メルマガ:露骨。
タイトル:露骨。〜第58号〜  2004/01/03


新年、明けましておめでとうございます。
お正月に『露骨。』を発行するのは、
これが初めてのことなので、
少々緊張していたりします。

2004年になってから、
1本の舞台と、それから4本の映画を観ました。
映画のほうが多いのは、
昨年の自分に対する、ちょっぴりの反省です。
昨年は舞台にハマってしまっていて、
舞台ばかり観に行っていました。
今年ももしかしたらそうなってしまうのかもしれないけれど、
観られるうちに、ちゃんと映画を観ておくべきだな、と、
一日も二日も、ワタシは映画館へと足を運んでいます。

こまばアゴラ劇場で観た、
平田オリザさんの劇団、青年団のプロデュース公演、
『夏の砂の上』は、
ワタシの心に、一生残るであろう作品となりました。
お噂通り、とても静かなお芝居で、
それなのにとても激しくて。
一瞬、映像でも通用するような世界観を
目指しているかのように感じてしまいました。
が、やはり全然そんなことはなく、
とても演劇的なのでした。
一見、まるで日常を切り取ってみせたかのような、
とても自然で現実的なその空間は、
実は恐ろしく非現実的でもあったりして。
かと言って、けして、
言葉のないお芝居とか、前衛劇とか、パントマイム劇とか、
そういった世界でもなく、
あくまで追究しようとしているのは、
そう、"リアル"、そして"日常"なのです。
だけど、蜷川幸雄さんのリアリズムとは全く違って。
ああ、本当に本当に素晴らしかったです。
彼が徹底して小劇場にこだわり続ける理由が、
これでようやく判りました。
それから何より、「言葉」。
井上ひさしさんと並んで、
「日本語」を大切に、
日本語や、日本文化の美しさを表現してくださる、
稀有な作家だという評判は、
まさしくその通りで、ワタシはとても感動してしまいました。
まだ耳に残る長崎弁が、とても心地よいのです。

そして、今年の初映画は、『ミッション・クレオパトラ』。
フレンチ・ギャグ満載で、面白かったです!
ヴァージンシネマズ六本木ヒルズで鑑賞したのですが、
元日も、ヒルズは普段と変わらぬ混雑ぶりで、
此処は季節柄とか全然関係ないのかしらと思ってしまいました。
オブジェとして植えてある木々が、
まるで発光体のように、
自ら不思議な灯りを発し、周りを照らしていました。
それはあまりにも美しくて、
カメラのシャッターを押すのと同時に、
クリスマス・イルミネイションのときに足を運ばなかったことを、
心から後悔しました。

そして今日、一月二日。
『昭和歌謡大全集』、『幸福の鐘』、『Seventh Anniversary』。
すべて渋谷のシネ・アミューズにて。
どの映画も、とてもとても切なく、
そして、とてもとても美しかったのです。
今日観た映画は、
どれも、水面の光景が印象的な作品ばかりでした。
今でも眼を閉じれば、瞼の奥へと、余韻が広がっていく作品ばかり。

2004年になったって、
ワタシは舞台ばかり観ているし、
ワタシは映画ばかり観ているし、
ワタシはギャラリーにばかり出掛けている。

2004年になったって、
ワタシは絵ばかり描いているし、
ワタシは写真ばかり撮っているし、
ワタシは歌を口ずさんでばかりいる。

2004年の出だしは、好調です。
どうか、このまま、よい流れが続いていきますように。
そして、いつも『露骨。』を読んでくださっている皆さんへ、
どうかどうか、美しき幸福の鐘の音が、響き渡りますように。
愛をこめて。



                     エイラ(eila)
                     eila@usa.co.jp



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