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タイトル:仇花の記憶 06/12/25 133号  2006/12/25


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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜

第三巻弐拾四回  小説「歳末一計」
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御機嫌よう。葡萄瓜でございます。
小説配信回。お楽しみ戴ければ幸いです。

○●○

     歳末一計
                XQO

 「なあ、としのぶ」
 唐突にお母んの猫なで声がする。こういう
時は大概何か足りないものを手配する手間を
省いて貸して欲しいといってくる時だ。俺、
百貨店違うねんけどな。
 「なんやのんな」
 「日曜日、康之君貸してくれへん?」
 「あかん」
 「そんな即座に言わんでも。半日でええか
ら」
 「お母んに物貸して無事に帰って来た事無
いから断る」
 「殺生なぁ。大掃除に人手足りへんのよ」
 「お父んとお兄に悟がおるやんか。俺とヤ
スは予定ありやからあかんで」
 「年末なんやしさぁ」
 「年末やから二人で居たいの。何時も何時
も大概予定潰れてしもてたから、今年は一寸
大目に見て」
 「ま、しゃあないね」
 「ごめんな」
 「聞いとくけど」
 「何?」
 「予定には泊まりもあるんやろね?」
 「……うん、まあ…」
 すかさずポチ袋を握らされた。
 「足しになるやろ。前倒しで渡しとくわ」
 「ちょっ……こんなん…」
 「相手が康之君やからその他の事は安心し
てんねん。ゆっくりしといで」
 「うん。………おおきに」

 俺とヤスのこう言う仲が親バレした時、不
思議と両家の両親共に安心ムードを漂わせて
いた。俺とヤスが拍子抜けしたのは言うまで
も無い。こう言う関係に対して世間が如何言
う反応を示すかは一応予習していたから。過
ごし易くなったと言う声はあるけど、用心は
するに越した事は無いし。
 『としのぶと康之君、どっちがタキシード
着たら良いんかしら』
 関係がしっかりばれた後のうちのお母んの
開口一番。両方ともタキシードだと返したら
かなり残念そうな顔をしていた。一寸待て。
お母ん、あなたはそう言う趣味でもあったん
かい!歌劇団のファンなお人だからもしかし
たら連想がショートしたのかも知れないが。
 お父んはお父んで何を言うという訳でもな
く、只見守ってくれている。ヤスがうちに来
た時は気恥ずかしそうにしているがそれでも
かなり嬉しいらしい。
 『まあ、息子が一人増えた感覚なん違うか
?』
 とはお兄の言。そう言うお兄も満更ではな
い様子だ。悟は…慣れはしているが一寸考え
る所があるらしい。そりゃそうだろう。でも
その相談をヤスにしているらしいと言うのは
何を示しているんだろう。お前が相談を持ち
かけてるのはお前の兄と一つ布団で寝てる奴
なんやでとついツッコミを入れたくなる。ヤ
スに止められてるからしないけど。

 「うちの方はええんか?」
 「お母んから自由をもぎ取ってきた」
 「そうかぁ。まあ、後腐れが無いならええ
ねんけどや」
 「正月には寄ったって。多分お父んとお兄
がお待ちかねやし」
 「悟は?」
 「どうやろな。なんか泊りがけで遊びに行
くとか行かんとか言ってたし」
 こう言うのが一つ布団で過ごした翌朝の会
話だというんだから我ながら何と言うか。
 「ヤスんとこは大丈夫なん?」
 「うち、普段から細かく掃除しとるし。換
気扇もこないだやったから当分いけるやろ」
 「おっちゃんとおばちゃん、なんか言うて
る?」
 「なんも。只お前が年始に来るかどうかは
気にしとるわ」
 「ほな、先ずヤスんちに行ってから俺んち
やろな」
 「せやな。その方がええやろ」
 そして布団にもう一回ゴロリ。並んでヤス
もゴロリ。これは肌を合わせる為じゃなくて、
二人で居るという空気を愉しむ為のいつもの
儀式。
 「来年もこう出来たらええなぁ」
 「就活を乗り切ったら出来るん違う?」
 「……思い出させんとって」
 一寸沈みつつ、それでも二人を愉しむ。
 「とりあえず、来年もよろしゅう」
 挨拶ハモって唇重ねて。うん、ええ年の瀬
やわ。こう言うのんを何回も出来たら、ええ
よなぁ。
              (了)


○●○

さて、此度はこれにてとりあえず筆を擱かせ
て戴きます。

ここで少々宣伝をば。
2月12日(月曜日/祝日)、東京都立産業貿易
センター・台東館七階にて行われる少年系総
合同人誌即売会『ショタスクラッチ2』に於
きまして筆者は第1回に引き続きカタログ掲載
コラム『ショタコンのゆりかご』を書かせて
戴きます。
ご来場及びご高覧戴けましたら幸いです。
※ショタスクラッチ公式 
     http://syotaratch.com/※

では次号配信まで、御機嫌宜しゅう。
皆様、良い年をお迎え下さいませ。
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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
第三巻弐拾四回 2006.12.25発行

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