メルマガ:ニューヨーク・ブラックカルチャー・トリヴィア(ハーレム)
タイトル:NYBCT#333/海賊盤をめぐる人さまざま  2004/12/01


今回はロングバージョンです。
miniバージョンは【原則・月水金】にお届け。
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         New York Black Culture Trivia #333
    ニューヨーク・ブラックカルチャー・トリヴィア

      海賊盤をめぐる人さまざまon 125丁目

           2004/12/01
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前回の記事があまりにもヘビーだったので、今回は軽めに


 すでにクリスマス・デコレーションの始まったハーレム。目抜き
通りの125丁目。本屋に行こうと歩いていると、ちょっとした人
だかり。


 地面に敷かれた透明のビニールシートにたくさんの海賊盤CD。
ビニールシートは四隅がめくり上げられ、CDがくるまれたように
なっている。その背後にはアジア系の警官。


 海賊盤を売っていた男たちの姿はすでにない。ふつうなら警官の
姿を遠くに見つけた瞬間にCDをまとめて走り去るのだけれど、今
日は警官が真近に来るまで気付かなかったのだろう。商品を残して
逃げてしまったのだ。


 通行人の黒人男性が警官に向かって大声を出す。「お前はハーレ
ムで働く、人種差別主義者のチャイニーズだ!」


 その瞬間に、アジア系警官のパートナーが車道を横切り、現場に
やってきた。警官は単独ではなく、必ず複数で勤務するのだ。パー
トナーは黒人だった。


 通行人の黒人男性は一瞬ひるんだように見えたものの、さらに声
を上げる。「お前の仲間だってチャイナタウンで海賊版を売ってる
じゃないか!」


 これが、黒人だけが持っている「誰のことでも好きなだけ人種差
別主義者呼ばわりできる」、お得なライセンスだ。「自分たちはい
つも差別されている」という被害者意識が高じ、黒人が非黒人によっ
てダメージを被ると、黒人側に非がある場合ですら「人種差別だ!」
と主張する。


(1)アジア系警官は任務を果たしていただけ。しかも、今日は積
極的に海賊盤売りを逮捕しようとしたのではなく、売り手が先に逃
げてしまったのだ


(2)「アジア系=中国系」「中国系=チャイナタウン」というス
テレオタイプ。警官は韓国系だったかもしれないし、それ以外かも
しれない。サングラスをかけていたので、私にすら判別できなかっ



(3)仮に警官が中国系であっても、彼の「仲間」がチャイナタウ
ンで海賊盤を売っているわけではない


 「黒人地区で働くアジア系警官」である以上、こんな体験は珍し
くないのだろう。警官は男性の罵声には応えず、淡々と任務を遂行
していた。


 そこへたまたま通りかかったのが、交通課の警官(黒人女性)。
彼女はウンザリしたように「Take them.」(さっさとCDを押収し
て、行ってしまいなさい=意訳)とつぶやき、歩き去ってしまった。


 ちなみに、本屋での用事を済ませて1時間後に同じ場所を通り掛
かると、もちろん別の海賊盤売りが商売をしていた。アメリカのク
リスマスって物入りだからね、みんな稼がなくちゃ。
Happy Holidays to everybody!!


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生い立ちを検証。

U.S. FrontLine12月第3週号(12/17発行)掲載予定!


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