで自己喧伝を。
来る12月11日、以下の枠組みで人前で喋らせて戴く
仕儀と相成りました。

「腐男子なう2@CAFE801」
2010年12月11日(土曜日)開催
会場:CAFE801【カフェハチマルイチ】
料金:2000円(ワンドリンク付)
タイムスケジュール
開場:16時・開演:17時・終演:19時
終演後21時まで店内貸切の自由時間
出演者:
吉本たいまつ / 黒猫ゆうすけ / ぶどううり・くすこ

お時間頂戴出来れば幸いです。

*******

CAFE801(カフェハチマルイチ)

〒170-0013
東京都豊島区東池袋3-10-6 加藤第6ビル2階
http://cafe801.org/

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また筆者インタビュー掲載同人誌「腐男子にきく。
2」及び「腐男子にきく。」の通販が編著者・吉本
たいまつさんのサイトを中心に展開されております。
こちらもよろしくお願い致します。

Re-Ionisation http://www.picnic.to/~taimatsu/

では次号配信まで、御機嫌宜しゅう。

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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
第七巻弐拾弐回 2010.11.25発行

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