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MM3F06A505A73CE
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別世界(2)
「お客さんはなんていう名前なのかな?」
と、不意を突いた様に前を歩く案内役の男が振り向き様に聞く
「え?ああ、柴田一茂です」
もうかれこれ小1時間は歩いただろうか、
まるで雲の中を彷徨っているかの様に周囲には白い霧が掛かっていた
時折、薄れた隙間から樹木が立ち並ぶのが見えて
辛うじて森の中に居る事が解る、音の無いしん、と静まり返った世界
「そうか、一茂君、おめでとう、君はこの世界にどうやら
受け入れてもらえた様だ、体に異常はないかね?
そうか、何も無いか、良かった、実の所・・・」
それから延々と男は喋り続けた、
実はこの小1時間の間に体が異変が起き
そのまま又、別の世界へと飛んでしまう事があるらしかった、
「そうは言っても、極稀なんだけどね」
「はあ」
「とりあえず、ここの世界を説明しよう、まず、これから入る村で
女一人分を払い特別待遇を得る事、それから戦士を買うように」
「戦士ですか?」
「そう、次の村まで昼は戦士として戦い、夜は情婦として仕える」
「ああ、成る程ね」
少し霧が晴れて来て、視界が開けてきた時、男がおもむろに前を指差し
「とりあえずはあの村で一晩じっくりと吟味致しましょうや」
と言った
そこには、いつのまにか大きな木の柱が立っていた、
どうやらそこが村の入り口の様だ、
その中へ案内役の男に促されるまま、入っていった。


2003/07/15/アダルタスファクトリーズ